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感想『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』本家が作る本気の戦隊パロディ

帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ

 

『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』(2013)

 

本編ゴーバスターズの44話と45話の間のストーリー。

いわゆるクリスマス回でエスケイプメサイヤとの死闘のあとから、新年のお餅ロイドに至るまでの間の大晦日のお話ですね。

 

昼過ぎの大晦日、ゴーバスターズの目の前に大魔王アザゼルという敵が現れる。

ゴーバスターズはメカも含めて総動員するが、まさかの敗北

ニックやJらが戦死してしまうところから話が始まる。

ニックは死後の世界でエンター似の神様に願いを叶えてもらい「13年前のメサイヤ暴走事件が起きなかった世界」に変えてもらった

だがその世界はなんと「キカイ帝国メカリアス」と「動物戦隊ゴーバスターズ」が戦う世界戦であった。

 

 

この「動物戦隊ゴーバスターズ」ってのがいい。

本家ゴーバスターズがメカメカしいからふっきれた有機物戦隊(?)

ニック視点で「動物戦隊ゴーバスターズ」1話が展開されたあとはダイジェストで1年の戦いが描かれる。

これがTHE「◯◯レンジャー」を彷彿させるコテコテのパロディ!これがおもしろい

 

巨大化のお約束

最近の・・というか2012年付近の戦隊では「さすがにここまで・・」と思うくらいの振り切った演出となっている。

そのなかでも定番の「あるある」と思うのが怪人が倒されたあとの巨大化だ。

メカリアスのマシン怪人がやられた後、妙にエスケイプそっくりなキカイ女帝「トランジー・スター」のひとことで、怪人メンテローダーがビックリオイルを注入して巨大化させる。

やっぱり巨大化というのはこういうものだ。本家ゴーバスでは等身大怪人と巨大獣メガゾードは別個体であるため巨大化させるというプロセスは存在しない。

しかし前後のゴーカイジャーキョウリュウジャーではインサーンとラッキューロによる手動による巨大化シーンが挿入され、当時はまだまだ一般的なプロセスだった。

リュウソウジャーとキラメイジャーは本家ゴーバスに近い巨大化スタイルをとっており、これからは「巨大化させる」という演出自体がなくなっていく可能性もあるだろう。

 

 

追加戦士の死

「あるある」だけどあるかなぁ。。って絶妙なところをパロったのが追加戦士の途中降板。途中で仲間になったグリーンヒポポタスが途中で戦死してしまう。そんな出番少なく戦死ってそんなにあったっけ。

最近ではリュウソウジャーのガイソーグ:ナダの死が記憶に新しい。イメージなんだけれども、商品販促の観点から追加戦士を完全にフェードアウトさせるのは好ましくないとされているのではないかと思っている。

ガイソークはリュウソウジャーの序盤から登場しており、ほぼ途中退場の怪人幹部と似たような待遇だった気がする。ようやく仲間になった、という事実はあるけれども新規玩具の予定がなかったため、惜しまれつつの退場でも商品販促上の影響はないとの判断ではなかったのではないだろうか。(完全にイメージです)

 

もう少し遡るとキョウリュウジャーでトリンが退場しているんだけれども、スピリット体として実体を持って戦えるから最終決戦でも大活躍!というやり口であまり退場といえない。

それこそ本家ゴーバスも陣さんが最終決戦直後に消えゆくんだけれども、最終決戦だから販促上の影響なく堂々の退場ができたんじゃないかなぁ。データ&アバターっていう設定から翌年のVSシリーズにも登場ができる便利さ。

 

司令官の変身

「動物戦隊ゴーバスターズ」ではグリーンヒポポタスに代わり、司令官の黒木教頭がブラックピューマに変身する。(何故か相棒はタテガミライオー)

これもあるある・・と言いたいけどビミョーだなぁ。。。

僕の中では変身司令官って、人外のイメージなんですよ。それこそキュウレンジャーのショウ・ロンポーやキョウリュウジャーのトリン、遡ればデカレンジャーデカマスターとか。

これも大人の都合(のイメージ)なんだけど、司令官役って重鎮の役者が就くことが多いだけに、前線で戦えるようになっちゃうとなんで現場に行かないんだっていう声が出てきちゃいそう。でも中の人もお忙しいから基地セット以外・・なんならいつもの山までロケにいく時間をつくれないんじゃないかなぁ。

いやニンニンジャーで変身できたからそうでもないのか・・?実際はなかなか難しいと思うんだけど。。。

まぁ、人外司令官の変身イメージのおかげでなんとなく「あるある」と思えたのも事実。

 

VSシリーズの戦闘

ふたつのゴーバスターズが力を合わせて大魔王アザゼルと戦うシーンは(お、VSパートだ)とついつい気持ちが入ってしまった。

動物戦隊ゴーバスターズなんてダイジェストでしか知らないはずなのに、2つの戦隊がそれぞれ名乗りを上げ、横並びで立ちふさがる姿はそれだけでかっこいい。

ルパンレンジャーVSパトレンジャーもいつも見ていて、どちらもギャングラーという共通の敵と対峙しているのに一緒に並んだシーンなんかまさにグッとくる場面になってる。

VSのお約束のWレッドのシーンなんかは胸熱だし、同じロボットにギュウギュウに詰め込んで最終決戦をするシーンなんかも大好き。

操縦方法の違いに戸惑うあたりや決めセリフの合わせ技なんか細かいけど違うヒーローであることが強調されていて共闘そのものの希少性が高まる。

うん、ここは特にとてもよかった。

 

 

 

このVシネで分かったのは制作陣が本気で「あるある」とお約束を仕込んでいるということ。

当然プロである制作陣たちは僕らなんかがあーだこーだいうよりはるかに「戦隊のフィーマット」を理解している。だからこそ近年の戦隊はそういった「あるある」お約束を「崩す」演出が目立っている。そういった「崩し」を変則的に活用することで見たことあるのに初めてのパターンが形成され目には新鮮に映る。

45年も続いている伝統ある枠。伝統に縛られず上手に「崩し」ていくことで令和の時代も生き残っていくコンテンツになるだろう。

 

ugatak514.hateblo.jp