感想『十二人の死にたい子どもたち』あえて言おう。僕は酷評すると。
今、話題の映画『十二人の死にたい子どもたち』を観た。
ネタバレのないように公式HPのあらすじを更にかいつまむと、内容はこうだ。
「みんなで死ねば怖くない」安楽死を求めて12人の未成年が廃病院に集まった。
しかし、集まった部屋には謎の13人目の死体がそこに。
殺人鬼は誰なのか。疑心暗鬼 嘘 騙し合い あぶり出される「死にたい理由」
最高潮のパニックの中 彼らは「死ねるのか」「殺されるのか」
未体験の密室サスペンスゲームが幕が上がる。
みんな大好き密室デスゲームに近い感じだね。死にたいけど殺されるのは嫌、なかなかワガママだなおいw
廃病院での出来事なため、絵面はなかなかに地味。その分キャストが豪華
実写映画『ちはやぶる』で好青年を演じた新田真剣佑
『花のち晴れ』のヒロインで一躍注目の杉咲花
最近は映画に引っ張りだこ『君の膵臓をたべたい』で初主演の北村匠海
ヤフーニュースになってた気もするけど、公式では伏せられている13番目の少女も、超有名人
(というか、伏せている意図がよくわからなかった。。。)
そして、『仮面ライダー鎧武』で好演を見せてくれた高杉真宙くん!
かわいい弟分から冷酷非道な策士まで1年間でのフリ幅が大きい役を見事に演じてくれた。
その後の『渇き。』(2014)ではすばらしいクズとなる。
(今作も勝手に渇きのビジュアルと同じ役の人かと思い込んでた)
その細かな心情の変化をうまく表情や目で演じてくれる素晴らしい役者さんだと思う。
鎧武の中盤からの演技が好きで、気づくと普通にファンになっていた。
本当に楽しい1年だった。
今回の『十二人の死にたい子どもたち』を集めた主催者。それが高杉真宙演じるサトシだ。主催者だけあってなかなかいい役を貰えててちょっと嬉しい。
特撮俳優が評価されていくのはまるで我が子のように応援したくなっちゃう笑
さて、ネタバレのない範囲で感想を言うと「長い」
正直、僕はやや退屈だった。
もうすこしおもしろい要素があるかなと、期待しただけに期待が高すぎたようだ。
まぁ、見に行っておきながら言うけど、相当ハードル低めでみたんだけど、ハードルくぐっちゃった的な!?
前述の役者さん達のファンだったら見に行ってもいいけど、あとはどの層におすすめできるかな・・
あまりミステリーは上手じゃないから、ミステリーを求めるならおすすめできないね。
デスゲーム要素もあまりないし、そういうの好きな人も違うよね。
ここからはとりあえず、ネタバレも気にせず感想言います。
「長い」
とにかく単調で退屈。あらすじでいうほどパニックにならないし、むしろ高校生達めっちゃ冷静で大人。大体肝が座っている。
話の流れでそれぞれが「死にたい理由」を告白するが薄っぺらい。みんな「へぇー。大変だったね」みたいに割りとフレンドリーに共感してくれる。
でも自分の悩みはすごく大きく見えるけど、人の悩みは「そんなもんか」ってくらい軽く流す。いや、一見共感してるんだよ?表面的ってわけでもなさそうだけど、所詮「他人事感」がすごい。
だから、会話に深みがなく、掛け合いとかも特にない。
掛け合いもないのでキャラが活きてこない。
その割にストーリーも大きな展開もなく淡々とスムーズに進行する。一生懸命登場人物に死にたい理由を独白させ、謎解きを展開させる。そしてシンジロウの超推理でだいたい解決する。あまりカタルシスも驚きもなく、予定調和的に最後の投票を行う。
視聴者とは裏腹に妙に感情を高ぶらせた子どもたちが次々と心をひとつにする。
僕らポカン。
台詞回しのせいもあるけど、杉咲花演じるアンリの話口調がいちいちうっとおしかった。彼女だけじゃない。メイコもタカヒロもやりすぎなくらい過剰にキャラを作らされている。タカヒロの吃音も後半にはだいぶよくなってたけど、誰も触れてくれなかった気もする。
死生観をメインとしたメッセージ性のある映画にしたかったみたいだけど、なかなか難しいね。
死ぬか殺されるか、みたいなキャッチコピーで集客したのもよくない。
全然そんな話じゃないし、拍子抜け感はんぱない。
よかったところを強いてあげるのならば、主催者が今すぐ死ぬかどうかを話し合いさせたところ。
これから死ぬのに互いのバックボーンを知っちゃったら未練残っちゃうじゃん、と思ったけど、むしろそれが主催者の狙いだと分かってスッと腑に落ちた。
それだけは見ていてなるほどなぁと感心した。
それくらいかな。
日テレ系だし、そのうち金曜ロードショーあたりでやるかもしれないし、迷っている人はそれでもいいと僕は思う。
映画「十二人の死にたい子どもたち」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: 音楽:小林うてな
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2019/01/23
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