ゆうがたヒーロー

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ネタバレ感想『テン・ゴーカイジャー』10周年記念の新作映画。ガレオンで限定帰還

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ゴーカイジャーがついに10周年ってマジ?

えー、だってツーカイザーが出たときに「ゴーカイゴールドだ!」ってトレンドになってたし、その前にも「スーパー戦隊バトル」出てたり、スペーススクワットでラプター&ゴーカイイエロー共演してたり、なんならジュウオウジャーで2話もかけて本編客演してたじゃん!おかげでカラオケでジュウオウジャー歌うとゴーカイジャーが登場する仕様になってるくらい、みんな身近なヒーローでしょ。10年前だなんて誰が信じる??

 

…同期がオーズ???え、オーズも10周年で新作Vシネ‥?ほら、オーズだってジオウや平ジェネファイナルに‥平成・・・・???

だめだ。なんか時空が歪んでるようだ。

 

 

というわけで10年ぶりにあの海賊が帰ってきたわけです。フォントが流行り(?)の「シン」シリーズなわけですがそういうところもコピーしてしまうのが海賊らしい。

 

 

 

 

 

そもそものゴーカイジャーの魅力

「ゴーカイチェンジ」と「レジェンド達」

ゴーカイジャーといえば「ゴーカイチェンジ」と「レジェンド達」が頭をよぎるだろう。もともと35周年というお祭り企画であり、過去戦隊が守り続けた地球というコンセプトが根底にある。そのため過去に見ていたヒーローをもう一度見れるというこの1点突破だけでものすごい破壊力がある。しかも、「ただ出せばいい」なんてことはせず、ちゃんとその戦隊やキャラクターの背景や事情、小ネタを把握して入れ込む丁寧なつくりが素晴らしかった。

そりゃあ、ゴーカイ以外で34もの戦隊があるわけで、すべてのファンが完全に納得できる出来だったかどうかはわからない。「あの戦隊は優遇されている」「不遇な扱いを受けた」なども数え切れないほど目に入っていた。しかし、これは異常に満足度の高いレジェンド回が存在するがゆえに他の戦隊推しも同じクオリティーを求めてしまうためだ。

しかし、前述の通りゴーカイジャーは常に丁寧な作りでレジェンドと対峙してきた。それぞれの思いはあるだろうが、当時として出せる全力を尽くしていたに違いない。

そしてゴーカイジャーは常に「クオリティ」を求められてきた。ジュウオウジャーでもスーパー戦隊バトルでもゴーカイジャーが出るからには安心感が必要だ。

テン・ゴーカイジャーは紛れもなく、その品質を保っている作品である。

 

アクの強い海賊たち

ゴーカイチェンジとレジェンドがゴーカイジャーの肝なのは事実である。しかし、レジェンドが客演するほどメインが目立たなくなってしまう。やりすぎると「ゴーカイジャー」という作品そのもそが霞んでしまう。

ゴーカイジャーはその点のバランス感覚も素晴らしかった。

レジェンド回と通常回を明確に分けた采配をしてレジェンド回では先輩に学び、通常回では自ら学び、ヒーローとして個人として成長を続けていく。それぞれの過去や経験、信念や思いも余すことなく描写し、レジェンド達に負けないくらいにキャラクターを確立させていく。バックグラウンドが明らかになるほどキャラクターへの理解度・解像度があがり、レジェンドと対峙したときに面白みがある。

どうしてもレジェンドとゴーカイチェンジが目立ってしまうし、求めてしまうのだが、実はゴーカイジャーの強みはキャラクターにあるんじゃないかとさえ思う。

はっきり言えば、テン・ゴーカイジャーはこちらのキャラクターによる作劇をベースに構成している。レジェンドを出さなくても(出ているが)ゴーカイジャーの面白さを再現できるということがよくわかった。なんなら、ゴーカイジャーがすでにレジェンドなわけだが。

 

 


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『テン・ゴーカイジャー』満を持して

海賊達のアクが際立つ10年目

前置きがながくなってしまったけれども、いよいよテン・ゴーカイジャー本編の感想を。

率直にいればめっちゃよかったです。ぶっちゃけた話、Vシネクストって微妙な出来も多いイメージなんですよ。特にライダー系。予算とか色々あるんでまぁなんとかって、若干フィルターかけて納得させている自分がいる。

たぶん、テン・ゴーカイジャーもめちゃくちゃ予算があるわけではないと思う。もしかしたら松本寛也役の松本さんやバs‥違った。マスコ役の細貝さん、レフリー役の杉田さんなんかは友情出演な可能性すらある。レジェンドらしいレジェンドはキラメイジャーの宝路のみ。仮面ライダー組からキャストを用意してレジェンド感をだすものの、本編が強すぎてどうしても地味に見えてしまう。

しかし、そんな「レジェンド」色を薄くしても「アクの強い海賊」が主軸になっていると紛れもなくゴーカイジャーの味がする不思議。

レジェンドヒーローで公営賭博が行われているとかいうめちゃくちゃな設定でも違和感なく物語が進行する。

ちなみにこの公営賭博で得た収益は、レジェンドの装備メンテナンス費用や世界平和のために使われるらしく、もっともらしくクリーンな面して国民に賭博を推し進めているという。この妙な理由付けがたまらなくいい。カラットやスクラッチなんかがスポンサーなんだろうなぁ。国際警察とかは平和のために装備を提供するということで圭ちゃんは複雑な思いで受け入れてそう。しかしルパンレンジャーのキーはどうやって入手したんだ。。。

この公営ギャンブル、仮に「完全に曇りなくきちんと運営される」前提だとしてもかなり賛否の分かれる社会的・哲学的テーマだ。いずれきちんと検証してみたい感はある。

というかその発想はなかったなぁ。

 

 

鎧が地球人として積極的に公営ギャンブルの手助けをしていたのが、最初は不思議だった。しかし、装備メンテナンス費用になり地球平和のためになると思えば鎧なりに納得したんだなぁと。鎧の「スーパー戦隊愛」をどう解釈するかという点がおもしろい。

鎧ってゴーカイジャーのキャラクターの中で抜群に扱いやすいキャラクターなんだよね。他の海賊は一筋縄ではいかないけれども、鎧は素直で前向きで「平和」を餌にすれば動かしやすい。立場的にヒールに徹するマーベラスらと敵対しても違和感がない。というかマベちゃん達はヒールになりがち(VSゴーカイやジュウオウコラボ回)だから正義・大義側に配置されるのは必然的に鎧だ。今回も事実上の主役として物語を動かしてくれた。

 

そんな鎧の視点からみるとゴーカイジャーの先輩の面々はやはりクセが強い。みんな何を考えているのか全然わからん。

『テン・ゴーカイジャー』を見ている視聴者はマベちゃんたちも最後には団結する、という確信をもって見ているが、どこまで信用して見ていいのかが全然わからないのがおもしろい。

 

 

ハカセは相変わらずのおとぼけポジションでありながらも、要所要所で重要な情報を拾ってくれるし、ルカも相変わらずクールビューティ。だが、かつて超懸賞金がかけられたマーベラス、案外お手頃価格で取引されていたのは少しだけ悲しかった。それを飲むルカよ。もっとガメつくぼったくってほしかった。ザンギャックがいなくなってザギンが暴落してマベちゃんへの懸賞金も下がったんだろうか・・・。

アイム様お美しいよ。10年立って美貌が増し増しでキラキラと輝いていた。王女というよりクイーンだ。マジ、そんな感想。わかってくれ。そしてかわいい。

 

 

ジョー、こんな色気あったっけ。クソかっこよかった。

正直本編中のジョーのキャラビジュアルがあまり好みじゃなく、山田裕貴くんの顔の良さは他の役のほうが好きなんだけども、10年の経過でクールさに拍車がかかってめちゃくちゃかっこよかった。キャラクターで言えばマーベラスを支える相棒ポジションはずっとおいしかったので、それが健在していただけでもとても見応えがある。

最後にマーベラス。そうそう、このツンデレ具合ね。胸に熱い思いがあるくせに軽々しく語らない、それが原因で変なトラブルが起きてしまうアレね。鎧と本気で戦っちゃうあたり不器用でいいよね。この安定感よ。

 

 

期待のゴーカイチェンジ

本編後半までゴーカイチェンジを全くしない。観ながら「あれ、ゴーカイチェンジしない感じ?」って不安になるくらいにゴーカイチェンジをしない。

たしかにレンジャーキーは賭博装置にセットされちゃっているので、ゴーカイジャーが気軽に変身できる環境下にはない。だけどもマーベラスのレジェンド100人斬りなんてイベントをゴーカイチェンジなしで乗り切るなんて思いもしなかった。

そして、召喚された警察組に追われる形でようやくアイムとゴーカイチェンジをする。

ジュウオウ&リュウソウ・キュウレン&キラメイ・パトレン&ルパレンでチェンジしていくのをみて「これこれ〜」とたまりに溜まったゴーカイチェンジ欲が一気に開放された。アイムの女性版レッドがクソかわいい。ヒラメクイーンとか言っちゃう女性キラメイレッド、とか最高すぎた。女性ルパンレッド「永遠にアデューです」、なんでこんなにかわいいの。。。鎧の「皆さん、無意識に後輩たちの決め台詞言っちゃってます」とかまで含めて素晴らしい。

あと、マーベラス達を追いかけるタイムファイアーって警察というか民間警備会社だったけど区分的にいいのか(めんどくさいタイプのオタク)

 

後々思い返してみると、ゴーカイチェンジ絞っていた代わりに各戦隊から1人ずつ登場してたな、と気づく。戦隊賭博での100人斬りはムダじゃなかった!笑

全戦隊ひとり出るってことは必ず「知っている戦隊」が出るってことで、細かいけど大事なファンサービスだ。(○○ジャーでなかったなぁ)とか思っちゃうと少し寂しい気持ちになるからね。キラメイジャーだけちょっとだけ優遇かな、ゴーカイキラメイレッド&賭博キャラシルバー&宝路本人出てたし。

ゼンカイジャーは現行だからあえて出していないに違いない。EDに加わっているだけ感謝しよう。

 

 

黒幕戦

こういう怪しげなものを運営している国営組織は大抵裏がある。そんなものは昔からお決まりだ。なんで仮面ライダー系から役者を引っ張ってきたんだろうって思ってたら怪人役だったのはナイス判断。そういう使い方するか〜。

戦隊レジェンドでやろうとすると同じ顔ネタするしかないけど、それは鎧によって判別されちゃうし、なにより視聴者が肩透かしを食らってガッカリするだけだ。レジェンドにレジェンドとしていてもらうには、余計なことをしないのが一番。そういう意味では隣の畑の仮面ライダー側の関係者をチョイスしたのは英断である。

あと、東映さんは吉田メタルさんをどう思ってるんだ‥。ブラーボはまだ初犯だ。「ディケイドVSジオウ」の謎の主婦につづく配役なんだけど、癖つよ役専属にするつもりなのか…。たぶん、メタルさんも毎回ノリノリでやってくれてるんだろうなって思うけど笑

 

あまり尺を割けないとはいえ、ゴーカイジャーらしい戦闘を見ることができた黒幕戦。

ゴーカイガレオンキーを使うことで念願のゴーカイジャーの強化フォームが!

もともと「ゴーカイチェンジ」という多段階変身が可能な上に、他戦隊の強化フォームまで自由に扱えちゃうチート仕様。そのためゴーカイジャー自体が強化フォームをもらう必要がなかったのも事実。10年目ですからね。制作陣のお祝いですよ。

 

まぁ個人的にはVシネでの新フォームって実は必要ないんじゃないかと思ってるタイプ。もともと特別編みたいな要素が強いVシネではどうしても本編と比較して新フォーム獲得の物語が弱く見えがちだ。予算的なものもあるのかもしれないけど、なんかぱっとしないんだよな。今回は割と満足度高いほうだけど、基本的にはなくていいんじゃないかな‥。さてオーズで新フォーム出るけどどうなるか…??

 

 
 
エンディング

スーパーヒーローゲッターいいよね。

こんなにもエンディングまで楽しみに思えるのも珍しい。

どうしてもゴーカイ本編のメロディが頭に残ってるからアレンジ部分と、サビまでの戦隊の区切りの違いで一瞬脳がバグる。でもイイ

「特命!ミッション!ゴーバスターズ!」とか「親子3代ニンニンジャー」とか(あれ、なんで俺これ知ってるんだ)とか思ったけどジュウオウジャーのときに覚えたんだった。

当時と歌っているメンバーも変わっていてもう楽しい。虎舞龍のロードみたいに無限に続けようぜ!

 

そして、エンディングの合間に恐竜やのカレーを食べながらのエピローグ。

いいぞ。短いパートでゴーカイメンバーの関係性がよく表現されていて、「俺はいまゴーカイジャーをみているんだ」と実感できる。エンディングの合間にこれをねじ込んでくれたのGJ!みんなでワイワイするパートって結構大事なんだよね。ここでも話を牽引するのは鎧、本当にいいキャラしてんな。もうすこしこのフリーダムな海賊達の会話を見ていたかった。日常パート未公開分とかない?ブルーレイとかTTFCとかYoutube用に編集してもらえないかな?最悪、TTFCショートアニメ枠で…(新録はきつそう)

 

いやはや。ごちそうさまでした。

ゴーカイジャー15周年記念‥えっと戦隊50作記念作でのゲスト出演まで待ってます!

 

ugatak514.hateblo.jp