感想『アリータ:バトル・エンジェル』娯楽映画として合格点。ジェームズ・キャメロン監督の安定感
日本のSF漫画『銃夢』が原作の映画『アリータ:バトル・エンジェル』
スクラップの山から発見された少女。彼女の正体は最新の戦闘兵器だった。
アリータと名付けられた彼女は巨大な陰謀に立ち向かっていく。
超訳するとこんな話。
原作漫画は読んだことがないけれども、世界観の大きさは漫画的でワクワクする設定。
古くに世界は2つに分けられ、上と下に分断した。あー、いいねぇこの反権力的な世界観。
漫画的なストーリーも上手く2時間映画にまとめられている。
途中で気づいたけど、世界が大きすぎた。続編がないと真の完結とは言えないぞ笑
続編の計画とか進んでるのかな・・・。興行収入次第かな?
とりあえずは以下、ネタバレとかも気にしない感想
こういうSFものは人物だけでなく、世界観の説明も最初にするから前半はやや退屈。
いわゆる「起承転結」の起の間は我慢我慢って感じ。
しかし、さすがに2時間じゃそこまで丁寧な説明もできず、雰囲気はつかめたけど細かい部分の設定は(つくりこんであるはずなんだけど)よくわからなかった。
謎スポーツ、あれどういうルールなんだろ。バスケットとアメフトを合わせた感じ?
世界が大きすぎて、尺が足りてなかったね。
街中が機械義肢の人で溢れている。鋼の錬金術師におけるオートメイルのようなものかと思ってたら、全身機械みたいな人も大勢いる。
心臓も安い・高いという概念で話しているから、あの世界は脳さえあればいくらでも機械化できそうだ。
正直、その辺りのメカニックデザインが僕は好みじゃなく、若干の気持ち悪さすら感じてしまった。機械に顔がくっついた・・と言うより取ってつけた感がすごく違和感。
好き嫌いはあると思うけど、世界観やクリーチャーデザインは『アクアマン』のが好みだったかなぁ。
全編を通じて、アリータの成長が素晴らしい。
見るものすべてが目新しい、無邪気なアリータ
親に反抗してやりたいことを主張するアリータ
愛し愛されることを知るアリータ
悲しみを知るアリータ
決意するアリータ
途中、ボディをチェンジするのはびっくりした。
作中でも言われてたけど、物理的に少女から女性になるんだね。
振り返ってみると、完全に少女が女性になっていく成長物語だったわ。
それに、戦うアリータはかっこよかった。
とはいえ、恋に落ちると盲目ってところまでくるとは思わなかった。
ヒューゴのために心臓を捧げようとするのはあまりにも短絡的じゃないでしょうか。
そんな貢ぎ系女子だったのか。。。まぁ、強い女性だって、愛されるとそれ以上に愛を返したくなるもんなのかもしれない
ヒューゴに裏家業があったのは想定してなかったけど、やっぱ悪いことしたキャラクターには報いがあるのかな。ラストの展開は少々荒っぽい感動シーンだったような気もする。
まぁでも、ヒューゴとの関係性構築はひじょ〜に丁寧だった。
”初めて”を教えてくれたり、ひとりだちの後押ししてくれたり、少しずつ心が近づいていく描写がよかった。
でも、身体が全部機械だと、もう少し踏み込んだ大人の関係になったらどうするんだろ。洋画って大体そういう描写があるものだと思っているけど、濃厚キスノルマだけだたな笑
起承転結の起が退屈なのは仕方ないんだけど、全編通してやや消化不足。
ストーリーが雑ってわけではないんだけど、ちょっと盛り上がりに欠けるかなぁ。
ちゃんと次の展開に向ける布石は打ってあるんだけどね。
バトルはおもしろいけど、上手く言葉に言い表せない、やっぱり感?
悪役の魅力かな。噛ませ役、中ボスってのが観てて分かるからかもしれない。
そして、上の世界に行かない。これはでかい。
尺的に「あ、無理だ」と思ったし、長編をどこで区切るかが難しいところ。
映画の『東京グール』なんかもどこで区切るかなー、やっぱここだよな、って感じで観てたし、漫画原作は難しい。続編がないと中途半端になっちゃうよね
とはいえ、娯楽映画としては合格点。期待しすぎないくらいで見るのが僕のオススメ?です
アリータ:バトル・エンジェル(オリジナル・サウンドトラック)
- アーティスト: サントラ,ケネディ・リッケン,マティアス・ラーソン,ロビン・フレドリクソン,トム・ホーケンバーグ,デュア・リパ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2019/02/20
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