ゆうがたヒーロー

日曜の朝でなくても誰だってヒーローに憧れてる

魔進戦隊キラメイジャー 時雨の描く等身大のクールキャラが集約された「変だよね」

【メーカー特典あり】 魔進戦隊キラメイジャー主題歌【限定盤】(魔進戦隊キラメイジャー コレクションカード付)

 

明るく楽しい戦隊ヒーロー「魔進戦隊キラメイジャー」

令和戦隊なのに2000年代前半のようなどこか懐かしさを感じる安心感のある演出がウリだ。(ウリだよね?)

 

0話で世界観説明と敵組織&4人のヒーロへの成り立ちを描き

1話でレッドの変身を描きつつ、

2話で世界にヒーロー活動を世界になじませるロジックを披露してみせた。

ロジックそのものもシンプルな設計で観る者が勝手に脳内で保管できるようになり、世界への没入が可能となる。

 

つづく3話はキラメイブルーの時雨メイン回。予告時点で「万力に挟まる時雨」という衝撃的なビジュアルが公開され、話題を呼んだ。

 

クールなブルーはもはや一昔前?

「ブルーといえばクールキャラ」これは何世代前のイメージだろうか。

一昔よりもっとずっと前なような気もする

キャラクターとしての連想イメージは単純な方が覚えやすい、それもまた事実である一方でイメージの固定化は飽きられる要因にもなりうる、40年近くも戦隊ヒーローを制作している東映はそのあたりもきちんと理解をしている。何年もかけてクールなブルーのイメージチェンジを図ってきた。

 

リュウソウジャーではインテリ担当。作戦立案に高い能力があるのにちょびっと抜けてお茶目な一面も内包している。ものの言い方は誤解を招くが基本的にはフレンドリーな性格である。

ルパンレンジャーでは「THE クール」を担う。作中でもルパンレンジャーの年長であり暴走しそうなメンバーを裏でフォローするダンディズム溢れる大人の男性だ。

内面に触れる場面でもクールであり、透真の性格が伺い知れる。

キュウレンジャーは愛くるしい(?)人懐っこくて喧嘩っ早い。まったく一匹狼でない。

2010年代前半を遡ればドジっ子トカッチ、おっさんノッサン、アラサーリュウジと個性派がつづいていたときもある。

作品にもよるけれどもクールな立ち回りはグリーン(トッキュウ)やブラック(リュウソウ)など他の色に分散しているのが最近の戦隊事情だ。

 

現代風クールなキラメイブルー

時雨役の水石亜飛夢さんはマイナビニュースのインタビューで次のように話している。

 

時雨には「俳優」としての顔、「ヒーロー」のみんなと一緒にいるときの顔、そして誰にも見せていない「素」の顔があるようなんです。

マイナビニュース(https://news.mynavi.jp/article/20200308-991403/

 

はじめは時雨は万力に挟まれた痛みを仲間にも打ち明けず、平気な顔をしていた。

「痛いんじゃないの?」という問いにも大丈夫と答えるポーカーフェイス

楽屋でひとりになったと思ったところではじめて素の感情を表したのだけれども、キラメイジャーの仲間にその様子を見られてしまう。「やっぱり痛いんじゃん」と突っ込まれる。

充瑠はそんな時雨の性格をよく理解し、時雨の意思を尊重した舞台づくりをしてやることで自然に距離感を詰めていった。押し付けることのない提案に自然と時雨が心を開いていくのも頷ける。

ひたすらにクールでストイックだった時雨は最後テレビの密着取材で「そいつらの前なら弱さを見せることのできる。そうすることで強くなれる。変だよね」と答えている。

時雨自身も弱さに向き合い、カッコつけずに等身大の自分でいることの大切さを感じている。(そして仲間にいじられるところまでワンセット)

この最後に笑顔で話す「変だよね」この一言が時雨の内面の柔らかさを表現してるなぁと思う。

 

 

コミュニケーションに重点をおきがちな現代、ただの「クールでかっこいい」は時代遅れの感覚になっているのかもしれない。

クール一辺倒よりもキメるときはキメながら、また別の素顔があるんだよ、というアプローチのほうがより現代的だ。いわゆる「ヌケ」ポイントをひとつふたつ作ってあげることで子どもたちや視聴者が共感できるポイントができるのではないか。

別の側面を出すのが遅ければ「キャラ崩壊」と言われる。クール故にそれまで抱えてきた、という演出をするのでなければ、早い段階でクール意外のキャラクターをつけてやったほうが親近感が湧く。

パトレン3号がクールでありながら可愛いものが好き、リュウソウブラックだって恋もする。そういうギャップがありつつ周りがそれを認めている社会がいまどきの戦隊世界だ。

 

 

ugatak514.hateblo.jp

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