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感想『たった1日で即戦力になるexcelの教科書』エクセルを学んで業務効率を上げていこう

たった1日で即戦力になるExcelの教科書【増強完全版】

 

『たった1日で即戦力になるexcelの教科書』

『たった1秒で仕事が片づくexcel自動化の教科書』

(両:技術評論社,2020,吉田挙)

 

 

書評というかなんというか。2020年は日本で最も自動化や効率化が進んだ1年であると思うけども、偶然にも僕自身もスキルアップに成功した1年であったことは間違いない。

コロナで最も良かったことは4〜5月にかけて通常業務量が激減して、業務時間内にスキル上げができたことだ。社内の実業務を効率化したいけど、社内にいれば仕事が舞い込む。うまく時間が作れなかったところで急激に仕事量が減った次第。(会社的には仕事が減るのは大変な事態だけれども)就業時間中だけど手が空いた時間に本を読みながらせっせと試行錯誤できたのは本当によかった。

そんな感じで前々から「エクセルを勉強したい」と思いながらもなかなか継続的に勉強できなかった。値を探すならVLOOKUP関数、計算ならSUMやSUMIF。名前は知っているのにどういう場面で使えばいいかわからない。そんな超ド素人でも読みやすくて、2ヶ月後には簡単なVBAであれば読み取れるし改造・修正ができるくらいまでになった。

その際にお世話になったのがこの「たった1日で即戦力になるexcelの教科書」と「たった1秒で仕事が片づくexcel自動化の教科書」の2冊だ。

 

エクセルを勉強しよう、となにか書籍を探しているときに平積みで目に止まりやすいのが上記だ。店頭で手にとって立ち読みしたときに個人的に一番感覚にフィットした。

なにがいいかって、どの本にも必ず書いてある「はじめに」がおもしろい。筆者の狙い通りの頭から通読しやすい文体・構造となっている。よくあるエクセル本は各種技術や関数を説明するに終始しており情報量こそ多いけれども実際にどの場面でどの関数を使えばいいのかピンとこなかった。しかしこの「教科書」シリーズはむしろ業務上の場面に特化した説明をしてくれているので、「あ!こういう集計作業あったわ」と実業務とリンクさせながら読みすすめることができた。ブワァーっと立ち読みした後、関数編といえる「たった1日で・・」を購入。もう1冊はなんだか知らない画面ばかり図解されていた。しかし、やがてそっちの本にも手を伸ばすこととなるとは当時思いもしなかった・・・。

 

客先から入手できるCSVデータと、社内入力データが合っているのか確認せよ

時々おきる入力ミス。ミスを起こさない仕組みやルールづくりしていくことは大切だ。自動化は進んでいるとはいえ、まだまだ世の中イレギュラー業務も多くて手入力からは逃れられない。これまでの歴代担当者たちも「ミスしないように気をつける」「Wチェックをする」などと言いながら抜本的な改善活動がなされていなかった。

上司なんかも「ミスの無いように」という指示はするけれどもその制度設計は担当任せ。そりゃ過去からの慣習でミスした本人に「気をつけろ」と詰めるのは楽だけど、少しは一緒にその根本原因とか対策を考えていくのが上司でしょうがよ。前任者も「気をつけるしかないよね〜」と力技主義者。

いくら本部がDX促進を働きかけても、働く側のスキル知見、意識がなければ、従来通りの力技と魔法のコトバ「Wチェック(ひとりで複数回確認)」で済んじゃうの社内風土的には非常によろしくない。

 

と、言うわけで客先から入手できる「受注残データ」と弊社内の「受注残データ」を照合すればいいんじゃないか、と。本書を読みながら、ときにインターネットで調べながらコツコツと勉強。VLOOKUP関数とIF関数やEXACT関数など基本関数を駆使して照合用ファイルを作成。試行錯誤していったら2つのデータだけでなく、複数のデータを組み合わせて確認させないと、うまくチェックができないことに気づけたがなんとか照合ファイルが完成。これで間違えた入力も「照合NG」がひと目で分かるようになった!もうこれでミスを見逃さない!笑

 

しかし、ひとつだけ大きな手間が発生した。毎日更新される各種データを照合のために貼り付ける作業がとてもめんどくさい!照合精度をあげようとした結果、毎日別の場所に保管されている4つのデータを貼り付けないといけない。これは面倒だ。

そんなときに、社内運用しているエクセルファイル、にボタン一つで最新のデータを勝手に取りにいってくれるものがあることを思い出した。あれはどういう仕組みなんだ?

この謎を解くために、再びエクセル知識の宝庫である本屋へ足を運んだ。

 

 

  

ファイル更新を自動化せよ

エクセルの魅力に気づいた僕にとって、Office関連書籍のコーナーはまさに情報の宝庫。

インターネットでの独学も容易になった現代であるけれども、勉強のために情報をまとめて体に入れるのは本のほうが便利なときもある。どっちが優れている、という2元論に陥りやすいけれども、併用しながらいいとこ取りしていくのが今の時代はベターだと思う。タダ同然でネットで情報を入手されてしまうこの事態に出版業界や専門講師らはそんな悠長なこと言ってられないのかもしれないけれども。

 

本屋で再び出会った「たった1秒で仕事が片づくexcel自動化の教科書」。あのときはよくわからない画面だったが、その本はいわゆる「VBA」編だということがわかった。

「マクロの記録」で遊んでみたりボタンを設置してみたり、雑に概要を掴んだ後に「ファイルを自動で読み込む」ページを熟読する。そのマクロが組まれている社内ファイルの中身を覗いて読み解く。あとは不足部分をネットで補いながらコピペや改造を駆使して自動でファイル更新を可能にできた。これで毎日のデータ照合がより一層簡単に!

 

ここまでくると思わぬ時間の複利効果が現れた。

チェックにかかっていた時間が削減→ファイル更新にかかっていた時間が削減→さらなるエクセル勉強の時間が生まれた

浮いた時間で更に勉強できて他の業務を簡単にするためのファイル作成に宛てることができる。しかも、一度つくってみた関数やマクロを組み合わせて応用するだけの予備知識ができた分、試行錯誤していた最初に比べるとファイル作成への時間もだいぶ減った。まさに自動化の理想図。

 

 

たった1秒で仕事が片づくExcel自動化の教科書【増強完全版】

たった1秒で仕事が片づくExcel自動化の教科書【増強完全版】

  • 作者:吉田 拳
  • 発売日: 2020/04/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

自動化の夢は終わらない

どういう内容ならば関数やマクロで対応できるのか、おおよその概要を知れば知るほど「もしかしてこれも自動化いけるんじゃね」というアイディアが出てくる。関数を知らなかった時代には考えられないくらいに思考の効率化がうまくいっている。

エクセルを学ぶとなにがいいかって、機械的にシステマチックに運用するにはどうすればいいのかという頭の使い方ができるようになる。前任者が属人的なやり方であったため、引き継いでからルール化システム化してきたのがここで活かされた。

そして個人的に一番頭を悩ませていた、「客先注文の注文番号の変更」にメスをいれることにした。

僕が担当しているお得意様はシステム上、仮注番での注文、その後に正式注文番号が生まれるというワンクッション挟むような発注システムを採用している。

これがなかなか厄介で、自社システムに入れ込む際に仮注番で発注をかけたのちに正式注番に変更をかけないといけない。

いままで目視しながら手入力しながら変更をしていたけれども、当然間違いが起こる。

前任者で多かったのは紐付け間違いだ。引き継ぎ以降、なんとかこの間違いをなくすべくフラグを立てたり仮注番との区別をつけたり、とにかくルール化をしていった。

このルールがあれば自動化できるのではと、最後の難題に取り掛かり自動化へのさらなる一歩を踏み出す。

 

結論から言えば半分成功、まだ発達段階だ。

客先品目番号+客先指定納期をKeyに自社の注残データとマッチングさせるところまではうまくいったのだけれども、自社データが受注番号と枝番号に分かれており枝番号違いで同じKeyデータがあると区別がつかないのが悩みだ。件数換算してユニークデータにしてみたら、同じKeyの注文数違いが区別できず計算式がどうも複雑化してしまう。

自分の中でルール化して運用していく分にはそうとう楽になっているのは事実だけれども、いつか誰かに引き継いだ際に問題なく運用されていくかはまだ疑問符だ。結局この自動化をするためのルールづくりがある意味の属人化していると言われかねない。

社内に関数やマクロに詳しい人が複数いる環境であれば整備してより完成度を高めてくれるだろうけど、現実はまだまだ難しい。かつて自分がそうだったように、自動化に関心を持って勉強していく人物が現れたときにようやく日の目を見ることだろう。

本社はRPAやOCRを活用して自動化を進めているけども、基礎的なエクセル関数を当たり前に使える人員を増やしていくほうが、長期的に見たらよほどDXが進むのになぁ。

 

 

最後に、上司・前任者のおもしろトーク

上司「エクセル勉強するならばアウトルックっていうのから勉強するといいらしいぞ」

前任者「デスクトップ入れ替えだから、クラウドのデータのバックアップ方法をシステムに確認しといて」

 

あんま人のこと笑って分かってるつもりでいると自分がベテランになったときに若手に裏で失笑されかねないからこれくらいにしとこう。

学生のとき以上に新しいことにアンテナ立てとかないと本当に時代に乗り遅れるくらい進化のスピードが早くて大変だよ。。

 

 

ugatak514.hateblo.jp