『AI崩壊』僕たちはなにに怯えているのだろうか
画期的な医療AIを開発した桐生浩介。彼が開発したAI「のぞみ」はあっという間に日本のインフラとなり、人々の生活をサポートしてくれるようになった。
ところが、何者かがAIをのっとり、日本が大パニックになってしまう。
容疑者は開発者の桐生。桐生は逃亡をしながら真犯人を突き止める。
ざっとこんなあらすじですね。
はめられて犯人にされて逃げる逃亡ストーリーってな感じです。AIが発達しているため近未来SF要素もあります。ただし、舞台が2030年なのでターミネーターやドラえもんクラスの超技術はありません。しかし逃げるのには厳しいくらいにはAI監視網が発達している。そんな世界観。
いま何かと話題のAI
どちらかといえば僕はAI肯定派です。(否定派がどれくらいいるのかわからないけど)
これからの時代はある程・・いや相当通信技術が進歩していくし、あれこれとデータが管理されていく。その分の恩恵を受けるし、快適な生活となっていくだろうと思っています。
作中の時代は2030年。今から10年後が時代設定。
少しだけリアルなのが10年程度じゃ映像で「おお」となるようなハイテク近未来感がまるでない。
スマートウォッチで生体データを管理しタブレット端末で可視化する。
キーは必要ないし、自動運転も多少流行ってはいるけどまだ自分で運転もできる。
テレビニュースも雑誌もあるし、政治家のポジション争いも変わらない。
映像のプレビュー機能がいまより進化していて容易に端末映像を壁に映し出すことができる。人間の3Dホログラム映像を出力できる。
よくわからないけど、デジタル巻物みたいなのあったけど、どういうものなんだろう笑
10年の進歩って意外と読めない。2010年から2020年、何が変わったかといえばスマホの普及が代表的でデバイス面ではほかは正直パッとしない。
昔の青写真みたいにロボットが街を闊歩しているなんて到底先になりそうだ。
(人形でなく、タイヤ等で移動する無人機などはこれから増えていきそうだけど、なかなか厳しい)
そう考えると、2030年もいまから劇的な変化はないんじゃないかというのが作中の世界観。
・・その割にはAIによって職を失ったひとたちが反対運動していたな。あれは日本じゃ考えられない。。ある意味いちばんのフィクションともいえるんじゃないだろうか
仮面ライダーゼロワンもAIテクノロジーがテーマだ。こちらは子供にもわかりやすく人型ロボット「ヒューマギア」が生活を支えている。
そして敵は人類撲滅を望むAIだ。
共通するのはAIテクノロジーと共存した社会にAIが人間に危害を加えるという点だ。
AIやロボットの暴走は昔から使われている仮想敵だ。自然の脅威や未知のエイリアン、古代のモンスターや異世界の侵略者、そういった類と肩を並べる悪役である。
その一方で鉄腕アトムやドラえもんなど、未来の生活を彩る夢の技術でもある。
そんな夢を観つつAIテクノロジーを進化させながらも、僕らはなぜAIに怯えているのだろうか。
僕の仮説では次の点が原因でないかなと思っている。
①生活に馴染みやすい
②他の仮想敵と違い、特定の悪意を受けて暴走しやすい(させやすい)
③大半の人がAIというものを理解していない
①生活に馴染みやすい
スマートウォッチや音声認識、さまざまなテクノロジーが2020年を支えている。
この技術はまだまだ進化もするし、より便利に快適になることは誰もが予想できる。
そういう意味で身近なテーマ題材であることは間違いない。
少し先の未来をモチーフにするのならば既存技術の先を予想しながら描写しなければないらない。誰もが便利な世の中を想像するし、それが豊かさと直結している。
未来の僕らはAIとの共存を夢見ている。
②他の仮想敵と違い、特定の悪意を受けて暴走しやすい(させやすい)
AIを便利な道具として認知している反面、AIに悪意を植え付けることもたやすい
パターンはいくつかあるだろうけど、
A.自分で意思を持ち自立計算した結果人間に危害を加える(サマーウォーズ)
B.悪意ある人間によくないラーニングされて適切に危害を加える(仮面ライダーゼロワン)
怖いのが道具であったはずのAIに意思を持って反逆されること
AIに頼り切っている社会のため、AI自ら信号を遮断するなどされると人間はあまりに無力だ。
「地球の支配者はAIに取って代わられる」そんな恐れを抱かせるタイプ。
あるいは悪意ある人間がAIを悪用する。結局道具は使いようなのであって、あくまでも人間と人間のいざこざを表現するために使われる。
AIについては様々な見方があるけれど、結局
③大半の人がAIというものを理解していない のだ。
僕だってよくわからない。僕なんかがパソコンにデータを入力するよりはるかに早く正確に入力できるAIのほうが優れているに決まっている。そんな得体のしれないやつが増えたら僕の仕事なんかあっという間になくなる。
この恐怖ってのは、ある意味「人間の尊厳」や「自分が自分であるためのアイデンティティ」をAIに奪われることなのかもしれない。
詳しく知ってしまうと自分が負けていることを認めなければならない。
だからAIなんて得体のしれないものを導入してほしくないし知りたくもない。今のまま仕事ができればそれでいいんだ。
そんな人も多いんじゃないんだろうか。
AIに勝てる自信なんて誰もないと思う。
だけどきちんと技術を受け入れて偏見なく適切にAIと共存していくことが大切なんじゃないかな。
アナログ時代の「ハート」の部分をうまく人間で共有し受け継いでうまく棲み分けて使いこなして人間の良さを伸ばしていく。そういうことがこれから大切にあるんだと僕は思う。
だから怖がらないで、AIを学びハートを学び豊かな未来をつくっていこう(いい感じ風)
・・・内容踏み込まずに書いたらまったく映画の感想にならなかったなw
とりあえず、多少荒いけど僕は好きですよ。この映画。
んでもって、原作者なのか監督なのか両方かはわからないんですけど、AIが怖いっていうのは伝わってきました。(そもそもそういう映画だし)
サーバーとかコアとかはみたことないけど、あんな「龍騎SPのミラーワールドのコア」みたいなのって物理的にあるものなのかな?映画映えするけど、実際に存在しないのならなにもあんなデザインにしなくてもとか思ったし、流石にラストは「えぇ・・」って感じだった。
まぁ、おおよそ思ったとおりの感じでワイワイと突っ込みながらみると楽しめそう。
でも、この雑っぷりはたまらなく好き。