『僕だけが17歳の世界で』感動の切ない恋愛。17歳からの蓄積された想い
AbemaTV制作のドラマ『僕だけが17歳の世界で』
佐野勇斗演じる染谷航太は17歳で亡くなった。しかしなぜか7年の年月を経て蘇った。
みんなの止まってしまった時計がゆっくりと動き出す。
時期的に『恋はつづくよどこまでも』の同期の恋愛ドラマだ。
ファンタジー展開でありながら王道恋愛物語。
抜け落ちた時間を取り戻すかのようにいちゃいちゃする東京デートや料理はキュンとする。
ただ、恋つづと比べると「一度死んだ」「すでに死んでいる」という事実がズンとのしかかる
どうしても序盤はぽっかり空いた穴を埋める展開が必要だし、最後には復活のリミットが提示され再び別れるというフォーマットが尺をとる。
終わりがあるからこそカタルシスが得られるんだけれども、いつまでも幸せでありたい系のハッピーエンドにならないのがもどかしい。
前を向いて生きていくことも大事なんだけど、このカップルを永遠に眺めていたいという願望は実現しない未来を感じられる恋つづとはそこが違う。
恋愛ドラマとしてみると切なさが勝るが、青春ドラマとしてみるとなかなかイイ。
歳を取った仲間とあの頃を再現するのはたまらない。1日スケートをして夜遅くまでどんちゃん騒ぎをするのがエモい。
多分、自分が現代側にいるからそういう感情が大きくなるんだろう。
あー。なんかじーんとくる。
みんな「大事なものを取り戻した」 って実感しているのに「はじめからいなかったもの」って割り切ろうとしても航太に会いた過ぎて幻覚をみてしまう
迫真の演技で切ない。。。辛いのがよくわかる。
腹を括った伊織も切なくてかっこいい。送り出すときイケメン過ぎた。
そこからクライマックスに向けて(文字通り)走り出す。
主題歌の中散りゆく花びらの中の優しいキスで消えていくの最高にロマンチックだ
優しいキスだ!!!#僕だけが17歳の世界で
— ゆうがた (@ugata514) 2020年4月2日
でも、この経験を経て芽衣が前向きになってイキイキと働いているのみてホッとした。
満開の桜の下で4人が笑顔いられるのも航太のおかげなんだなって思うと、
ほんと「航太〜〜〜ありがとう!!」って言いたくなる。
伊織も最後ふっきれたんだろうし、なんか余韻に浸れるいいエンディングだった…。
いやよかった。あのロケ地も桜も本当にキレイだし。。
なんでもいいけど、飯豊まりえと結木滉星と特撮組が好きです。
本人のおちゃらけキャラと違って生真面目でクールな結木くんがいい。
佐野くんの透明感ある今どきの少年もすごく好き。青夏もかなりいいから見てない人見て欲しい!
とりまキャスト神ってた笑
王道の恋愛ドラマと定期的に回ってくる「あの頃との対峙」系の掛け合わせ
こういうのの起点はだいたい17歳だ。
見ていていくつかの作品を思い出した。
あの頃→17歳を描いた『あの日見た花の名前を僕はまだ知らない』
17歳→30歳を描く『空の青さを知る人よ』
あの頃からの脱却、新しい日常の再会がメインテーマだ。
色々と考えるひとつの起点が17歳(18歳)。高校卒業したあとの進路選択としてひとつ人生を分岐させるポイントだ。夢を持ち青臭くともキラキラした未来に向けている年代。
7年後だと24歳。大学を卒業した場合社会人2年目、高卒の場合は7年目。
少なからず挫折も経験しているし、いまが踏ん張りどころと頑張っている年代でもある。
そんな中再開する「あの頃」からの使者は再び前を向く起爆剤になるに違いない。
13年後だと30歳。社会での身の振る舞い方もわかり、あの頃とは大きく違うものの考え方となっている。夢を諦めるという選択をして改めて現実に向き合う年代だ。
そんな年代の前に「あの頃」のガキが目の前に現れ夢を語られた日にはイライラも募るだろう。
最終的には現実を見つつも、もう一度あの頃のように夢を持とうと進んでいく。
現代に蘇る「あの頃」っていうのはなんだろうか。
自分を縛り付ける鎖や呪いのような役割を担うことが多い。
楽しかったことも苦しいことも、どちらを抽出しても現代の自分の足かせとして機能する。
「あの頃があるから今がある。」構造のため、最後にはあの頃を昇華させて未来に向けていく。多分それはいいことなんだと思う。
いまあの頃の誰かが目の前に現れたらあなたはどうしますか。