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『機界戦隊ゼンカイジャー』セイバーコラボSP セイバー世界も破壊されてしまった!おのれゼンカイジャー!

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スーパー戦隊仮面ライダーの合体映画の公開を記念したコラボSP

この手のコラボはシンケンジャー&ディケイドでの実験から、トッキュウ&鎧武以来しばらく続いていたが、ぶち抜きコラボ枠から客演ゲストに縮小してキュウレン&エグゼイドで終幕した。

ディケイドの頃はともかくとして、ゴーカイジャー以後一時的に戦隊&ライダーのコラボ映画が乱立していたことも影響しているのだろうか。「コラボ・お祭り・春映画」スーパーヒーロー大戦(&Z)と、戦隊とライダーのコラボ枠だった春映画も「昭和と平成の仮面ライダーが今年同じ人数じゃん!それをメインにしちゃおうよ!」と戦隊が弾かれさらに「仮面ライダー3号」「仮面ライダー1号」と続き、「超スーパーヒーロー大戦」が最後となっている。

ライダー視点でみると鎧武(トッキュウ)とドライブ(ニンニン)は春映画での絡みがないがコラボSPがきちんと行われた。ゴースト(ジュウオウ)とエグゼイド(キュウレン)は本編客演扱いの絡みにとどまり、ビルド(ルパパト)以降は再び世界は分断してしまった。そもそも、ビルド&ルパパト世界を正当コラボさせようと思うとなかなか大変そうだ。

 

戦隊とライダーのコラボは久しぶりであり、今のターゲットとなる世代の子どもたちにとっては新鮮なことなのかもしれない。

そんなセイバーとのコラボが今回の話だ。

 

 

 

仮面ライダーセイバーでのゼンカイジャー

セイバー世界へお邪魔したのはオリヒメワルドとツーカイザー・ゾックスだ。平行世界を自由に行き来ができる設定がとっても便利!ゴーカイジャーもディケイドも電王も空間や時間を好き勝手にできる奴らは自然に客演できる。

公式によるとセイバープロデューサーの高橋Pからゼンカイジャーサイドへコラボを提案したらしい。彼はセイバーとゼンカイジャーの作風が全然違うことをどれくらい認知していたのだろうか。セイバー世界のラスボス戦の緊迫した空気が突然コメディになって温度差がすごい。鎧武におけるキカイダーコラボくらい間が悪い。

 

しかし、セイバーは説明や和解が足りないのは前から思っていたけれども、それ以上に「遊び」が足りないんじゃないんだろうか。縦糸のエピソードばかりな割にぜんぜん前進しない物語、登場人物たちの圧倒的なコミュニケーション不足によるシリアス展開が1年間続いていた。過去と現在を紡ぐ物語でありながら世界創生そして破滅を巡る壮大なスケールで展開していくが、いかんせんついていけない。登場人物も終始思い悩み、ろくな対話をせずにいつも厳しい表情だ。

セイバーは「本」がテーマな物語だ。序盤こそトウマやケントによるコスプレ学芸会で有名な童話を簡単に紹介していたが、シリアス展開が続くにつれてそういう場面もなくなっていった。しかし、最終決戦前の謎の流しそうめんイベントや今回のコラボ回をみると、登場人物がワチャワチャと盛り上がっている画がとても心地がいい。普段がシリアスだからこそギャップがある、といえるのだろうが、もう少し全体に「遊び」回があればセイバーとしてのイメージも違ったように思える。

たぶん、遊びの要素をヒロイン芽依に集約したんだと思う。結果「他の全員がシリアス」の中「一人だけ遊び要素を背負う」キャラクターになってしまった。たぶん、「遊び役」がもうひとりいれば「こいつらいっつもシリアスブレイクしてんな」とコメディ分散できたのではないか。

 

ゼンカイジャー世界の中でもゾックスはまだまともだ。カイトやキカイノイドやワルドの癖が強すぎて相対的な常識人であり、案外とセイバーの世界観に馴染む。オリヒメワルドとゾックスがセイバーに世界に入り込むことで、ギリギリセイバー世界を保ちながらのコメディ回となり、セイバー全体のエピソードの中でもトップクラスに見やすい内容になった。倫太郎の「なぜ踊るんです」という素朴系常識人ツッコミは奇人キャラとの相性抜群だ。

ただ、戦隊あるあるである「変身できない」を仮面ライダー世界に流用するならば、「変身できない自分にできること」「剣士としての矜持」をうまく落とし込めていたら良かったかなぁと、無茶なオーダーをつけたい。

 

 

機界戦隊ゼンカイジャーでのセイバー

セイバーとは違いゼンカイジャーは通常回。あくまでも平常運転とするのがゼンカイジャーの恐ろしさだ。オリヒメワルドに対するヒコボシワルド。ゾックスの兄妹を神代兄妹に当てはめるのは上手だった。

特記事項はそんなもんかな。あとはいつものゼンカイジャーだったからなぁ。。。

特にワルドの特殊能力関係なく女装するゼンカイジャー。妹を救うためチャイナ服なんか着てしまうお兄様。だれかノーザンベースの連中に写真みせてやれよw

戦隊世界にあってライダー世界にない文化。それは名乗り。あれこれと手間暇加えながら毎度変化をつけるほど、名乗りにこだわっているゼンカイジャーだからこそコラボが活きているなと思う。

センタイギア(戦隊ではない)ジオウとゼロワンの能力で未来予知とAIシュミレーションのコラボ来るかと思ったらそんなことなかったぜ。展開を想像してなかったから神代兄妹のコラボよりもテンションあがってしまった。

 

 

先週のゼンカイザーに続き、ツーカイザーのパワーアップ回だけども、特に苦戦の末の強化フォームではない。フリントの技術力がすごすぎて禁止カードになるレベル。

しかし、令和ヒーローのキラメイジャーやリュウソウジャーですらパワーアップの苦悩、乗り越えるべき壁という要素は引き継いでいたがゼンカイジャーはしれっと強化していったな。努力や苦悩の末の強化というのが受け入れてもらえない、ということなのだろうか。一部のできるひとが軽く新商品を開発して、一般大衆はありがたく使わせてもらうような社会をイメージしてしまう。このアイテム作成にあたってフリントの苦労エピソードがメインならまだ分かるけれども、それすらも描写されないとなると、「誰かがいいもの作ってくれる」という考えが強化されないか心配。その点、ゴーカイジャーハカセによるガレオンバスター製作回は技術者として仲間のための試行錯誤がよく表現できていた。まぁ、考え過ぎだろうけどもね。

 

 

ugatak514.hateblo.jp