感想『SOTUS/ソータス』このタイBLはコングポップとアーティットの生意気後輩×ツンデレ先輩のStory
アマゾンプライムさん、『Love By Chance/ラブ・バイ・チャンス』『Until We Meet Again~運命の赤い糸~』につづいて『SOTUS/ソータス』を見放題にしてくれてるじゃないですか。この分野の見放題が増えるということは有能としかいいようがない。TELASAさんを見習ってもっと全力投球してくれてもいいんですよ?天下のAmazonさんなんだから日本のテレビ局のローカルプラットフォームに負けないラインナップを期待してます!笑
さて、SOTUS。率直な感想をいうと「好き!」
なるほど、ラブコメというよりかはシリアスでピュアなラブストーリーだ。
そして系譜としては、かなり溜めて溜めての「ムズキュン」型である。
そういう点でみると明るく楽しいラブコメの「ラブバイチャンス」と、シリアスだけど序盤から運命的にいちゃつく「赤い糸」とは違った楽しみを見出すことができる。
舞台はもはやおなじみ、「大学入学を機に恋模様が動き出す」パターン。もうコレはタイBL安定のフォーマットなんだろうね。えぇ、大好物ですよ。
ただプライムビデオを再生すると珍しく字幕注意書きがあった。「本作の大学制度は架空のものです。」これはどういうことなのか。
大学工学部に入学したコングポップは3年生アーティット率いる謎の制度「SOTUS制度」の洗礼を受ける。このSOTUS制度によって新入生は厳しく理不尽な命令をされる。不満を言うものには罰を、全員の連帯責任、高圧的な軍隊方式のSOTUS制度がこのドラマのメインギミックとなっている。たしかに注意書きがなく、タイの大学制度についての予備知識がなければ「タイの大学って厳しいな」「そういう制度がある大学もあるのか」という勘違いをしてもおかしくはない。なので、あくまでも「架空」であることを記載することによってフィクションとして気軽にSOTUSの世界に没入することができる。
しかし、この理不尽なSOTUS制度が肝であるのと同時に序盤の脱落を誘う罠なのである。ひたすら厳しいしごきのシーンが続くから前述のLBCやUWMAのようなイチャラブなんてありゃしない。この溜めの部分を乗り越えた先に「萌え」という沼が待っているのは『SOUTS/ソータス』なのだ。
さぁ、この想いを綴ると今日は長くなるぞ! 笑
生意気な新入生コングポップ
でも序盤を乗り越えるコツは案外単純で、作中の推しを眺めていたら自然と沼に到達しているパターンも多い。
僕が全人類に伝えたいことは、生意気な新入生コングポップがあまりにもイケメンで可愛らしくてキラキラしてるということだ。すげーきれいなきれいな顔立ちな主役だなとか思っていたら1話なんてあっという間ですよ。
あぁ、この感情がアレか、「守りたい、この笑顔」ってやつか。
コングポップ役のプラチャヤー・レァーンロード(シントー)君、くそかわすぎやしませんか?
1994年の7月生まれなので2016年の『SOTUS/ソータス』は22歳の頃の作品。
いや、時系列がおかしい。最近の投稿も過去の投稿も一貫してかわいいのは時間軸がバグっている。日本の5年間はタイでは5日くらいに時間経過が緩やかなんじゃないか?
そんなシントー君が演じているコングポップがソータスの主役。
後述する先輩アーティットが次々と理不尽な命令を下す。萎縮する新入生たちのなかで唯一「これはおかしい」「命令の目的はなにか」と声をあげるのがコングポップだ。
見ているだけでイケメンでヒーローな優等生のコングポップ。SOTUS制度合格の証であるギアのペンダントがほしくないのか、と尋ねられると「先輩を妻に迎えてもらいます」と大衆前で堂々と言い放つ怖いもの知らずの度胸を持っている。当然先輩であるアーティット視点からみると生意気で仕方ない。
コングポップとアーティットの挑発合戦はまるでケンカップルだ。
ツンデレ先輩アーティット
伝統あるSOTUS制度のヘッドワーガーとして責任を負っているのが3年生のアーティットだ。常に冷酷で厳しい命令を言い放つ。反論するものには容赦ない罰を与える。新入生に見せる姿は鬼軍曹そのものである。
序盤はムスッとした表情でいる場面が多いが、新入生のいない同級生との場面ではキュートな笑顔も見せる。つまり視聴者側の僕らは早々とアーティットの無邪気な側面をみることができる。だからこのSOTUS制度での先輩は軍曹の役割を演じているだけなんだな、と安心して見ていられる。分かっていても指導は厳しいんだけど。
ひょんなことからコングポップは寮の自室の向かいがアーティットの部屋だということに気付く。コングポップの目には鬼軍曹ではなく眠そうにタラタラと洗濯物を取り込むアーティットを目撃するのだ。
それからコングポップはアーティットに接近していく。ピンクミルクというファンタジー系(?)ドリンクを好んでいることを知ったり、成り行きで部屋に上がり込んで看病したりする。いちいち生意気な物言いするからアーティットは困惑しっぱなしなのがいい!
人の良さが隠せなくなっているアーティットは完全にコングポップのペースに飲まれてしまう。なんとかヘッドワーガー・先輩の威厳を保つように努めているけれども、無理しているのが見え見えで見ているこっちがヒヤヒヤする。でもこの生真面目で努力家で不器用なアーティットがこの上なく愛おしい。
そしてだんだんとアーティットのかわいさとコングポップのストーカー気質の独占欲が炸裂していく。この二人の関係性の良さに気づいてしまえばそれはすでに沼入りしているといっても過言ではない。(おそらくここまで読んでくれた方々は沼友だと信じている。)
コングポップの加速する独占欲
コングは少しずつアーティットのことばかりを考えるようになる。そして確実にアーティットの懐に入り込んでいく。大学のミスターコンテストに推薦されたときには「先輩に来てほしい」と頼み、学内のバスケ大会で結果を残したら願いをきいてほしいと約束を取り付けたりする。そして段々とアーティットの気を惹こうとして過剰に命令を忠実に実行しようとする。その最たるものが「海に潜っていろ」という命令だ。本気で海に沈むコングには狂気を感じる。口では言っていないが、先輩にかまってほしいと態度が語っている。
先輩のことを友達より多く知っていたい、誰も知らない先輩の一面を知っておきたい、先輩に対する独占欲の大きさは並ではない。
おめでとう!7話ではSOTUS制度の卒業試験(?)をクリアをしてついにしごきパートが終わるのだ。
待望のイチャラブ買い物デートからの添い寝
アーティットを独占したい、愛おしく眺めていたいコング。ふたりのイチャラブを見るのなら9話のバスのシーンが大好きだ。サービスエリアで席を立ったコングは自分の座席がなくなっておりアーティットの隣に座ることになる。健気に一生懸命声をかけるコングと、頑ななアーティットの会話が微笑ましい。先輩大好きなピンクミルクを渡して満足げなコングに、「ギアは心の象徴」という会話が耳に入ったときのちょっと恥ずかしそうなコング、コングの肩で眠ってしまうアーティット、短いパートにすべてが凝縮されている。これまでのしごきパートからステップが変わっていくのが小気味好い。
コンテスト優勝の約束でコング念願(?)の買い物デートを実現したとき、コングは「先輩」「先輩」と子犬のように嬉しそうにしている。そのくせ理路整然とカッチリと話すからいい具合の生意気加減だ。
そんな中アーティットは中学時代からの女友達ナムターンに遭遇する。アーティットはずっと彼女に片思いで親友を応援して身を引いた形であるが、それがコングの胸を痛める。ナムターンに会っているときのコングの表情、先輩に彼女のことを探りを入れているときの不安そうな物言いがたまらん。
そしてそれで不機嫌だったくせに「おすすめのメニューをお前に食べてほしかった」と言われて嬉しそうにするコング、ちょろすぎるw
髪を切って照れくさそうに「似合うか」と聞くアーティットと、子犬のように目を輝かせて「素敵です」というコング。そりゃあの雰囲気は「彼氏さん」って言われも仕方ないよね。実質いちゃいちゃしてるんだし笑
9話のイチャラブデートを堪能すると続く形の10話でついにふたりはベッドインする(語弊がある)
「コングは特別な感情があるのか」単刀直入(といいながら曖昧)に問うアーティット。「どういう意味ですか」とすっとぼけるコング。アーティットが席を立った後に(あぁ〜。。。やっちまった)という表情のコング。その流れのまま二人は眠りにつく。
こんなん、絶対ドキドキして寝れるわけないじゃんか!!!
コングは「先輩、寝ちゃいましたか」とアーティットの返事も待たないまま「さっきの質問、意味がよくわからないけれども、僕が考えている意味と同じなら先輩を想っています」と語る。これまでのコングに想われていた記憶を思い出すアーティット。
朝、アーティットは告白されて動揺しているのに、コングのいつもどおりの態度に苛立つ。自分の感情がわからなくなり、この日からコングと距離を置いてしまう。
長い拒絶期間
え〜、ここから13話くらいまですれ違いパートになります。前半とはちょっと違うツラさがありました。連絡がつかない&既読スルーされるコング君、完全に余裕がなくなってしまいます。アーティットも心ここにあらずでぼーっとし続けます。
11話、避けられ続けたコングがやっと電話が通じたときに改めて想いを口にする。「先輩も自分も男なのに自分の気持ちを抑えられない、ずっと前から僕は・・」一番大事な部分を話そうとしたこの瞬間に電話を切るアーティット、あまりにも酷いよ。鼻水を流して悲しみにくれるコングが切なすぎた。先輩からの拒絶された記憶ばかりが蘇る。このシーンってなにげに、告白されて良い記憶ばかり思い出すアーティットと、拒絶されて悲しい記憶ばかり思い出してしまうコングが対比になっているよね。
この失恋、もう少しだけ引きずります。アーティットもまだモヤモヤしてるし、コングなんか完全に死んだような表情をしているし…。そんな状態だけど優男なのは相変わらず。そして、作中ずっとコングに思いを寄せてきたメイがついに、その思いに耐えきれずに告白をする。(当然、好きな人がいると振られてしまう)
アーティットに会いたくないコング。顔を合わせてしまうから先輩の結婚式にも行きたくなかった。でも、真面目なコングはドタキャンなんかできず・・・。アーティットに声をかけられても「優しくされると期待してしまうから」と自ら距離を置く姿勢を貫く。生意気でいたずらな性格なのに素直になれないコングは健気でかわいいなぁ。
一方アーティットは結婚式で先輩と話をすることで、自分の気持ちをはっきりさせた。
そして、すでに「帰った」と聞かされたコングを追いかけるように式場を後にする。
ところでタイの結婚式も中華風(?)というか祝いの赤が正装なんだね。両親や親戚、会社の上司へのお披露目的な雰囲気の日本と違って、友人同士でのゆるい行事みたいでいいね。
ネクタイと感謝祭
このエピソード13は神回ですよ。式場の外でコングを探すアーティット。その姿を見たコングは声をかける。一緒に食事をして肉団子を分けてもらうも、歩くアーティットについていくのもコングはずっと気まずそう。(だけども正装して夜の街を闊歩する場面はまるでMVでかっこいい。)
アーティットは橋の上で一休みをしながらコングに尋ねる。「ずっとオレを追いかけていて疲れないのか。」コングは「先輩のそばにいたい」とまっすぐに気持ちを伝える。
アーティットは「オレは男だ、お前も男、オレは先輩、お前は後輩」と言い、続けざまに「オレはピンクミルクが好きで自分勝手で短気、それを分かっていて許せるのか」と問う。「許容範囲です」と嬉しそうに答えるコングはかわいい。そしていつもの生意気な口調で「先輩は僕を許せますか?」と尋ねる。しかしコングの予想に反して「オレはお前を知らない」と返されてしまう。多分「当たり前だ」的な返しを予想していたのだろう、シュンと少し寂しそうな表情をする。だけど、アーティットから「お前をもっと知りたい」と言われると嬉しさを隠せない様子で「どういう意味ですか」と問い詰める。十分に意味なんて理解しているくせにかまととぶりやがって笑
からの突然の、
コングのネクタイを引っ張ってのキス!!この破壊力!!
アーティット、お前、なんてことを!?そりゃあ一生懸命にマウントを取ろうとしていたコングも一瞬で崩落しますよ。
しかしだなコングよ、このキスでひと噛みだけハムっとして嬉しそうにするの天才か!コング役のシントー君のデレ笑顔が最高すぎる。ニヤニヤとキスしながら溢れ出す幸せオーラがたまらんよ!
口元が緩みっぱなしのコングくんの精一杯のおかわり「まだよく分からないのでもう一回してください」あ〜。なんて生意気で可愛らしいんだ。帰り道もスキンシップをとってじゃれながら「もう1回」とおねだりするワンコ君。腕を組むのも「嫌だよ」とツンとしながらも嬉しそうな先輩。あぁ、きっとこのシーンを見るためにここまで見てきたんだな、このシーンばかりで何度も楽しめる。
その後アーティットからコングにギアを渡すシーンもたまらない。コングのぱっと目を輝かせた表情に、照れてコングの目を見れない先輩、ごちそうさまです!
せっかくいい関係になれたのに、またすれ違う14話。こればかりは少しだけくどいな。
アーティットがモジモジと平静を装いながら「土曜日空いてるか、買い物付き合えよ」と誘う。嬉しそうなコングが「デートですね」というと照れて違うと返す。コングが何気なく「もし子供ができたら」という言葉を男同士という観点から重く受け止めてしまう。さらに映画館でコングが友達の美女に出会うと、先輩は自分より楽しそうな雰囲気に妬いている表情笑 一緒に来たの?と聞かれてつい「偶然だ」と返しちゃう先輩。それに傷ついてしまうコング。あぁ、めんどくさいぞこのふたりw
アーティットは親友のノット から「嫉妬だ。話し合え」と言われて自分の気持ちを整理する。そういやアーティットって人に話して相談して解決するタイプで、コングは悶々としながら自分で結論を出すタイプだな。
感謝祭で手紙を送るコングと、おそろいのブレスレットを渡すアーティット。お守りを外されて不安げなコングの表情と、ぶっきらぼうに「オレにも着けて」と頼むアーティット。そして、「恋人みたい」と冷やかされても堂々とした態度で「付き合ってるんだよ」と返すアーティット、男前すぎるだろ〜
そしてふたりは幸せなキスをして、アーティットはコングを「デート」に誘う。
家デートでアーティットの知らない本当の出会いを語り合いながらほのぼのと、フェードアウトしていく。
最終回はその後や過去を描いたエピローグ的な要素が強く、すでに長くなっているので割愛します。よりピュアピュアなアーティットやドS増し増しデレ二倍のおねだり上手なコングは必見。
さて何度でも言わせて。SOTUS最高かよ。
僕はコング派なんだけど、世間はアーティット派が多いんだろうか?
この自信満々なんだけど、実は繊細なところが好きなんだよね。優等生で、屁理屈こねながらアーティットに忠実なのもいい。突き放されちゃうと本当に悲しそうな表情をするし、嬉しいときの笑顔が好きだ。バスもベッドもネクタイもどれをとっても素晴らしい。だけどもこの良さはエピソード単体だと効果は半減してしまう。前半の苦しい指導を見たからこそたどり着く境地だ。なんとかして続編も見なきゃならないな。
相手の好みを知ってみる
SOTUSでは好みの食べ物が象徴的に描写されている。アーティットの好む飲み物ピンクミルク、コングが好むのはコーヒーだ。まずは相手の好みを知ることから始まる。次に「食べてみろ」と食べ物を好みを交換する。仲が深まってきた12話ではアーティットと連絡が取れないコングが無意識にピンクミルクを注文している。気付くと相手の好みを自然と選ぶようになっていく。アーティットもコーヒーを試してみて、少しでも相手に寄り添うようになっていく。伝説のネクタイキスのあとはコングがピンクミルク、アーティットがコーヒーを注文しているのが印象的だ。
SOTUSはこういう小さな積み重ねが丁寧でいいよね。心の動きも含めて、いい恋愛ドラマだ。
・・・それにしてもネクタイキス憧れるなぁ笑