まとまった時間がないと、なかなか長編の特撮を見返すことが難しい。
一昨年くらいのGWは「鋼の錬金術師」の1期をまとめて見たなぁと思い出した笑
というわけで選ばれたのは『特命戦隊ゴーバスターズ』(2012)
ゴーカイジャーとキョウリュウジャーの間に挟まっててなんとなく地味な印象あるけど、メカメカしくヘビーでハードな展開とエンター&エスケイプの強烈な個性が小林靖子先生の作風と相まって好きな作品。30話のメサイヤシャットダウン以前と以後でやや雰囲気が変わってしまうけれどもまぁ、メサイヤを潰すことが目的だった前半と達成したあとでは変わるのも仕方ないかな。
というかヒロムとエンターが好きだからそれでも楽しい。
とはいえ、今回は30話までの好きな話と大まかな流れを紹介できたらなぁと思っています!
エスケイプ登場22話
ず〜と見返してて好きな話もいろいろあるんだけど、地味に22話のエスケイプ初登場回が好き。
いや、とってもイイモノを求めるエスケイプ様を拝めるというのも大事なんだけど、子供とも真正面から向き合うヒロムがかっこいい
「理由を説明しなくても自分がわかっていればいい」ってヒロムらしいといえばそれまでなんだけど、抱え込みクール系ヒーローの発想の言語化がうまくできてるなぁと。
ヒロムのキャラクターって戦隊レッドらしくなくて、なんとなく追加戦士の立ち位置ならしっくりきそうな性格。特にプロフェッショナル意識はたまらない。
最強消しゴム26話&整備不良7話
26話は放送当時も衝撃的だった。合体をマニュアルで行うために設計図を広げながら計算する。
なんだマニュアル合体ってw XYZ軸をそれぞれずらす指示と◯秒後にボタンを押せとかそんな息を合わせられるもんなのかww
仲村さん・森下さんって若手だけどやっぱ素の実力もすごいんだなと思った。
「計算するしかないですね」って現状を受け入れる度量、やっぱこっちもプロなんだ。
俺なんかコンピューター計算ができなくなったら途方に暮れちゃうよ・・。ああいうオペレーションってミスができないし、実は現場以上に気を遣う。
このデジタル社会の現代、コンピューターのデータ・プログラムの破壊ほど恐ろしい敵はいない。間違いなく最強の敵怪人である。
7話の新人整備士の整備不良エピソードも印象的。
戦隊ロボを整備するってのがたまらない。そっちのほうは勉強不足でイメージでしかないけどウルトラマンシリーズなんかには多いのかな。
最近はファンタジー系の戦隊が多いからこういうメカメカしい組織型のもみたいな。
パトレンジャーやキラメイジャーにもこういう裏方のエピソードあればいいのに。
それぞれの節の魅力
1話〜6話「合体!ゴーバスターオー」
ヴァグラスの始動からゴーバスターオー(3体合体)までが一区切りかな。
それぞれの人物像やウィークポイントを紹介しつつ、世界観や特命組織についての解説。ハードでシリアスな展開が続き序盤なのに重たい演出がつづく。
というか6話にして戦隊側基地に敵組織ヴァグラスが侵入して危機敵状況に陥るってなかなかやばい。ヴァグラスというかエンターの作戦立案能力の高さが他の戦隊敵組織と比較しても頭一つ抜きん出てる。
そのなかでもヒロムが仲間を信じてゴーバスターオーへの合体ができるようになるのはひとつのチームの完成を表現していて感慨深い。
7話〜14話「サバ?救出作戦」
より激しくなっていくヴァグラスとの戦い。
エネトロンを奪うだけでなくマシンの設計図から始まり、着実に目的を達成していくエンターに正直やられっぱなしのゴーバスターズ。
でも追加戦士登場前の「サプライズな休日」「サバ?救出作戦」2本立ては本当にいい。バディロイドの誕生日という設定が3人体制の集大成になっている。
ヨーコの気遣いサプライズ、無自覚にひどいことを言ってしまったヒロムの自責、リュウジの解析など盛りだくさん。ニックの方向音痴、ゴリサキのメカニック能力、拗ねるウサダ(笑)
それぞれのキャラや良さが存分に出てた話だった。
15話〜30話
陣さんとJの追加戦士登場。14話で完成したチームワークに一石を投じる存在だ。
年齢や経験値のバランスを崩し、新しい人物を投入したことでそれまでに見せなかった顔を垣間見ることができた。特にいままで年長としていて振る舞っていたリュウジに先輩が登場したことで、年下の面倒を見る立場が少し変わったように見える。生真面目な部分は変わらないけど、肩の力を抜くような部分は陣さんが自然と教えこんでくれる。
さらに硬直していた亜空間やアバターの情報がポツポツと出始めている。
新しい敵・エスケイプや新メガゾードも登場し、両陣営が最終決戦までに戦力を整えていく。
このあたりのエピソードは遊びがありながら少しずつ話が進んでいくので見ていて楽しい。
そして28話の締めから30話で1章が完結する。
29話はヒロム達が亜空間へ突入するまでを描く。
エンターエスケイプらが基地へ攻め込み、ゴーバスターオーの亜空間転送を阻止しようとする、この攻防が実に見ごたえがある。
エンターの目的達成のため最短攻略を狙う冷徹な行動がヒロムを苦しめる。
確かに全員を潰すわけでもなくメインパイロットのヒロムを転送を阻止すればエンターとしては充分なんだよね
あるいは転送装置そのものの破壊。「何を遊んでいるのですかマドモアゼル」とサラッと最悪の手を打ってくるあたり、ほんとに有能だよエンターさん
整備士やオペレーター、司令官まで総動員して転送まで死守する姿は感動モノ。
やっぱこういう組織だから自衛隊みたいに一通りの銃撃練習とかも経験してるのかな。
30話は亜空間でのメイサア戦。
この話、というよりゴーバスターズ最大の肝がメサイアがヒロム達の両親と同化していたという事実
ゴーバスターズはメサイヤシャットダウンが最終目標であるけど、亜空間に送られた人々を助け出すことが心の支えであった。
すでに死んでいることも想定していたけれど、それよりもエグいのが助けたかった者達に自ら手を下さなければならないという決断。こういうときのヒロムはハードボイルドでカッコイイ
改めてみるとあまりに酷だよね、この展開。画作りや演出が実質の最終回だしもはやビターエンドといっても言い過ぎではない。
決意のシーンで1期オープニングが流れるのも熱いし、ヒロムVSエンターも見ごたえがある。
ゴーバスターズの良さがこれでもかと詰め込まれたエピソード。
もう語彙力なくて申し訳ないけど、ただひたすらに素晴らしい。やっぱゴーバスいいわ。