仮面ライダーセイバーが終了したタイミングでのマンガトピア。
これはさすがに狙っているでしょ。
漫画って、メディア・ミックスしやすい媒体ではあるんだけど、不思議と実写映像作品とも食い合わせが悪くないんだよね。近い例を上げれば仮面ライダーゼロワンの必殺技描写のカット割が漫画的であったり、なんならゼンカイジャー同様「漫画回」があり、漫画カット風に敵と戦ってみたりしている。「仮面ライダージオウ Over Quartzer」で漫画版クウガが実写映像に飛び出して闊歩するような演出がなされたこともある。
「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」でも強調されたように、仮面ライダー自体が元々漫画媒体発祥であったことも大きく影響している。
最近では実写の「仮面ライダーW」が正当続編「風都探偵」として漫画化している。
仮面ライダーの系譜をたどる仮面ライダーシリーズと兄弟である戦隊ヒーローシリーズと漫画との関係は、切っても切れない深い関係があることは違いない。
そんな深い仲(?)の漫画を題材としたゼンカイジャー。ワルドの能力自体はさほど珍しいものではない。相手を原稿にして閉じ込めてしまう幽閉型だ。ジュランやマジーヌの例から推測するに、幽閉されていても自由に行動・発言ができ、もしかしたら漫画ならではで自分の意思で好きな展開を(原稿内で)繰り広げることができたのではないかと思う。
それほど特異な能力でない漫画化する敵、これをゼンカイジャートピアで味付けすると、ものすごく濃厚ななにかができあがった。(なにかってなんだ)
割りかし自由にしているジュラン達が漫画の中で変身をして名乗りを上げる。それを実写映像に組み合わせてガオーンとブルーンの間に漫画原稿がそびえ立つよくわからない画を実現させた。雑魚兵を立ちふさがる壁のようにそびえ立ち、絵が動かずモーションタイミングが分からない状態での銃撃をさせるあたり、むしろ原稿状態のほうが厄介じゃないかとすら思わせる。ゼンカイジャーはツッコミどころを多くしてみんなでワイワイさせる手法だとおもっているので、この力技の演出はまさにゼンカイジャーならではなのではないだろうか。
…いやキラメイジャーとかでもできそうだな。「ならでは」は流石に言い過ぎかも笑
普通に変身できるし戦えるし、現実世界を歩けないだけで実はそれほど戦力ダウンになっていないマンガワルドであった。
でも、マンガワルドは頑張った。普通であれば漫画トラップに夢中で介人に自作漫画を奪われる場面、カッタナーとリッキー兄弟に不意打ちで奪われる場面でも、一見気づいていないふりをしながら見事に返り討ちにする。目先しか追えないトジテンドの歴代ワルド達と比較しても、かつてないくらいに抜け目ない敵であった。
それだけの知性があるならば、巨大戦のときのように、素直に漫画を具現化する能力でそうそうに武力行使していたほうが厄介だった説すらあるぞ。
初戦で踊らないゾックスに「まさかシリアス…」と身構えてしまった。
これで立派なゼンカイ脳