ゆうがたヒーロー

日曜の朝でなくても誰だってヒーローに憧れてる

感想『2gether』サラタイBLテラサに上陸。サラワットとタイン尊い2人のかわいさがキマる

2gether Blu-ray BOX

 

ついにやりましたよ。軽い気持ちで手を出したら一瞬で完結する伝説のタイBL『2gether』

2020年4〜5月、コロナ禍による外出制限がもっとも厳しく先行き不安だった時期、多くの人に生きる希望を、糧を提供してくれたと言われている『2gether』

サラワットとタインがひたすらかわいい『2gether』

というかタイトルの言葉遊びのセンスがいい『2gether』

あぁ、これはハマるわ。

そりゃ沼るわ。

 

  • 「落ちるまでキスするぞ」(1話)
  • 「俺をすごく好きにならなくてもいい。でも俺に心を開いてみてほしい」(7話)
  •  寝る前にお前を見たい、目覚めたときにお前を見たい。一緒に暮らそう(10話)
  • 立ちはだかる刺客たち
    • タインの兄貴タイプ
    • タインを狙う男ミル
    • サラワットの初恋、パム
  • 世界トレンドにもなった2gether

 

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『機界戦隊ゼンカイジャー』時をかけるヒドケイワルド。タイムリープの鉄則に破れ去る

機界戦隊ゼンカイジャー オリジナル・サウンドトラック サウンドギア1

 

東映さんの総集編テクニックはすごい。総集編すらも手を変え品を変え、ノウハウが蓄積されている。過去に戻ってみたり、昔を振り返ってみたり、さまざまなパターンがある。去年のキラメイジャーも10話分しかない中で総集編を何度もこなした。単なる総集編にならないよう、楽しめる工夫を凝らすのはほんとうにすごい。

 

今回の敵は偏差値が高い。トジテンドにも賢いワルドがいたもんだ。

過去にさかのぼってゼンカイジャー結成前につぶしてしまおう、とかいうまるで主人公のような過去改変を提案する。いま流行りですからね、タイムリープ。やっぱり小悪党ヤンキー集団が本物の極悪集団になる前に潰すが勝利の鍵ですわ。(ゼンカイジャーはヤンキーではない)

 

しかし、残念ながらヒドケイワルドは主人公ではなかった。

タイムリープものが成功する最大の要因を持ち合わせていなかったのだ。

そして、真に主人公側であるせっちゃんがタイムリープを逆に活かす。

セッチャンを誘拐して寝食をともにしながらもういちど半年間を繰り返すヒドケイワルドはとても健気だ。しかし、いわゆるストックホルム症候群になることもなく、ゼンカイジャーに情報を流し続けるせっちゃん。おかげでゼンカイジャーは先の展開を知っている超有能サポートを得ることができたのだ。でも、基本的な展開は変わらないのか、たぶん先週は懲りずにバカンスしていたに違いない。これまでの勝利は実質ヒドケイワルドのおかげといってもいいだろう。

 

 

ヒドケイワルドとせっちゃん、このふたりの明暗を分けた要因はなんだろうか。

それは、「俺は未来からこの時代にやってきたんだ!」という戯言を信じてくれる仲間がいるかどうかである。

ボッコワスにもイジルデにもステイシーにも「誰だお前」という態度でせっかくの未来からの耳寄り情報に聞く耳を持たなかった。

対するゼンカイジャーたちはせっちゃんの通信に耳を傾け、信じてくれた。

まぁ、アプローチにも差がある。いきなり現れて本題をつたえようとするヒドケイワルド、細かくアプローチを続けて信憑性を高めていくせっちゃん。そういう地道な努力は大事である。

・・・・介人はそんな回りくどいことせずともすぐに信じるか。ある意味ではこれもトジテンドとの差だな。

 

振り返ってみると、タイムリープものは「未来から来たんだ」という言葉に対して大体「俺はお前を信じるよ」というキャラがいるものである。介人のようなイケイケドンドン型「めっちゃおもしれーじゃん。」「わくわくする」タイプにしろ、「にわかには信じられないけれども、これまでの状況からして信じるしかない」という冷静分析型にしても、誰かに信じてもらわなければ仕方がない。でなければ協力者が得られず結局は強力な運命に引っ張られて、元と同じルートをたどってしまう。

ひとは過去に戻れるというだけで過去を変えることはできない。真に過去を変え、未来をつかみとるためには地道な信頼関係の構築が必要となるのだ。

せっかく偏差値の高い戦略を提案したものの頭がいいだけでは世の中はうまく行かない。自分の理念や行動を理解してくれて協力してくれる味方が必要だ。そういう意味ではプレゼン能力も大事だね。世知辛い・・。ヒドケイワルド…無念

 

 

 

『機界戦隊ゼンカイジャー』バカンスで地球は支配された。トジテンドの成功と失敗

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夏休みも終わりに差し掛かっている今日この頃。バカンスによって世界は支配されてしまった。

何を言っているかわからねぇと思うが、これは事実なんだ。

 

 

驚くことに、ゼンカイジャーはトジテンド王朝に屈服し数日間、地球の支配を許してしまったのである。

 

戦隊ヒーローの戦力無効化して完全勝利するのは非常に稀じゃないだろうか。

オーレンジャー終盤でバラノイアに乗っ取られたような記憶があるようなないような。それくらいまで遡る。

ザンギャックやヨドン軍など数々の怪人組織が戦力結集しても地球侵攻を失敗している。それを成し遂げたトジテンドに今後の怪人組織は学ぶことがある(ある?)

 

 

バカンスワルドは空中に放り出されたことを利用して上空からバカンスビーム(?)を放出。

あっという間にゼンカイジャー達の戦意を削ぐことに成功する。

番組開始5分。オープニングが流れるよりも早く侵略は完了してしまった。

柏餅中毒にするだとか、オニゴッコさせるとか色々してきたけど、全くなにも考えさせないのは強い。トジテンド戦力って洗脳系が多いから実はめちゃくちゃ強いんだよね。いままでゼンカイジャー側の誰かしらが洗脳を逃れてきたからなんとかなってきた。全員を洗脳してしまえばそれだけでトジテンド側の勝ちが決まる。そう思えば相当やばい組織であることがわかる。

考える力・思考力判断力を奪う、これは戦略上非常に重要なことで、現実のあらゆるアプリも「とりあえず楽だから」という理由でなにも考えず使ってもらえることが成功の手がかりだと思っている。すでに現代日本はアタマの中を支配されている気もするが、それはまた別の問題だ。

 

 

しかし。うまく行っているとき、邪魔をしてしまうのが上司ってもの。

地球を支配してすっかりバカンスを満喫しているバカンスワルドはバラシタラに粛清されてしまう。そして洗脳が解けてしまう。

う〜ん。ひとりの怪人の能力に完全依存した支配はこういうところが弱い。ワンピースのシュガー(だっけ)がホビホビの能力でひとりで支え続けていたのと被る。気絶したらすべてのおもちゃも記憶も戻るって責任重大すぎる。そういう意味ではトジテンドも洗脳能力に頼り切った侵略プランだと、リスクマネジメント上よろしくない。その点を今後再考すべきだ。

そして、バラシタラは一時の感情に任せて作戦の要を自ら手放した。これは完全なる大失態でありそれこそボッコワス大王から粛清を受けてもおかしくない。部下を叱らなければならない場面があったとしても、きちんと作戦と現状を把握して適切な処分を下すべきだったのだ。居なくなったらプロジェクトが崩壊してしまうような人物の重要性、損失の大きさを上司が理解していないといけない。

・・・脳筋組織っぽいし、なるべくしてなった感は否めないけども・・。世の中の上の人はどうしてこうも脳筋なのだろうか。

 

 

それにしても、バカンスで支配されるのなら支配される側は万々歳なんじゃないか?

全く未知のスイカ割りで三つ巴の熱い戦いをするなんて思いもしなかったけども、あくまで支配されている洗脳状態の戦闘。ただ競技をしているだけなのにセンタイギア使うし変身するし、遊びにも全力ゼンカイなのがさすが。

あくまでも遊びの一貫だったわけで、バラシタラが粛清しなければこのまま支配され続けていたと思うと恐ろしい。

 

 

 

感想『動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージfromスーパー戦隊』キレる大和先生を見れる数少ない話

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動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージfromスーパー戦隊

ジュウオウジャーが40作品目のアニバーサリーであったことによって通常のVS映画にスーパー戦隊要素を追加している。

 

キャンプをしているジュウオウジャー達の目の前に現れたのは数々の妖怪を退治してきたニンニンジャーだ。ジュウオウジャーニンニンジャーは衝突する。

1時間くらいの映画なんだけど、アクション・バトルの時間が結構長いのが印象的。

ジュウオウジャーニンニンジャーがガッツリと殴り合う。殴り合いが終わったと思えばすぐに共闘してボスラッシュにはいるから絵面が派手で見応えがある。7割くらいバトルシーンじゃない?

  イーグル&ゴリラ&ホエールのどの変身も見せてくれて楽しい。改めて見てもホエールのスタイリッシュなイケメン具合よ。シュッとしたマスクにヒラヒラマントはやっぱりかっこいい。そういやニンニンジャーは超絶しなかったな。

 

振り回される大和先生

この映画最大の見どころは戦隊屈指の穏健派常識人・風切大和先生がニンジャとジューマンに翻弄されることだ。

マイペースな天晴に振り回される姿は見ていて愛おしい。ニンニンのノリがジュウオウジャー世界に持ち込まれ、急展開の連続にもなんとか頭を働かす姿が健気だ。ルンルンに騙されていたと知るやいなや頭を切り替えて素直に謝る天晴。許されるとすぐにヤマトと呼んでフレンドリーに接する天晴。常識人の大和先生も驚く順応性。

ジュウオウジャーニンニンジャーの戦いが激化していくのに、全く戦いを止められない無力感に、戦いを止めようとしながら火に油を注ぐ天晴への憤り。思わず頭に血が上ってしまう大和先生は必見だ。

そうだよね・・。自由なジューマンとめんどくさい(笑)みっちゃんのお世話をしていたけども、そこに輪をかけた自由人・天晴ときたものだ。いくら聖人であろうとキレそうにもなるよ。

エンディングのワチャワチャでもひとり蚊帳の外で倒れ込んでみんなに背中をふまれる始末。さすがジュウオウジャー本編の良心をひとりで引き受けた男だ。

 

 

「ヒーロー始末人」ルンルンことギルマーダ

ニンニンジャーってのは基本的には自由人・天晴を支える他のメンバーは比較的常識人だ。それぞれ個性はあるものの、色々と分をわきまえる頭はもっている。そんな彼らをジュウオウジャーと戦わせるのにはどうすればいいか。ニンニンジャーが戦うべき正当な理由をつけてやればいいのだ。ルンルンの策略によって正義感を暴走させてしまう。

人は正義を行使するとどこまでも残酷になれる。これまで地球を守ってきたヒーローの正義感をくすぐってやることによって、衝突させるやり口は相当に攻めた作戦だ。

公開当時と比較して格段に発達したSNSと未曾有のパンデミックによって正義感をくすぐる作戦の凶悪さが身にしみる。

 

数々の星でヒーローを抹殺してきた「ヒーロー始末人」ルンルンことギルマーダにより、いちどはジュウオウジャーニンニンジャーは壊滅してしまうらしい。この2戦隊が壊滅することで、脈々と受け継がれてきたスーパー戦隊の歴史が途絶えてしまう。

なるほど、スーパー戦隊というのは基本的には独立した存在ではないらしい。さらに今回ジュウオウ&ニンニンが生き残ったことによって新しい戦隊キュウレンジャーが誕生したとも言われている。現行のスーパー戦隊は後輩ができるまで決して負けてはいけないことになるけど、大変だな。

 

この「ヒーロー始末人」というキャラクターは珍しい。闇の殺し屋的な存在ではなく、ヒーロー限定で始末しているらしい。宇宙にまで広がる世界観は各星にヒーローがいることがわかる。もともとデスガリアンは宇宙から来ているから、宇宙規模の物語ではあるんだけども…。スーパー戦隊の世界はうっすらつながっているから宇宙警察や宇宙海賊の他にも様々なヒーローがいて、地球に合流せず人知れずに消えていったヒーローもいたのだろうか。しかし、多くのヒーローは元々強いし、専門の始末屋に頼まないといけないクラスを倒す仕事って割に合わないんじゃない?よく仕事として成立してると思うわ。

植物をモチーフに造形されたギルマーダはかっこいい。歴代幹部と並んでも遜色ない「敵」感がたまらない。通常の怪人より等身が高い、というより足が長いけどどうなってるんだ?

 

 

正直、40作品のアニバーサリーだからスーパー戦隊要素を入れ込んだって具合で、実はなくてもいいくらいの感じだった。バトルが多くて見ごたえはあるけど、スーパー戦隊要素の尺をもう少しキャラクター同士の掛け合いだったらよかったな。女子組の戦闘はキャピキャピしてておもしろい。何だあのキグルミ戦闘は!笑。一番最後のアムにときめいちゃった凪がかわいい。八雲は霞ねぇのことが好きなんだっけ?違ったとしてもレオみたいな軽モノに触れてほしくないくらいの感情はおもしろい。戦闘では黄色つながりでレオと凪が絡んでたけど、「凪くん」って呼んでて絶妙な距離感に和む。

生粋の陽キャラであるキンジ。ちょっと優しくしてもらうと好きになる操。一緒に釣りに行きたいってタスクを使いながらも一生懸命誘う姿と、明るくノリよく快諾するキンジの関係性がたまらん。お友達ができてよかったね、みっちゃん。

 

 

VSシリーズはエンディングダンスが楽しい。風花ちゃん、相変わらずキレキレで踊るから笑っちゃう。なんか作品の垣根を超えてみんなで楽しく踊ってるのみるとこっちも笑顔になちゃう。年に一度のお祭り作品だからこその魅力がある。

ジュウオウはルパパトとのVSがなかったのが悔やまれる。あ、でもルパパトにエンディングダンスなかったわ。

いいよね。。。VSエンディングダンス。キラケボーン・・・・(唐突な感傷)

 

ugatak514.hateblo.jp

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感想『海賊戦隊ゴーカイジャー』50話-決戦の日、ゴーカイジャーは真のスーパー戦隊になる

スーパー戦隊シリーズ 海賊戦隊ゴーカイジャー Blu-ray COLLECTION 1

 

宇宙最大のお宝の正体が明らかになった49話からのつづきになる。

そのお宝は世界をつくりかえる力であった。

ただし、世界を作り変えるのには条件がある。その力をつかうことで戦隊の歴史が消えてしまうというのだ。

その事実を知り、力を使う踏ん切りがつかないゴーカイジャー達。そんな折に襲いかかるザンギャック艦隊により、海賊たちは散り散りになってしまう。

 

この50話のエピソードを改めて見返すとスーパー戦隊の存在についてひとつの答えを提示してくれていて、実に秀逸な話だなと思った。

マンモスレンジャーやマジレッドのクラスメイトの山崎さんやゴセイジャーの博士が出演するなど、レジェンド回としての盛り上げながらゴーカイジャー達のヒーロー性を改めて問い直してくれている。

2話で出てきた少年やゴーゴーファイブ回の親子が再登場するのも演出として巧い。

 

  

ヒーローの自己犠牲

唯一の地球人である鎧はレジェンド・ジュウレンジャーのゴウシに出会う。

「本来はレジェンド大戦で捨てる覚悟の命」「地球のために犠牲になる」

鎧はそんなゴウシの語りに胸を打たれる。

ゴウシの言葉、共感する鎧は典型的な自己犠牲を厭わないヒーロー像だ。

鎧は以前、ダイレンジャーの亮に出会い「変身できない状況でもできることがある」 ということを学んでいる。実際に変身ができないゴウシも瓦礫の中から人々を救っている。こうした経験から、たとえ変身ができなくなろうが、そもそもの存在・歴史がなくなろうが、平和のための犠牲になる存在を認め、大いなる力を使う決意をする。

最近であればキラメイジャーのパワーアップ回にも通じるところがある。責任感のあるヒーローほど、身を削ってでも大義のための犠牲になることを厭わない。そして僕らもそうした犠牲を自然と納得して当たり前におもっている。それが「僕らのイメージする」ヒーロの正しいあり方なのかもしれない。

 

 

ヒーローが与える影響 

一方で宇宙人組は街の人々に出会う。

まずルカとアイムはゴーゴーファイブ回での親子に再開する。ザンギャックが向かってくるにも関わらず母と妹を守ろうとする少女。彼女は「怖い。でも守りたいものがあるから勇気を出して戦った」と話す。これはゴーピンクにあったときの教訓だという。

ジョーとハカセは天知博士と山崎さんが人々を支えている様子を目撃する。ジョー達は知る由もないが、彼らもスーパー戦隊に支えられ影響を受けた人たちだ。それぞれ「諦めない気持ち」「勇気という名の魔法が奇跡を起こす」と語り、互いに勇気づけて励まし合っていた。

マーベラスは2話で出会った少年を目撃する。フラフラになりながらも、ゴーミンを追い払えるくらいには戦えるようになっていた。少年曰く「スーパー戦隊になれなくても戦える」という。なんの因果か、これはマーベラスに影響を受けている。

奇しくもマーベラスゴーカイジャーはすっかり地球のスーパー戦隊のひとりとして、人々に影響を与える存在になっていたのだ。

宇宙人組はみんな一致して、大いなる力を使わないことに決めた。

 

 

僕らにとってのスーパー戦隊

ゴーカイジャーでは、スーパー戦隊をただ地球を守ってきたヒーローとして扱わない。

地球を守るだけでなく、人々の希望の象徴・シンボルとしての役目を担っている。

だから、スーパー戦隊の歴史をなかったことにするというのは、人々の希望を奪うことと同義になってしまい、本当の意味で地球を守ったことにはならない。いくらスーパー戦隊の当事者が自己犠牲の精神を持っていても、本当に犠牲にしてはいけないのだ。

10年以上前からこんなドストレートに「ヒーローのあり方」をテーマにしていたのは気づかなかった。当時はゴーカイチェンジやレジェンド達がでるというだけでキャッキャしていて気づかなかった。

この日、ゴーカイジャースーパー戦隊に必要な精神をすべて体得して、晴れて35番目のヒーローとなった。鎧も「欲しいものは自分で掴み取る」海賊精神を学び、大いなる力を打ち砕いた。これで海賊見習いではなく、立派な宇宙海賊へ成り上がった。

 

 

この50話は「戦隊」とは何なのか、を掘り下げてひとつの解を提示している。

地球を守ること以上に希望として心の支えになれる存在であることが重要なのだ。

レジェンドをゲスト出演させてスーパー戦隊35作品記念として盛り上がる要素をきちんと抑えつつ、スーパー戦隊に影響を受けた人たちのメッセージを入れ込み、ゴーカイジャーの成長物語に区切りをつけ、鎧を海賊として仕立て上げる。

ストーリーとしても演出としてもなかなか離れ業をやってのけてる50話。最高でした。

 

 

 

 

『機界戦隊ゼンカイジャー』22話 ガオーン回。人間とキカイノイドへの区別に疑問を投げかける

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ゼンカイジャーって特撮作品はどういう情緒で視聴に挑めばいいのか、毎週困惑している。

 

トウギュウワルドが人間を闘牛にして特攻させるってあらすじだけだと、いつものゼンカイジャーだなって思うじゃん?ゼンカイジュウギアが家出?!って予告でも「うんうん、いつものゼンカイジャーだな」って安心するじゃん?ステイシーがまたお忍び来店するって分かれば、カイトの両親絡みのシリアスかな、って予想はできるよ?

でもここでガオーンの人間選民思想に突っ込んだシリアスを話の主軸にするなんて誰も思わないじゃんか!!!

 

ゼンカイ脳こっわ!これを半年間も作り続ける制作陣怖すぎる。どんな精神状態ならこれを同一エピソード30分でまとめ上げられると思うんだよ!それで、なんでできちゃうんだよ!最高か!

 

 

ガオーンの嫌悪と自意識

モモタロスとウラタロスの絡みに慣れている特撮勢からすると、ジュランとガオーンのいがみ合いもただのじゃれ合いの範疇として見ていられる。それにキカイノイドであるガオーンが人間(動物)を愛でるという設定は、人間が猫を愛でることの逆転として受け入れやすかった。しかし、キカイノイドという特殊な見た目であることが作用し、そこに根ざす選民思想排他主義をオブラートに包んでいた、という事実に気づき戦慄してしまった。確かに、相手が「人間」であれば露骨に対応を変えるというのはあまりよろしくない。ガオーンがキカイノイドであり、嫌悪の対象もキカイノイド、嫌悪の描写は仲間ばかりに向けられていた、ということもあり、このキャラクターの特殊性にまったく気づかなかった。

 

これを人間5人の役者を揃えた戦隊ものであれば、到底ありえない設定だ。日曜の朝に子どもたちを夢中にさせる戦隊ものとしては、あまりに濃すぎる。人間で演じてしまうとあまりにも生々しく、不快感が浮かび上がってきてしまうのだ。ガオーンに限らずジュランらの設定も皆、キカイノイドだから見ていられる節がある。

 

キカイノイド嫌いにも元はガオーンの自意識という重たさがあるんだけども、コメディ・ギャグ過剰なゼンカイジャーにおいては「人間優先」もギャグとして片付けられる。それをあえて問題提起してくるのは意図的としか思えない。ここでこの問題を取り上げることにより、相手の属性によって対応を変えることの不誠実さが浮き彫りになった。スーパー戦隊シリーズは教育的な側面を併せ持つ。説教臭さが出ない程度でエンタメとして楽しみながら教育的な啓蒙活動をするバランス感覚には脱帽するばかりだ。

ステイシー絡みで次回へ続くという引きがなければおそらく、最後にガオーンがジュランを邪険に扱ったあと照れ隠ししながら「まぁでもごめん」みたいなエピローグで終わっていただろう。というか僕の脳内にはその場面が見える。

 

 

ジュランの裏方スキル

キカイノイドって年齢がわかりづらいけど、「ちょいワルおやじ」的な年代であるらしい。とすれば、作中ではヤツデの次の年長者ということになり、ゼンカイジャーの保護者のような立ち位置にあることに気づく。あーだこーだいいながら、ときに叱り、ときに励ます。今回のガオーンに対して「人間の子どもにも同じことをしたのか」と言い、同時に「言い過ぎた。ごめん」と謝れる。マジーヌや子どもたちがお化けに夢中ならば人知れずお化けに徹する。かなり理想的な年長者じゃないか?暴走したり突っ走ったりする仲間が多いなかで冷静に一歩引いてフォローに回れる。これまでの「レッド」とはまた違うタイプであることは間違いない。

かき氷を食べてる界賊一家とのやりとりがすごくよかった。窮地を脱するときにはジュラン&ゾックスでの組み合わせもいいんじゃないかな。

 

 

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感想『海賊戦隊ゴーカイジャー』25・26話 ハリケンジャー回。海賊と忍者のコラボSP

海賊戦隊ゴーカイジャー ファイナルライブツアー2012 [DVD]

 

 

『テン・ゴーカイジャー』が公式発表されたところで、ゴーカイジャーを一挙見直し。

ゴーカイジャーは僕が大人になってから特撮ヒーローにどハマリするきっかけの作品のため思い出深い。

ゴーカイジャー発表時はちょうどワンピースが頂上戦争編で大盛り上がりしていた記憶がある。そんな中「海賊戦隊」が次のヒーローです、と知って「ワンピースにあやかってるなぁ」という程度の印象。こないだのYoutubeでのテン・ゴーカイ発表特番でパイレーツ・オブ・カリビアンの話題も出て、なるほど海賊戦隊になったのは必然だったんだなと思ったけども。

 

 

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感想『機界戦隊ゼンカイジャー』21話 Vレックスの顔ってかわいいよね。戦隊ヒーロー、ついに等身と巨大の垣根を超える

ミニアルバム機界戦隊ゼンカイジャー2

 

ゼンカイジャーは例年の戦隊スケジュールを前倒し気味でガンガン進めている、と白倉氏がインタビューに答えていた。

追加戦士ゴールドツイカーやライバル、ステイシーの登場はたしかに早かった。

強化フォームもキラメイジャー「アローな武器にしてくれ」は10月4日、リュウソウジャーのマックスリュウソウレッドは11月、ノブレスモードに至っては12月の登場だ。

そう考えれば、7月末でのパワーアップは異例ともいえる。ただし、夏休み前には追加ロボが発売されがちであり、ジュランやガオーンらが巨大化・合体をするゼンカイジャーにおいては追加でロボを導入しづらい環境ではあった。まぁ戦隊だから巨大戦用のロボがいるのも全然ありえるし、秋商戦には仲間入りする可能性も否定できない。

 

というわけで、スーパーゼンカイザー&スーパーゴールドツイカーによる強化形態に巨大化・合体という合わせ技を考案するのは思い切りがいい。

これまでの常識を打ち破る白倉氏の手腕だろうか。

 

それにしてもゼンカイジュウオーかわいいな。タイムレンジャーのVレックスとジュウレンジャーの組み合わせ。ジュランがいるのになぜまたジュウレンジャーモチーフになったのか、アバレンジャーリュウソウジャーではバランス的に難しかったのだろうか。公式さんは「まだ秘密のとある理由がある」ということだから楽しみにしておこう。しかし、結構目立つ感じでVレックスの顔が配置されているので、個人の感覚的にはタイムレンジャー感が強い。

 

そして、圧倒的な怪獣!もう遠慮なく街を破壊するためにコピーで作られたニセビルなんかを配置。ボッコボコに市街地を破壊しちゃってます。これをやりたいがためにコピーワルドだったのだろうか、というくらいに楽しく街を壊してくれました。

直接破壊したのはコピーだけだろうとは思うけど、きっと本来の市街地も大打撃を食らったに違いない。まぁそこはいつも巨大戦で破壊され慣れしてるであろうゼンカイジャー住民には日常のこと、、、なんだけど、「いつもより多めに破壊しております」くらいに大破壊してくれましたね。コピーのキカイノイド組と戦ってる画はどっちがヒーローかわからないくらいにゴーカイな破壊っぷりだった。やはり怪獣が街を破壊していくのは気持ちがいい。

 

僕はウルトラマンは履修していないからイメージの話なんだけども、大怪獣と巨大戦メインのウルトラマン、正義哀愁と等身戦の仮面ライダー。これらをいいとこ取りしようと巨大も等身もやる戦隊ってそりゃ采配が難しいよな。

戦隊の番組内で明確にパート分けしてきたけれども、近年は同時並行で戦闘を展開したりして、その境界線が曖昧になりつつある。シームレスになることによって、巨大で戦う等身ヒーローや、等身で戦う巨大ロボなんてものも当たり前になるかもしれない。そのさらなる1歩として等身ヒーローが合体・巨大化するのだ。

 

 

…いや、やっぱそうはならんやろ笑

 

 

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感想『HIStory マイ・ヒーロー』アーロン・ライがただただイケメンすぎる台湾BL

HIStory マイ・ヒーロー [レンタル落ち]

 

ラブバイチャンス(LBC)と赤い糸(UWMA)という2つのタイBLを経て、台湾BLに手を染め始めた。約20分ドラマ全4回。HIStoryシリーズとしてオムニバス作品が他にも何点かある模様。まぁ、どれから見始めても良かったんだけどなんとなくこれに。

 

ヒロインのラン・シーは神の手違いで、いじめられっ子スーレンの代わりに死んでしまう。身体も焼かれて戻ることもできない。お詫びにスーレンの体に魂を移してもらうも「7日以内に彼氏のインションからキスしてもらえないとそのまま死んでしまう。」と言われる。ラン・シーはスーレンの身体のままインションからキスしてもらうため奔走する。

 

なんだこれ。ファンタジー系なんだけど、トランス系も入り混じってなかなかカオスなドラマだ。この神とのやりとりってコントなのか?もしかしてこれはギャグドラマなのか?どういう心構えで見ればいいのか困惑しながらも視聴を続ける。

第1話なんかはこのファンタジーな設定を説明するのに結構な尺を費やすためあまりドラマとしての動きはない。あやうく視聴を諦めるところだった。

だけどもボクは辞めなかった。

 

視聴に耐えうる理由はひとつ、インション役のアーロン・ライがイケメン過ぎたからである。

 

 

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なんだあの顔!あの身体!バキバキのゴリゴリで強そう笑

国立台湾大学出身で高校ラグビー台湾代表の180センチ越えの長身。

あ、やっぱつえー奴だわ。。。ラグビーの身体か・・・なるほど。バキバキなのはわかった。そのうえめちゃくちゃに頭がいいのもわかった。神はなんであんな端正な顔立ちまで与えた・・・。そんなんチートだろ…。

タイBL組がイケメンとかわいらしいキャストのイメージに対して、なんというか「男前」なのが印象的。こう、目力があって惹きつけられる俳優だなと思う。あんなんイケメンすぎて釘付けになるわ。

 

個人的な感想だけど、スーレン役はそんなにって感じでした笑

素朴で台湾の普通っぽい顔立ちで、好みではないけれども可愛らしいとは思う。ラン・シーが憑依(?)しているときの演技とかそういうのは全体的によかったよ。

 

 

当たり前なのだが、インションにとってスーレンはどことなくラン・シーに重なる。

ラン・シーのアプローチによってインションはスーレンに気持ちが動いていく。

引き寄せられ口づけする瞬間に我に返って「飲みすぎた」と狼狽えながら立ち去る姿は漫画のワンシーンのように美しい。

 

しかし、そうなるとラン・シーにとってひとつ悩みが増える。インションがキスをしようとしたのは、自分に対してなのか、スーレンに対してなのか。

一方のインションも自分の気持ちに戸惑っていた。一緒に過ごす中でスーレンを強く意識してしまう。

ふたりはぎこちなくモヤモヤして生活をする。

 

ここでランニング後の水のペットボトル間接キスがちょっと萌える。

インションははじめ口をつけないように水を飲んでスーレンに渡した。それを見ていないスーレン(ラン・シー)はちょっと嬉しそうに水を飲んで返す。口をつけたのをみたインションは今度はペットボトルに口をつけて水を飲んでスーレンに渡す。

インションのまるで中学生の恋愛のようなピュアな態度が微笑ましい。スーレンを気にしだしてからは加速度的に気持ちが盛り上がっていくのが見て取れる。

ペットボトルの水を1本飲み終わったあと、そっと次のボトルを取り出すシーンはギャグだよね???

 

その後もイチャイチャ場面はいくつかあって、スーレンの口からポッキーをもらうシーンはおそらく当時渾身の萌えシーンだったはずだ。しかし僕は知っている。「ポッキーとBL」においてはとあるタイドラマのほうがすさまじい破壊力を持っていることを。こういうのは時代とともに過激になっていくものなのだろうか。(いいぞもっとやれ)

ふたりでジェンガや筋トレ?をしているときのインションはとても楽しそうだ。

 

 

ある日、インションはゲイに関するネット記事を読む。その記事に対してスーレン(ラン・シー)は「外で手を繋げないし抱きしめることもできないから息子にはゲイになってほしくない」と口にする。その言葉がインションを傷つけてしまう。

ラン・シーは自分の身体でもとに戻るつもりでいるけど、スーレンとしてキスされないといけないことをちゃんと覚えているのか?男の身体をした自分にキスしてもらわないといけないのに、よくそんなこと言えたな。自由なお嬢様っていう設定が悪い方向にしか作用しない。

ついでにインションもゲイの経験人数みたいな記事で様子伺うのは悪手だよ。絶対もうちょっとソフトな記事あるだろ。まさかスーレンのことを好きになりすぎてやりたい盛りにまでなったのか?だとすれば「ストレートな自分」からの決別が早すぎて笑う。

まぁ、美男美女の理想のカップル像を意識した結果、いままでは本当の自分を知らないふりしていた可能性もあるけれどもね。

 

 

なんやかんやすれ違ってしまったふたり。ラン・シーはスーレンの日記を読み返すことで彼の本当の気持ちを知る。スーレンが好きだったのは、なんとインションだったのだ。(そりゃそうだ)

大きな溝を感じてラン・シーは彼の部屋をあとにする。

 

インションは朝、スーレンがいないことに気づく。そして、ラン・シーが放置したスーレンの日記から改めて彼の思いを知り走り出す。

ちなみに、このインションの目覚めのシーンがたまらなくセクシーである。鍛えられた張りのあるヒップラインが最高すぎる。

というかラン・シー、ぴっちりしたボクサーパンツ派のインションにハート柄のトランクスプレゼントしたのか。そりゃスースーして履き心地悪かっただろうに。。。

 

それはそうと、居場所がわかっていたかのようにラン・シーの元にたどり着いたインション。問答無用で熱いキスをする。そしてスーレンが現世に蘇り、ラン・シーが「私はこのドラマの脇役だった」と肩を落とすオチで終わる。ジェンガや筋トレの思い出がラン・シー変換で回想されるのはちょっと切なかった。仕方ないといえば仕方ないんだけどもね。

 

熱いキスで終わってしまう。あー。。。ここで終わるかぁ。エピローグが欲しかった…。インションとスーレンが思う存分に愛を育む幸せな世界線を見て終わりたかった。ここからが始まりだろ!続編必須だろ!!

間接キスにドキドキしちゃうようなピュアなインションをもっとください。 

 

ugatak514.hateblo.jp

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感想『スーパーヒーロー戦記』或人社長とラプターがゲストMVPだと思う。魔王とイマジンズは相変わらず

セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記 オリジナルサウンドトラック

 

『スーパーヒーロー戦記』のネタバレ感想・備忘録

 

仮面ライダー平成ジェネレーションFOREVER』『仮面ライダージオウOver Quartzer』

この2作品に通づるモノがあるメタ・フィクションだった。いや、まぁ予想していたとおりなんだけども。

全体的なストーリーは「仮面ライダーセイバー」が牽引する。各戦隊・ライダーの物語がが入り交じる事態なんだからこれも当然か。

 

 

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