ついにはじまった。機界戦隊ゼンカイジャー。
ディケイド&ジオウにゴーカイジャーを加えて電王風味を隠し味にトッピングした作品になると思っている。
アニバーサリーで過去を絡めるとしたらどうするのか、という問いのわかりやすい答えは「過去ヒーローを出す」(ジオウ&ゴーカイジャー)である。しかし、これは劇薬であり過去ヒーローが出るとどうしても主役が食われかねない。そのため、あくまでも過去のヒーローには戦闘力を失わせておかなければならない。そうしたバランスが非常に難しい。
一方で、もう一つの答えはディケイドのように「平行世界説」を打ち出すことだ。
そうやって世界を守った別世界がある、と定義づけることで過去ヒーローを落とさずにゼンカイジャーの物語を紡ぐことができる。
にしても、キカイトピアのトジテンド、とんでもない能力だな。
世界まるごと閉じ込めて残りはゼンカイジャー世界だけって純粋にやばい。
過去に地球を侵略したマシン帝国バラノイア(オーレンジャー)や199ヒーローが全能力を結集して追い払ったザンギャック(ゴーカイジャー)より遥かに凶悪な能力をもっている。彼らの世界ですら抵抗の余地なく吸収してしまうのは過去最大級の脅威ではないだろうか。
とはいえ、このゼンカイジャー世界だけは吸収できない謎仕様、力の一部が奪われた(ゼンタイギアとして使われている?)こともあり、世界に関する謎を散りばめてある。両親がなにをしようとしていたのか、なぜキカイトピアの存在を発見できたのか、平行世界に気づけてその能力を拝借できたのかが、物語が進むにつれて今後明らかになっていくことだろう。全貌を語る・考察するにはまだまだ情報が足りなさすぎる。
ジュランはジュウレンジャーの「恐竜パワー」によって変身していた。アバレンジャーやキョウリュウジャーの力にあやかる場合は「爆竜」「獣電」とそれぞれの冠部分が採用されるのだろうか。そもそも45バリエーションの変身を用意するのだろうか。普通はしないと思うけれども、しない場合はその理由付けが必要な気もする・・・。
ジュウオウジャーの能力を借りるとジュウオウイーグルの空中戦ができるようになる。そのあたりの過去ヒーロー能力の使い方は、ゴーカイジャーでの実績があるから安心ができる。ライダーにように一度途切れた歴史がない45作品作り続けたノウハウを信頼している。
「戦隊の概念をぶち壊す」白倉氏。彼は必ず「そもそも戦隊とは何なのか」「何を壊して何を崩して何を作るのか」こういった分解と再構築を理論的に考えているはずだ。(最終的にライブ感のノリで全然ちがう何かになってしまうこともあるけれども)
ゴーカイジャーの「大いなるちから」ではないけれども、戦隊を見つめ直すと同時にその戦隊の特色を抽出してくれるだろう。過去ヒーローを直接出すことはなくても、うまくそのエッセンスを入れ込んでくれると信じている。