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待望の『PSYCHO-PASS 3』の続編「FIRST INSPECTOR」編。
単体映画ではなく、完全地続きのシリーズ続編といった立ち位置ですね。
シリーズの1,2,映画を見てなくても問題はないけれども、『PSYCHO-PASS 3』だけは視聴必須なので注意が必要です。
僕は最近復習したばかりですが、時間があるならばシリーズをおさらいしてから観ることをおすすめします。
物語はシリーズ3のラスト、弥生の仕組まれた事故から始まる。
冒頭からFIRST INSPECTOR の梓澤とその協力者の小畑により公安局占拠&システムハッキングが行われる。ネットワークが通じず孤立した1係はそれぞれ近場の仲間とコンタクトを取りながらシステム奪還、梓澤の身柄拘束に向けて動き出す。
どのキャラクターにも見どころがあるんだけれども、今回特に印象的だったのは分析官・唐之杜志恩の活躍だ。
その立場から今までも万能キャラとして事件解決のキーマンだった志恩。
一方分析官としての立場から現場にいることなく後方支援に徹していた。
今回、なんと公安局が直接襲撃されているため、現場で活躍する志恩さんを拝むことができる。
やっぱり有能なプロはどんな逆境でも有能で頼りになることがよくわかる。
もうね、まじでかっこいい。
いや、細かいネタバレはしないように書くとすれば、公安局の「システムハッキング」されてるわけですよ。となれば分析官様の出番。詳しいことはわからないけれどもおそらく「ブラッディマンディ」みたいな攻防が行われているんだろう。知らんけど
最前線で戦う志恩姉さん。たしかに本業は分析官・ネットワーク解析なんですけど、そういう演出意外にも見せ場たっぷり。そして最後のネットワーク奪還作戦でタバコを更かしながら「3分あれば…」と全力投球するのさすがですわぁ。
いやはやほんとシリーズ最年長ですけど一番の活躍じゃないでしょうか。
弥生と濃密な親密さも魅力。シーズン1でほのめかされたふたりの肉体関係。
事故に遭ったことを知らない志恩はどう感じたのだろう。
あれ、知ったんだっけ?もっかい見直さなきゃかな。。。。
志恩さんの活躍もそうだけど霜月課長もなかなか良き。
相変わらず振り回されてばかりだけども状況判断と適切な指示はお手の物。シーズン3でもなかなかの管理職っぷりを発揮していたけれども、シビュラのコネじゃなく本当に適正あったんだななんて思うこの頃。
部下の能力をきちんと見極め、きちんと「任せ」てその責任を自分が負う。
あれ、ガミガミうるさいイメージ強いけど意外といい上司なんじゃね・・・?
上司論でも書いて分析してみる価値あるかも笑
ラウンドロビンとは何なのか
とりあずここからはネタバレ込で感想綴ってみますか。
最初にハッキリしときましょう。
シーズン3で疑問だった、「ラウンドロビン」「ビフロスト」こいつら何なの問題。
いつも何食わぬ顔で「ははは。いい手だ」「いえいえ、偶然です。」みたいな表面をなぞるような会話をしながらことの顛末を裏で牛耳っている謎の組織、ビフロスト。
そのメインシステムがラウンドロビン。
梓澤によると「ラウンドロビン」とはシビュラシステム創設初期のバグだし用のシステムだとか。
なるほど。たしかにシシビュラほどのシステムを突如導入することは困難だ。
いろいろと不都合も生じるだろう。そうした抜け道的な部分を潰しこんでいくために用意されたのがラウンドロビン。
本来はラウンドロビンを運用していく人たちがビフロスト。
ご存知の通り、シビュラシステムは自ら成長していくシステムだ。ある程度成長してしまえば自分で考えて対処法を検討することができる。シビュラの運用が長くなるにつれバグもなくなり、その役割は小さくなっていった。
ラウンドロビンの役割はシビュラのバグ出し。だからラウンドロビンとしては大衆に認められたAI人格という存在を創設し、シビュラがどう認知するのか実証する必要があった。常にシビュラの穴を突きながらシビュラの処理を見守る。
ビフロストはある時はバグを認知し、ある時はバグるような事象を引き起こしていた。
やがてシビュラの盲点をつけるラウンドロビンをビフロストが利用するようになる。
シビュラの穴をついたマネーゲームをはじめ、ビフロストも腐敗していった。
コングレスマンの法斑静火はラウンドロビンのシステム開発に携わった一族だった。
彼は役目を終えたラウンドロビンをシャットダウンして、ビフロストを解体することが目的。
そして、この映画で目的を果たすことができたのである。
ぶっちゃけ、ここらへんの設定すごく好き。
ビフロストってラウンドロビンをシビュラに代わりに担ぎ上げたい人たちだと思ったんだけど、違ったね。
シビュラのバグだし・デバック用のサブシステムと考えれば似通っているのも納得する。
シビュラの脳みそ君たちのマンパワーで頑張ってるけど、ラウンドロビンも昔はコングレスマンたちがマンパワーでバグを直していったのかな。
なんか兄弟みたい!笑(いや、姉弟か?)
最後統合されたときのシビュラの会話も生き別れた知り合いと初対面みたいな感じでちょっとかわいかった。
ただ、こんな大事なことを梓澤がペラペラ話して発覚っていうのが残念。
もう少しうまい演出できなかったかなぁ。。いや、思いつかないけどさ
Season2のカムイってラウンドロビンのリレーションのひとつだったりしないかな。
梓澤という男
コングレスマンになりたい男だと思っていたが、実はその先、シビュラ運営の一員になりたかった。
シビュラの正体を目にしても尚、シビュラを崇拝しその一員になることを望む。
免罪体質でない彼は当然シビュラが迎え入れてもらえない。それでも梓澤は受け入れ、シビュラに裁かれるなら本望だとさえ言う。
なかなかのシビュラ信者である。
ファーストインスペクターとして、これまで多くの人に「選択」させてきた梓澤。
正しい選択をすれば救われる。誤った選択をすれば死。そういった選択肢をあたえ観察していくうちに、シビュラのような裁く側になるイメージを高めてきたのだろうか。
その彼の背景は語られることはなかった。彼が自分の気持ちを吐露する場面は全くなかったのではないだろうか。常に表面的なことばかりを口にしていた。
システムの一員になりたかった理由はなんだったのか。シビュラに支配されることから逃れたかった理由は何なのか。
常に飄々としていた梓澤というラスボス。最後は思ったよりかはあっけなかった。
大体の描写は軽く目的を達成しているから強キャラではあるんだけど、見せ場がないんだよね。おもしろい経歴もいっぱいあることだし過去編で暗躍しつつ掘り下げるようなスピンオフとかできないかな、、、現状ではあんまファンいなさそうだし需要がないか。笑
結局、朱さんが起こした事件もわからなかったし免罪体質でありながら放置されている灼にも謎も残った。
シビュラシステムが一般公開されたあとの世界でもやるかな。梓澤のようなシビュラシステム肯定派と廃棄地区のアンチシビュラ派での抗争なんていうのは単純かな?
執行官たちは治安と任務、秩序のため職務を全うするか、シビュラによって潜在犯・執行官堕ちした事実からアンチシビュラ派に寝返るか。なんてことができそうだけどね。
ガバガバシビュラ社会、表向きは合理的社会だけど中身は一生懸命頑張って完璧じゃないシステム運営なのおもしろすぎる。むしろなんか愛着が湧いてる。
シビュラ支配下のもとでの当たり前の生活をしている人たちに焦点を当ててみるのもおもしろいかもしれない。
この世界観がもう少し掘り下げられる作品が続きますように。