感想『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』マクドナルド拡大の裏ってこんな感じだったんだ
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016)
日本でもおなじみマクドナルド。いかにしてアメリカ中に広がる一大ファーストフード店になったかを描く伝記映画だ。
後輩に勧められて見てみたけど、これはおもしろい。
ひとつ後悔があるとしたら、この映画を観る前にマックのテイクアウトを用意しなかったこと。
あー。これはマック食べながら見たかったなぁ笑
かいつまんで内容を紹介すると、ミルクシェイク用のミキサーの営業をしていたレイ・クロックに6台の発注が入る。
話を聞きに行くと、効率化を徹底したハンバーガーショップを経営しているマクドナルド兄弟に出会う。レイは兄弟にフランチャイズ化を提案し、マクドナルド社をアメリカ中に展開させていく。
業務の効率化が叫ばれる昨今、今じゃある種常識となっている作業動線の確保。
1954年当時のアメリカではまだ一般的でなかった。この効率的な厨房が当然レイにも斬新で画期的なものだった。その可能性に魅入られたレイがマクドナルドを大きく広めていく様は圧巻である。
映画内で理解できる程度であるけど、時代背景に関して予備知識があったほうが理解が深まりそうだなーとおもった。
よくわからないけど、当時のアメリカって車で乗り付けて行くとウエイターが車まで注文を取りに行く&届けるスタイルだったらしい。
でも業務効率化していないからオーダーは遅いし忘れるし間違える。満足と言えないサービスだったようだ。
いやー。1954年のアメリカのファストフード事情は考えたことなかったなぁ。
そんな感じだったんだ。
このシステム、いわゆるドライブスルーの前身とも見えるけど、どうなんだろ。
車に乗ったまま買えるってのも確かに便利。車まで注文をとりにくる代わりに車が受付カウンターまで行ければいいじゃん!って発想だよね。
完全分業で役割を明確化して効率的なハンバーガー製造を行う。その様は「フォード」さながらだと表現されている。フォード式自動車製造ラインは世界を大きく変えていった。経営者にとって当時の憧れだったんじゃないかなと思う。
マクドナルドも実際これから世界を代表するビック企業に成り上がるってことを考えると、このフォード式製造方法の影響は大きい。
あとはネタバレ込で書いていくので、注意してください!
っていっても対してないんだけども笑
システムやコンセプトを設定したマクドナルド兄弟はすごかった。
多分弟がガチガチの理系なんだろう。どうやって作れば最も効率的かを追求する能力があった。テニスコートに厨房の見取り図を書いてイメージ作業をやらせていたのはちょっと面白かった。兄弟の友達かな。そのためにバイト雇うことなんかしないよね?笑
彼らはそれに加えて品質管理意識も強く、目の届かない範囲の出来事を嫌っていた。
レイと出会わなければ胃を痛めることもなかっただろうに・・(具体的に胃を痛めている描写はなかったけども)
そしてレイ。
とにかく思ったのがレイがすごい。そしてひどいw
やっぱ世界を股にかけるようなファストフード店を立ち上げる男はこれくらいの気概や狡猾さが必要なんだなぁと実感した。
その営業手腕は大した者だった。新しくて画期的なものに対するアンテナ感度も高い。
画期的で革新的なアイディアをグイグイ取り入れるにはマクドナルド兄弟との契約が大きな障害となっていた。
それを力技と圧倒的な資金でねじ伏せる。紳士協定さえも蔑ろにする。
(多分紳士協定って、契約書面にないけれども紳士的に約束を守るってことだよね。)
いやぁ・・レイ・・悪い男よのぉ。。。
長年支えてくれた妻さえも最後には別れた。
やり手の経営者って非情だよね・・・。