前後編の後編。前回の重たい空気感を引き継ぐ形でシリアスなスタートを迎える。
苦戦し傷つくキラメイジン、マブシーナの容態も悪化していく。
そんな負けムードに博多南が解決の糸口を見出す。
カナエマストーンで20分だけ過去に戻れる。ヌマージョの体液があれば呪いを解くことができるかもしれない、と。
ということで充瑠・為朝・瀬奈のランド組が過去に戻ってヌマージョが口をつけたカップを回収するという展開。
この作戦会議のシーンがたまらなく好き!
なんか毎回言っている気がするんだけど、キラメイジャーは頭の回転が早いし教養もあるから、過去に戻るなんて突拍子もない作戦でも話がこじれることなくスムーズな会話ができる。
「過去に戻ってヌマージョをぶっ倒せばいいんだろ」的な考えも「歴史が変わるのはマズイ」と理解がある。数々のゲームをプレイしていたり芝居をしてきた為朝&時雨の言葉は説得力がある。
本当に有能揃いだから、思いがすれ違う系のもどかしいストレスがないのが見ていて気持ちがいい。
過去では為朝と瀬奈がオラディン王御一行を足止めして時間を稼いでいる間に、充瑠がヌマージョのカップを奪取する計画。
ここで充瑠が時雨がやったように釣りマネするのがポイント高い。互いのいいところを素直に取り入れようとする姿勢がいいね。
キラメイジャーは基本的に「個性を伸ばす」ことの大切さを説く傾向が強い。
個人がキラキラと輝けることが最大の魅力であり、キラメイジャーそのものの力の源となっていることに由来している。この設定って描写の仕方を一歩間違えば「全員が個人主義」で描くことが可能でチームワークの欠片もない戦隊になってもおかしくない危うさがある。特に方向性の決まっていない序盤なんかそういう「すれ違い」「分断」を全面的に推し進めた、戦隊序盤によくある展開になる可能性さえもあった。
キラメイジャーが一味違ったのは「個性を活かすこと」と「相手を尊重すること」を同時にやってのけた。だからこそ他の仲間たちの活躍を受け入れて、自己に取り入れることにも違和感がない。
マシュマロ戦での「為朝がかっこよかったからガンスタイル」、ヌマージョ戦での「時雨みたいに応用して釣り上げる」。魔進たちとの入れ替わり回で強調された「褒める」ことの大切さも相まって、口に出して積極的に認めていく方向性が際立っている。
仲間へのリスペクトがいい影響を与えあっているのがキラメイジャーの強みといってもいいだろう。
カップを釣り上げることに失敗した充瑠は単独でヌマージョとの戦闘に入る。
久々のグルグルカメラアングルで、演出にめちゃくちゃに気合が入っていた。
ガルザとの初対戦のときにも思ったけど、アニメのように目まぐるしく動くカメラワークだと戦闘の臨場感がすごい。毎回この演出でやろうとすると大変だと思うから、幹部戦のような「ここぞ」という場面で切り出してくるのは流石だと思う。
毎回やってたルパパトのグルグルカメラは本当にすごかった。始めてみた1話は感動さえした。
時系列上ヌマージョを倒すことができないから、めちゃくちゃ強く設定されてた。「体液を持ち帰る」というイベントバトルを雑に消化せず、見ごたえのある戦闘回になっていた。倒せなくてもいい敵に最善を尽くすってのもいいね。
この体液を持ち帰り、無事にマブシーナの呪いを解くことができた。
カナエマストーン4つ集めなくても解決しちゃったよ。コロナで話数減った影響か、ギャグ路線好評につきギリギリまで縦糸進めないことにしたのか、いずれにせよ制作上の都合で方針展開があったんじゃないかなと推測する。
ライダーも交代して折返し地点まできたキラメイジャー。今後どうなるのか、期待しかない。