ゆうがたヒーロー

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感想『七つの会議』これが日本社会なのだろうか

七つの会議 (集英社文庫)

 

池井戸潤さん原作の『七つの会議』を観てきた。

ひとつの会社で繰り広げられる人間模様。

居眠り八角が上司をパワハラで訴えた。その頃から社内で不自然な人事異動が多発する。この背景に何があるのか。

 

陸王』や『下町ロケット』でも出てた役者さんがいっぱいで「あ、この人」って場面が多かった。日本の役者というのはこんなにも少ないのかってくらいに被ってるよね。

演技力が安定している人が限られているだけなのかな笑

 

 

元々、主役が違う複数の章が積み重なって構成されている小説なだけに、どう映像化するのかがすごく気になっていた。

実際観てみると、なるほど上手く再構成されている。

きちんと各章の要素を分散しながら本筋から逸れないように話が展開されていた。

バランスとさじ加減が自然でよかった。

 

 

さて、以下ネタバレありの感想とか思ったことです。

 


「七つの会議」予告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、池井戸潤の原作だなぁって印象。

調べてみたら監督もテレビと同じみたい。

おなじみの顔ぶれ、おなじみの演出。

ハズレはないけど、テレビの延長でしかない。

なかなか根深い問題だぞ、それ。

過剰演出とも言われるけど、安定しておもしろいし・・

 

 

 

 

 

あと、とにかく居眠り八角がかっこよすぎる!

 

僕、原作読みながら、勝手に六角精児さんをイメージしてたんですよね笑

なので、メインキャストの発表の時点で「え、え?」となりました。

 

なんとなく名前しか知らなかった野村萬斎さん。

かっこいいけど、こんなサラリーマンいる???

あれだけ敵を作るような言い方してれば社会人として苦労すると思うんだけど・・

組織の異分子であるんだけど、わざわざ煽るような表現が多いよね。

あの会社でよくあのキャラで生き残ってたな・・・笑

 

 

僕がこの原作を読んだのがちょうど神戸製鋼の事件の頃。

改ざん偽装がホットな話題だっただけに内容が全くフィクションとは思えなかった。

自分の会社も知らないところでデータとか書き換えられていたら困るな

とはいえ、今の自分が「書き換えといて」といった旨の話があったら「はいはい、やればいいんでしょ」って従ってしまうかもなぁ

トカゲの尻尾切りじゃあないけど、実行犯が一番リスキーでその上の人間なんて別に守ってくれないもんなのにね。

ついつい従わざるをえないし、色々と思い悩むだろう。

そういった人間の苦悩も触れられていて考えさせる内容だった。

 

映像化によって胃がキリキリするような会議や叱咤がより重厚となり、観ていて辛くなるくらいだった。

社会人だからこそ楽しめる。社会人だからこそ楽しめない。

無性にドーナツを食べたくなる。そんな映画。

 

七つの会議

七つの会議