昨年末、Amazon primeで映画『何者』(2016)を視聴!
実はこれ僕、劇場で直接みているんですよね。佐藤健と山田孝之、菅田将暉と有村架純、岡田将生に二階堂ふみ クレジットキャスト数こそ多くないが主演レベルの若手が集まっている作品。
好きなキャストばかりだし、佐藤健と菅田将暉の推しが二人も揃っている映画ということで劇場に足を運んだ。
なんといっても佐藤健の演技がすごい。何がすごいって目で演技をしていること。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるわけだけども「冷ややかな目」「観察する目」「片思いの目」なんでもござれってくらいに目で感情を表現している。
さすがは『仮面ライダー電王』(2007〜2008)で野上良太郎を演じただけある。
若手ながらひとりで気弱な青年とチンピラ・女たらし・無骨・無邪気なラッパー・貴公子・おかんを演じきったのがすごい。
本作『何者』でも主役として佐藤健の視点で物語が進行していく。
ストーリーをざっと紹介すると、就職活動を通じて仲良くなった大学生達。「就職活動対策本部」と称して互いにアドバイスをし合ったり励まし合ったりしながら切磋琢磨していく。
概要だけを書いてしまうとすごくあっさりしているんだけれども、中身がすごく濃い。
基本的に誰が何を考えているのかがわかりづらく、大学生特有の「表層的な付き合い」が妙にリアルに表現されている。会話と会話のちょっとした”間”だとか誰かが話している最中の表情だとか、それぞれ細かい部分の演技が繊細で丁寧。
そのくせどいつもこいつも虚栄心や承認欲求だけはご立派。互いにそうした側面だけは分かっている。分かっているのにそれぞれ何も言わない。
あー、現代っ子ってこういう感じ。わかるわかる。いたたたたた…
演技はさすがは主演クラスを集めているだけある。とただただ感心するばかりだった。
それだけに、見る人の誰もが誰かに感情を入れ込んで、そのリアルすぎる描写に心を大きく揺さぶられる。
もしかしたら人はフィクションを求めて映画やドラマをみるのではないのか。そうだとすれば、あまりにもリアルすぎる映画は心がついていかないのかもしれない。
あえて過激な表現をするならば「二度と見たくない映画」
自分の触れてほしくない部分を容赦なく つついてくる。ある種では暴力的でグロテスクと言ってもいいだろう。僕にとってはそれくらい、重く衝撃的な映画だった。
「二度と見たくない映画」
劇場で見た感想をそれくらい強い言葉で表現していたにも関わらず、Amazon primeで見つけたときは迷わず見直した。
理由はふたつある。
まず、前述の通り役者の演技がすごいこと。もう一度あのシーン、あのセリフをみたい聞きたい。二度と見たくないはずなのに何度でも見たくなる、いわゆる魅せる演技が非常に贅沢な映画なのである。
好きな言い回しやセリフもたくさんある。僕が好きなのはTwitterに関する人の見方に関する考え方だ。
「140字の積み重ねじゃ実は何もわからない」
僕もTwitterの内容での人物像をイメージしがちなのでグサッとに心に刺さった。
あるよなぁ。ついついレッテル貼っちゃうこと。と反省しつつもそのインパクトから心に響いた。この映画にはそんな僕の好きな表現や考え方が随所に散りばめられているのだ。
そしてもう一度見たくなる理由、それはクライマックスの展開だ。
人の一番つかれたくない部分を容赦なく露わにしていくそのシーン。
そして最後の大どんでん返しでゾッとさせるその演出。
もはや怖いもの見たさともいえる。こればかりは見た人でないと分からない。
とにかくすごい!(語彙力)
・・とはいえ好き嫌いが別れるだろうなーってのも事実。
興味があればぜひ覚悟して見てみてください!
そんなこんなでついつい、劇場に続いて二度目の『何者』の視聴でした!