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感想『ゴジラVSコング』GVKをネタバレしながら怪獣バトルを堪能。ちゃんと続編あるよね!?

ゴジラvsコング [Blu-ray ※日本語無し](輸入版) -Godzilla vs Kong Blu-ray-

 

待ちましたよ。「モンスターバース」シリーズ4作目。

タイトル発表時から「コングに勝ち目あるの……」と困惑させた『ゴジラVSコング』

今回は日米同時公開じゃなかったために5月まで待ち、さらに公開延期で7月まで待ち・・。ようやく待望の公開。

 

<あらすじ>

「キングオブモンスター」の大戦から5年。怪獣研究機関モナークはコングがゴジラと因縁があることがわかり、髑髏島にて保護観察・研究を続けていた。

テクノロジー企業「エイペックス」の策略で、南極に入り口がある地球地下空洞の案内役にコングを利用する。

 

 


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物語はおおよそコング視点で進む。モンスターバースシリーズがゴジラ→コング→ゴジラときているのでコング中心になるのも順番的に妥当であろう。それに人間に管理されている点でどこでなにをしているのかわからないゴジラに焦点をおくよりスムーズに展開ができる。ゴジラに焦点を絞ろうとするとどうしても人間の目からみたゴジラとして物語を動かさざるを得なく、展開の制限が多いのかもしれない。

また、コングは巨大な猿・・ゴリラなので人間に近く、ひととコミュニケーションが取れる存在として描かれる。言葉も通じない怪獣の破壊王と比較すると重宝するのも納得だ。

 

 

ゴジラとコングの戦力

映画冒頭でゴジラ・コングのコレまでの戦績がまとめられた演出は笑ってしまう。いつのまに怪獣バトルトーナメントが行われていたんだ。ゲ◯袋ビームされてしまった場面が永遠に使われ続けるムートーさん可愛そう。ラドンとギドラを打ち破ったゴジラに対してスカルクローラーしか戦績ないコングをぶつけるのはシード権勝ち取ったのでしょうか。。。

ゴジラは巨大な体と耐久力、しっぽによる背後や中距離をカバーできる守備範囲を持っているうえに遠距離攻撃のビームがある。キングと称されるだけあり攻守バランスの取れた能力値がありそうだ。いや、地殻破壊できるレベルの光線もっているから火力は怪獣トップクラスか。

地殻破壊光線みた僕「マジか」「マジか…」

 

対するコングは打撃能力と俊敏さに長けている。さらに今作では「勇者の斧」、つまり武器を振り回しながらゴジラに挑む。武器を使うというのは人類が進化してきた財産だ。武器を操れるという点では多少の勝算が見える。人間に近い身体構造で巨大な生物、そう思えばコングの恐ろしさをイメージできる。

 

 

ゴジラに挑む上でコングにないもの。それは回復能力やヒーラーの存在だ。自己再生できるギドラや、ヒーラー・モスラという仲間や原子力という回復アイテムをもつゴジラ。特殊能力のないコングはベガス1週間分の電力で電気ショックをするくらいしか回復手段がない。

まぁ正直、全然話にならないくらい負けてましたよ。コング。

少なくとも僕にはそう見えました。武器を使って光線を防ぎながらの戦い方は知能を感じたけどね。今後人間のサポートで戦力を増していく、という方向性でいくのならばメカコングくらい改造を施されなければなるまい。叡智を集結させて圧倒的な戦力に対抗する戦略を取るしか勝ち目がないのでは。

 

とはいえ実際の大戦を見ていると、コングの打撃強いな〜と思う。力の入り具合が映像ながらとても痛そう。だけども正直、因縁がある割にはコングじゃ全然物足りなかった。再生能力・飛行能力・遠距離攻撃をもつギドラのインパクトが強すぎた。

前述の通り、コングは人間とコミュニケーションがとれる。そのため(人間の)「守護神」の名をもらっている。コング視点と人間視点が近いものとなり、脅威であるゴジラは不条理怪獣・ヒール役として描かれる。

日本版ゴジラでは守護神の役割はモスラが担っている。モスラは自然を守りながら、ゴジラと対峙するときもあれば共闘するときもある。思想的には(思想があるのかは知らないけれども)モスラはコング側として立ちはだかるのが自然だ。しかし、ゴジラの正妻みたいな立ち位置もみてとれるし、モンスターバースシリーズではヒーラーの役目がある。ゴジラが出ない「コング&モスラ」の映画があれば共闘が見れるかもしれない。

ゴジラは災害の化身=悪のように描かれている。だがKOM(キングオブモンスター)ではゴジラよりもさらなる悪「ギドラ」がいるために「悪VS悪」の構図になった。ヒールでありながら結果として悪を打ち砕くアウトロー的な立ち位置でゴジラが活躍した。そういう姿がゴジラのかっこよさだ。

コングを(人間視点での)正義の側として描く上で、悪は倒されなければならない。だが、モンスターバースシリーズはゴジラありきの構想であり、ゴジラは絶対に倒されない。ギドラのような悪の怪獣がメインボスであるほうがゴジラ作品としては盛り上がるなと、僕は思った。

 

 

 悪の怪獣メカゴジラ

そして、今回「悪」の大役を努めたのは「メカゴジラ」だ。

最初のGODZILAシリーズから考えると今作は随分と近未来な世界観になってきた。その原因はおそらくこのメカゴジラをいかに世界観に取り入れるかということだろう。アメリカから香港にワープできる地下通路やら重力反転に耐えうる空飛ぶ乗り物が登場したりする世界であれば、メカゴジラが完成しても違和感がない。エネルギーだけは問題で、よくわからんけど地下空間で採取したデータを転送すればOKらしい。

気持ち的には機龍のデザインになれているしそっちのほうが好みだった。まぁ、人類側が怪獣に対抗できる力を欲するのも理解できるし、ぽっと出のボス扱いにならず今後も不定期に出てきて活躍してほしいところ。コング戦で消耗している状態でなく、全快しているゴジラと単独で大戦してほしい。

 

 

怪獣を取り巻く人間たち

シモンズとレン・セリザワはエイペックスというイチ企業でありながらものすごい近未来技術を有している。レンはゴジラを愛するがゆえに亡くなった芹沢博士の息子なのに、全然ゴジラ愛を感じない。父を失ったから憎んでいるのかと思えばそういう描写も特になく、別に「芹沢」でなくてもなんの問題もないくらいに空気のメカゴジラパイロットだった。

マディソンは前作に引き続きアグレッシブに動き回る。完全に母親譲りの行動力だ。レンと対照的にゴジラに対する愛を感じる。というか怪獣陰謀論ポッドキャストが流行っていて、公共水は洗脳されやすくなる、と主張するあたりが、逆にやばい人たち感を醸し出している。このあたりも母親譲りなのだろうか。モンスターバース作品で群像劇する上で、今後もゴジラ側の理解者・応援者として世界をかき乱すかもしれない。

アイリーンという言語学者はコングの保護者として登場。さほど目立った功績は記憶にない。養女のジアがコングと会話ができるので、そっちのほうが重要。KOMで怪獣とコンタクトを取れる装置が出たが、やがて普通にコンタクトを取れるひとが増えていく予感。そうすれば芹沢博士の願い通り怪獣と共存社会も夢じゃない。(ただし我々は怪獣のペットだ)

 

 

 

ゴジラ派なので、作劇がコング寄りになっていたのが気になった。でも、コングの映画にゴジラがゲスト出演と思えばこんな感じなのかね。コング視点でのゴジラってほんとに神出鬼没だ。

KOMのほうがド派手でかっこよすぎて、個人的には前作のほうが好みだったかな。

コングは人間の管理下にあるけれどもやはり怪獣は人間を超越していてほしい。コングを輸送できる船やら鎖やらヘリ&ネットやら、そんなもので怪獣を自由に管理できるなんて思わないでほしい。KOMのときの人間みたいに右往左往して逃げ惑っておけばいいんだよ。結局人間は怪獣の足元で愛する家族を守ることしかできないんだから。

あと、地殻破壊光線はすげぇし、あの穴埋めようがないくらいに香港壊滅だし、たぶんモナークは「コング監視エリア行くのに南極拠点行かなくて済むからラッキー」くらいにおもってそう。

とはいえやっぱおもしろかった。いい怪獣バトル映画だった。

続編も製作決定という噂もあるので、モンスターバースシリーズのつぎに期待。

 

ugatak514.hateblo.jp

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