ゆうがたヒーロー

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『魔進戦隊キラメイジャー』時雨のプロ意識。亜飛夢くんの時雨への理解とすべてを逆手に取った脚本

ミニアルバム 魔進戦隊キラメイジャー2

 

みんな大好き時雨回!

冒頭から芝居の練習として涙を流す場面からはじまる。

売れっ子俳優「押切時雨」はカラットにいるときは大抵台本を読んでいるけれども、泣き演技さえも練習しているところにプロ意識の高さを感じる。(もしかして役者さんたちの中では当たり前なのかな・・。練習しとかないと本番泣けないもんな・・・)

それにしても地球を守りながら俳優業をこなすってどんな生活してるんだ・・・。

充瑠特訓回で3時間睡眠に設定しようとしてたけど、日常的にそれくらいで生きているんだろうか。最前線で活躍するトップレベルの人たちは睡眠少なく可処分時間を仕事と趣味に充てているイメージあるけどそういうもんなのかな。。。

 

時雨への理解と解釈 

今回はそんな押切時雨という男のキャラクターの良さが存分に発揮できていたエピソードであり、これまでの時雨を見ていたからこそ成り立っている話だった。

時雨は伝説の第3話で万力俳優としてのポジションを確立し、超熱烈ファンに怯えるなど、おもしろ場面が多い。はじめこそ「メイン回で壊れる人」みたいな感じで普段は常識のある頼れる兄貴ポジションだったけれども、だんだんメイン回じゃない場面でも「時雨としての素」を垣間見るようになっていった。その踏み込み方が3話で語った「仲間への信頼感」によるものだと考えるとしっくりくる。そして推測ではあるけれども、時雨役の亜飛夢くんが「時雨らしさ」を理解して普段からエッセンスとして演技に加えていることで成立しているようにも見える。キラメイジャーメンバーの中で一際目立つ振り幅をなんなくこなすのは大変な反面楽しいんだろうな。

例えるのならイケメン俳優が残念なギークを全力で演じることへの高揚感。やりすぎかな?と思えるようなことも本気で取り組むことが亜飛夢くんの良さであり、時雨の良さに直結している。役者役ってことでのシンクロ率も高いのかもしれない。

 

時雨は本気になるほどおもしろくなる

やりすぎなくらいな全力。本人は至って真剣。だからおもしろい。

これは時雨を楽しむポイントである。万力にしてもギークにしても買いすぎてるリップにしても、本人は真面目で全力なのにやりすぎてるからおもしろいのだ。

そして視聴者に時雨の楽しみ方を着実に積み重ねてきたことを逆手に取ったのが今日の脚本である。

我々はこれまで時雨の「演技に本気で取り組む姿」と「本気故におもしろい姿」を両方見てきた。唐突に漫才を始めてみたり、居合披露してみたり、歌を歌ってみたり、そもそも謎に熱いテンションでエンタメを語ったり、あらゆる姿がすべて「おもしろい時雨」の話だなと思っていた。

そして、泣き落とし場面では、視聴者だけでなく充瑠にもわかるように番組冒頭の泣きの練習を流用する。「この切り替えは流石だなー」と感心させたところで「漫才からすべて計算だ」とネタバラシをする。

なんと今回時雨は終始「演技に本気で取り組む」姿しか見せていなかったという。このネタバラシで視聴者さえも騙されていたことを知るのだ。我々が「おもしろい時雨」と思うことを見越して裏切ってくる構成に思わず唸ってしまった。

まるで「カメラを止めるな」や「コンフィデンスマンjp」のようなすべてを知ってなお爽快感あるエピソードだった。それまでの話や時雨のあり方すべてを振りに使い、キラメイジャーをずっと見てくれていることを前提にしたおもしろい話だった。

 

グルグルアクション 

時雨にもっていかれがちだけど、時雨熱唱中の裏側での長回しアクションがめちゃくちゃかっこよかった。なんかこう、「奪い奪われ、取り取られ」って感じでルパパト最終回のルパンコレクション争奪戦を彷彿とさせるグルグルカメラワークだった。最後に二階から飛び降りるまでカメラが止まらないからめちゃくちゃ見ごたえがある。

VSガルザ初戦やVSヌマージョ戦とか、ちょくちょく目を見張るような見ごたえがあるアクションがあるのすごいわ。

45年にもわたる週間特撮のノウハウの蓄積がすごい。ほんとに。

 

ugatak514.hateblo.jp

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