感想『アクアマン』これぞ王道!迫力のあるスクリーンで見たい1作
2月8日公開のアクアマン!
実は僕は洋画ってなんとなく苦手で、どうしても邦画に偏って観ちゃうとこ。。
評判よかったから思い切って観てみました。
いやぁ〜。さすがはお金かかってる。
”アクアマン”っていうからには水を映し出す場面が中心。
その水の美しさが際立つ映像技術がすごかった。
それにそれぞれの種族やクリーチャーデザインがめちゃくちゃカッコイイ。
設定集とかあるのかな。グロテスクでありながら洗練されたフォルム。
海中都市もいわゆる近未来型でそれだけでワクワクする。
海中で生活するなら当たり前でしょ、と言わんばかりの謎技術や謎文化が好奇心を掻き立てる
ここの世界の住人はどんな生活をしているのだろうか。
ぜひともスピンオフとして民の視点でコメディみたいな作品をつくってくれないだろうか笑
ファンタジー系の映画はいかにしてその架空の世界を現実に落とし込めるかが重要だと思ってる。世界に没入していく必要があるからだ。
そうした意味で、世界観の広さを想像させた「ハリーポッター」シリーズは人気作品になるのも頷ける。
僕は個人的にはこの「アクアマン」の世界観がすごく気に入ったし、もっと観たいと思わせてくれた。
さて、ここからはネタバレとか気にせず思うがままのに感想を書き連ねよう。
ストーリー、それ自体は至ってシンプル。
人間と海底人のハーフである主人公。海底人が地上を攻めようとする。
主人公は伝説の武器を探し出し、地上侵略を阻止しようとする。
おおよそこんな感じ。
主人公の母が女王であったため、王位の後継者争いとしての側面も強い。
つまり、主人公のライバルは異父兄弟。
いいねー。好きだよそういう設定。
ハーフの主人公が人類を守るため、異父兄弟と戦う話。それに正当な王位継承者は誰か、ってなる話。
言っちゃえば主人公は、正当な王位を継承するものしか手に入れることのできない最強の武器を手に入れるのね。
それまた金色に輝いてチート感半端ないの。
で、対する異母兄弟は、銀色の装備を身にまとっている。
もう、僕はこのふたりにしか見えなかった 笑
特撮脳つれーわwww
なんでも結びつけて考えちゃうのが良くないところ。
でも、仮面ライダーキバのエンペラーフォームVS仮面ライダーサガでしょ?
紅渡こと瀬戸康史と登太牙こと山本匠馬の対決だよこれ。
まぁ、主人公かつ正当な王位継承者には勝てないんですけどね。
話はさほど複雑じゃない。だから映像の美しさに目を奪われても安心してストーリーについていくことができる。
そして洋画のいいところはアクションのレベルが段違いだって再認識した。
アクションのかっこよさとド派手さ、それを撮影するカメラワークや長回し、
どれも感心するばかりだった。
ルパパトでも毎回ちょっとずつぐるぐるカメラワークをしてたし、最終回にはロングカットでの撮影をしてたけど、洋画はやっぱ遥かに上を行く。
最初の女王が雑魚兵を蹴散らす戦闘シーンから超かっこいいんだもん。
前編通してアクションシーンが多いから、アクション好きにはたまらないだろうな。
中盤アドベンチャーパートとでもいうべきか、世界をあちこち巡る場面もあるし、王道RPGゲームの実写化かなって勘違いするようなシナリオ構成だった。
ワクワクする期待通りの展開に迫力あるアクション、この世界とは違う文化のあり方。
観ていてとても楽しい映画だった。
しかし、2時間半近くあると少し疲れる笑
唯一の欠点かもしれないw
感想『生きてるだけで、愛。』映像美が際立つ文学的映画。優しさってなんだろう
近所のミニシアターで公開していた『生きてるだけで、愛。』
東京では11月に公開していたみたいだけど地方なのでこのタイミングで劇場で見ることとなった。
飲み会で知り合った寧子(趣里)は躁鬱病を患っていた。津奈木(菅田将暉)は不思議な魅力に取り憑かれてともに生活をする。寧子の前に津奈木の元彼女の安堂(仲里依紗)が現れて・・・。
菅田将暉演じる津奈木はいまいち表情が変わらない。
何を考えているのか分からない。寧子との共依存関係とも見て取れる。
表情ひとつ変えずに淡々と組織の中での役割をこなす。次第に抱えきれなくなり突然爆発する。ある意味今時の人なのかなと思った。だからこそ寧子と一緒に居られる・・って論調にしたいのに「だからこそ」につながるエピソードが思いつかない・・。
寧子に対しては自然体で気負わなくて済む、ってのなら分かるんだけど別にそういうわけじゃなさそうなんだよね。だけど寧子の存在がなければもっと早くに爆発してたような気もする。なんだろ。うまく表現できないや。
そして仲里依紗が怖い・・・。怪演?
『ホリデイラブ』(2018)では浮気をされる妻を演じつつ恐妻っぷりがハマっていた。
今回は元カレとよりを戻すために今の彼女に接近してくる。
高圧的な傲慢で嫌味な女性。おそらく寧子みたいな躁鬱病のヒモが彼女だったから強気に出て直接接触したんだろう。きっと似たタイプの女性が相手ならもっと裏で色々な小細工をしていたに違いない。
皮肉なことに安堂が一生懸命になればなるほど寧子が社会復帰することを促すことになる。
寧子にとっては試練ではあるけど多少甘えが許されない状況に追い込まれないと一歩を踏み出せないタイプの人間もいる。そういう人には強制力というのは有効な手だ。(躁鬱病の人に対しては甘えだとかいう表現は適切でないのかもしれない)
躁鬱病とはいえ、寧子の考えていることが理解できないことが多かった。
「やらなきゃ」「変わらなきゃ」という気持ちがあるけど、身体がついてこない。
その焦燥感はとても伝わってきた。
そのイライラは経験していないと理解できないものだと思う。
ただ考え方でハッとしたことがある。
それは、理不尽で支離滅裂な要求を津奈木が「はいはい」と受け流し、相手が納得するような対応をする場面だ。
寧子はその対応を「楽している」と言い放った。寧子が言うには、全力で話をしているのだから、全力で返してほしい。つまり、受け流すのではなく受け止めてほしいのだ。
僕はつい、何事も最適解で対応したいと思ってしまう。
でも適切な答えを求めているわけでなく、同じ熱量で対応してほしいと思う相手もいるんだなと気付かされた。
メールなんかではよく聞く内容だ。
一生懸命考えた長文メールに対して1行での返信では物足りない。
結局、それって直接話をするときも同じなのかもしれない。
必死に考えて伝えたならば、受け取った側も考え抜いた応対がほしいものなのだ。
ほしいものは最適解ではなく、努力の跡なんじゃないだろうか。
人との付き合い方ってのは難しい。
相手を傷つけないようにオブラートに包むことも優しさ。
きちんと向き合ってぶつかることも優しさ。
一貫した正しい選択なんてものはない。
常にもがいて苦しんで、それでも生きなきゃならない。
寧子を雇ってくれたバイト先も心の底からの優しさだったと思う。
変な子、めんどくさい子、心の中ではそう思いつつ、受け入れる。
それが優しさだと思っているから。
でも寧子にとってそういう上辺の表現はとても敏感になってしまう。そしてそういった包み込む優しさを拒絶してしまう。
決してエンターテイメント作品ではない。
観終わったあとの何とも言えない感情。自分の中でどう消化すればいいのか、味わったことのないモヤモヤ感。
映像は非常にきれいで引き込まれる。なのに人物の気持ちがわからない。引き込まれているのに何もわからない。だけど確かに心に何かを残してくれる。
不思議な映画。
感想『コードギアス 復活のルルーシュ』完璧にして最高の完全新作。みたかったコードギアス
とにかく何から書けばいいだろうか。
こないだまで総編集映画をやっていて、オリジナルの映画は「亡国のアキト」シリーズ以来となるコードギアス。
今回はまさに、みたかった”あの”コードギアスそのものだった。
いや、本当にこんなにもみたいものを惜しみなく見せてくれてよかったのだろうか。
終始ニヤニヤが止まらない。最高の展開の連続。ブレない相変わらずの面々達。
精一杯の言葉を尽くすが、もう「最高」「完璧」その単語しか出てこない
ことごとく語彙力を奪われてる。
コードギアスって「ノリと勢い」と「知略バトル」このふたつが奇跡的に融合したものだと思うんですよ。
元のテレビシリーズが目まぐるしく常に展開しないといけなかったようで、時々現れる「えぇ・・」っていう超展開をゴリ押してくるのもひとつの楽しみ方。
新作の2時間映画だと、こんなにも落ち着いたものになるのか・・。
まずは公式で明かされているあらすじを紹介しよう。
ゼロレクイエム後、人々は争いがなく平和な世界を謳歌していた。
しかし、突然現れた謎のナイトメアフレームよってゼロことスザクとナナリーがさらわれてしまう。シュナイゼルの密命を受けたカレン・ロイド・咲世子はジルクスタン王国に潜入する。謎のギアス使いに出くわしたその先で一行はC.Cと再開を果たす。
このあらすじだけで何がいいって、
カレン・ロイド・咲世子のチームの結成。
え、あったけ。この組み合わせ!?ないよね??
だって、ルルーシュが黒の騎士団の頃はカレンと咲世子を手駒にしてるけど、ロイドは王政のスザク側だったし
ルルーシュがスザクと組んだ終盤は咲世子とロイドはいるけど、カレンと敵対してるし。
この三人のチームがチート過ぎた。肉弾戦・隠密・ハッキング攻守万能で作戦実行中変な笑いが止まらない。
あー、あらすじ情報だけじゃ語りきれないので、以下ネタバレとか気にせず書きたいこと書いちゃいます!!
2019年2月9日公開『コードギアス 復活のルルーシュ』劇場予告編 第1弾
ルルーシュの復活とお約束
はじめルルーシュは記憶がない状態で登場する。
偶然にもC.Cと再会したカレンたちは、共にルルーシュの記憶を取り戻すため、監獄となっている元教団の跡地に向かう。
万全の仲間を揃えたドリームメンバーにも関わらず、全員捕らえられ絶体絶命に陥る。
だがその瞬間、ルルーシュの記憶が覚醒する。
高飛車で偉そうに講釈垂れながすルルーシュ、その声を聞いて「あぁこれこそがルルーシュだ」と、僕は彼を崇拝する信者だったことを再確認させられる。
覚醒したときに使うギアスはいつものあれだ。
「お前ら全員死ね!!!」
出ました!最強の即死技!笑
これこれ。死ねぇっていいながら特攻していくルルーシュにいつも笑わされてた。
シンプルながら子供っぽいギアスで笑っちゃう。
でも、1期2期とルルーシュ覚醒は「死ね」って相場が決まっている。
そしてギアス覚醒後はお決まりのルルーシュ無双タイム。
「条件はクリアした」。そう語りながら敵のすべてを読み切り誘い込み叩き潰す。
もはや様式美としか言いようがない完璧すぎる導入。まさにコードギアスの1話である。
さらにここで地下に幽閉されていたスザクを取り戻す。
スザクを助け出したルルーシュは次の作戦を決める。
「ナナリーを取り戻す」
ここまで見て確信した。「あ、これ絶対おもしろいやつだ」
コレコレ。ルルーシュの原動力はいつの時代もナナリーだった。
なるほど。これでルルーシュに敵を潰す理由ができたわけだ。
仲間と合流・つかの間の日常
ジルクスタン王国に攻め込むのには戦力が足りない。
ここでなんと扇・玉木、コーネリア皇女・ギルフォードのチームと合流する。
か ん ぜ ん に ノ ー マ ー ク だ っ た
コーネリアが出てくるのか。全く想定していなかった。
さらにジェレミアゴットバルトとアーニャを加えてナナリー奪還作戦を決行する。
おいおいおいおい。何このオールスター総力戦!?
その時気づいてしまった。
それまで政府軍(ブリタニア皇族)と反政府軍(黒の騎士団)は敵対していた。
ギアスや裏切りなどで勢力図が塗り替えられることはあっても、この2大勢力が手を取り合うことはなかった。
最終回で2つの勢力は解体・融合した。
そして今回はじめて共通の敵が現れたのだ。
なんと素晴らしい展開か。
こうして中盤ダレるどころかグングンと盛り上げてくる。
長年視聴者によるあらゆるヘイトの対象だった扇も、ルルーシュに懺悔し、許しをもらう。
落ち着いて話をするルルーシュと扇、CCとカレン、ルルーシュとスザク。
こうした細かい会話が嬉しい。
同時期に流行った「DEATH NOTE」と比較されることが多いコードギアス。
大きな違いは日常エピソードの積み重ねにあると思う。DEATH NOTEではあまり描かれない、絶対的王者の日常。周囲の愉快な面々との会話っていうのは世界観を掘り下げる重要なファクターだ。
ギアスVSギアス
ついにジルクスタン王国に攻め込むドリームチーム。
初めはルルーシュの計画通りにことが運ぶ。スザクとカレンが並び立って無双する。
見ていて気持ちがいい。そりゃ、この面々が手を組んでいるんだ。負ける気がしねぇ。
コードギアスにおいては、僕らは無双を見ているだけでスカッとたのしめるんじゃないだろうか。
だがしかし、当然このままあっさりとは終わらない。
ジルクスタン側の真の能力が判明する。予言の真相は自らの死をもって時を戻すギアスだった。
巻き戻った時間でルルーシュの計画がすべて対策されてしまう。
あらゆる計画は先回りされ、ルルーシュ達はピンチに陥る。
これがまたいい。ルルーシュが苦戦を強いられる合理的な理由付けとなっている。
こちら側の切り札あらゆるギアスを無効化するC.Cの存在。
ルルーシュのあらゆる作戦をC.Cに記憶させ、実行させる。いくら時が戻ろうが彼女だけはその事実を認識できる。普通にチートなんだよな。まぁ、過去に戻るもチートだからお互い様なんですけどね。
逆転勝利のタイミングでランスロットと紅蓮に見せ場が与えられる。
途中からひたすらに苦戦を強いられていた幹部戦。映画の終盤になってモードチェンジしておなじみのランスロット&紅蓮の姿が見たときに「そうこれだよ〜」となった。
やっぱふたりの機体はこれじゃないとね。終盤での幹部撃破は少年漫画やヒーロー物の熱さを感じて普通にテンションがあがるわ。コーネリア姫様もめちゃくちゃかっこいいし、最高だ。
とにかく僕見たかったツボを的確についてくれる。
こうしてルルーシュサイドの完全勝利で幕を閉じる。
これぞ、求めていたコードギアス。
はっきりと、ギアスとか教団関連の謎はもうよくわからない。
テレビシリーズおよび再編集映画を見てても理解が追いつかなかったし、完全に復習不足だった。
でも、そんなの全く気にならないストーリー運びだった。
しっかりと最終回を迎えた作品の続編。こんなにもキレイに続きを描けるものなのか。
ルルーシュ無双にスザク&カレンの共闘、C.Cの活躍、まさかのコーネリア。
敵も申し分ない。完璧すぎる。最高だった。コードギアスが好きならば絶対見るべき映画。
もっかい見ようかな。。。。
ジルクスタン側の姉弟って、やっぱりルルーシュ&ナナリーの兄妹の対比なのかな。
あの姉弟も互いを思い合ってとてもよかった。
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総括『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』丁寧に描かれる日常とシリアス。爆発までを楽しむ時限爆弾
ついに終わってしまった『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』
ここ数年のトップクラスで安定した面白さだったと僕は思う。
まずテレビシリーズで1年を通じて「VSシリーズ」を放送する、というのに驚いた。
キュウレンジャーでとにかく最多人数でのウリの次はダブル戦隊の共存をウリにしてきた。
そして運命の(?)第1話と2話。僕は度肝を抜かれた。
ルパンレンジャーがあまりにもスタイリッシュでかっこよかったからだ。
快盗がゆえの夜で大人な雰囲気のBGMと変身バンク。ぐるぐるとまわる撮影。ヌルヌル動くCGを活用したロボ戦。
導入として申し分ない。
後を追う形でパトレンジャーにもスポットが当てられ、本作の方針がぼんやりと浮かび上がってくる。
なるほど、こうやって1年間を展開するのだろう。
途中で仲良くなり、疑惑もあり、戦い、最後には共通の敵を一緒に倒す。追加戦士は2重スパイだろうか。快盗と警察のトップはつながっている?
考えれば考えるほどワクワクがとまらなかった。
ルパンレッドとパトレン1号の戦いが描かれ、疑惑が生まれては晴れを繰り返された。
そして、キャラ同士の日常がこれでもかというくらいに描かれる。
ルパパトはこの日常回というのが肝だ。
持論だが日常回を描くというのは意外と難しいものではないかと思っている。
いわゆる「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」に言われる日常モノ。あの世界観にはストーリーというものがない。だからこそ見逃しても安心して翌週分を観ることができる。同時に1話くらい観なくても全く問題がないとも言える。
戦隊ヒーローや仮面ライダーに代表される特撮モノはそうはいかない。
地球を侵略する悪い奴らがいて、僕らを守るヒーローがいる。悪の組織を壊滅あるいは撤退・封印するまでがストーリーだ。
アンパンマンのように日常的にやってくる悪い奴らを毎度追い返すだけを繰り返すことは許されない。
快盗と警察で話を作れば日常中心の「ルパン三世」になる。
そこに特撮モノお約束の「悪の組織」との三つ巴にすることで日常に目的をもたせることができる。
日常回ばかりであれば「1話見逃しても平気」となるが、ストーリーが加わっていることで日常の中でも話が展開していく構成となった。
日常回というのはキャラクターの掘り下げに有効だ。各人物がどういう行動をとるのか、どういう考えなのかが分かる。快盗と警察どちらの状況も理解できている視聴者はある意味「神の視点」で俯瞰してみることができるが、キャラ同士はそうでない。掛け合いを通じて相互理解につながっていく。理解が進めば進むほど情が生まれる。
快盗と警察は相容れない存在。相互理解はまるでいつかは破綻する時限爆弾みたいなものだ。
そして何気ない日常の違和感が積み重なり、やがてすべてがつながる。
すべてを知った警察側の衝撃は計り知れないものとなる。
ルパパトは日常回のインパクトがすごかった。シリアスの中に突き抜けたギャグをぶち込んでくる。
ここ最近の戦隊シリーズでもなかなか見ることのできない、意味の分からないギャグ回が多い。「レオタード」「強制帰宅ビーム」「キツツキ」「クリスマスは鮭」
ギャグが振り切れば振り切るほど、シリアスとの振り幅が大きくなる。
日常やギャグを丁寧に描いたことが、本筋のおもしろさを際立たせてくれた。
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日常を彩るキャラクターもよかった。
今風で飄々としながらも強い信念を持つルパンレッド
頑固であるけど理解もあるパトレン1号
この二人の関係性がとてもよかった。
系統の違うダブルレッドの交わり方が絶妙。ふたりともここ数年にいないタイプのレッドじゃないかな。おバカ系カリスマ・イケイケドンドンタイプでも常識ある苦労人タイプでもない。案外柔軟なパトレン1号の頼りになる感がすごい。
キャラに関してはパトレンサイドが安定。
警察の特殊部隊という組織柄任務遂行の仕事モードとジュレでのOFFモードで2度美味しい。パトレン3号の仕事のできるクールビューティが可愛らしいルパンイエローとの対比が美しい。
遊園地回でのルパンイエロー&パトレン3号の共闘はすごく好き。
クールなルパンブルーと意外と熱いパトレン2号の絡みをもうちょっと見たかったな。あの二人、ギャグの餌食にされがちだから(褒め言葉)
ルパンブルーとパトレン3号、ルパンイエローとパトレン2号がペアになってた感があるから仕方ないのかな
あと、ノエルのキャラが不安定だった気もする。どっちにも顔が利くが故にどっちつかずで省かれることも多かった。異世界人というのなら特殊能力や怪人体があってもよかったのかなと、思ったり。最終的にはコグレさんとグッドストライカーらアルセーヌ側の人間ってことで落ち着いたけどう〜ん。もう少し何かほしい。。。
なにかありそうな雰囲気が強すぎたかな 笑
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惜しかったのは玩具展開。
ルパンレンジャーとパトレンジャー、どちらも互換のある共通アイテムを使わせるってのはいいアイディアだとおもったし、グッドストライカーが任意でどっちに巨大戦をさせるか選べるというのも面白いと思った。
でも、どうやら販促的にはうまくいかなかったらしい。
ルパンが人気となると玩具展開がルパンに比重を置き始めた。
見ていても消防車は絶対パトレン側のアイテムだと思ったし、後半ルパン側の強化が著しかった。これはどっちが手にするんだろう、とか思ってたのにどっちもルパンの手に渡ったら「あれ?」となった。
パトカイザーが後半ほとんど出番ないっていうのに気づいたときにはもう手遅れだった。
「君はどっちを応援する」って煽り文句がそのまま玩具展開に影響されちゃったみたい。
バランスが難しいよね
話がおもしろく、キャラが生き生きとしていて、戦闘がかっこいい。
ルパンコレクションも過去戦隊のモノという特撮好きにたまらない
強化バランスさえ良ければ本当に申し分のない1年だったと言えよう。
戦隊モノで何を見ればいいか、と聞かれたら自信を持ってオススメできる。
ルパパトよ。1年間ありがとう。また逢う日まで。アデュー
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感想『七つの会議』これが日本社会なのだろうか
池井戸潤さん原作の『七つの会議』を観てきた。
ひとつの会社で繰り広げられる人間模様。
居眠り八角が上司をパワハラで訴えた。その頃から社内で不自然な人事異動が多発する。この背景に何があるのか。
『陸王』や『下町ロケット』でも出てた役者さんがいっぱいで「あ、この人」って場面が多かった。日本の役者というのはこんなにも少ないのかってくらいに被ってるよね。
演技力が安定している人が限られているだけなのかな笑
元々、主役が違う複数の章が積み重なって構成されている小説なだけに、どう映像化するのかがすごく気になっていた。
実際観てみると、なるほど上手く再構成されている。
きちんと各章の要素を分散しながら本筋から逸れないように話が展開されていた。
バランスとさじ加減が自然でよかった。
さて、以下ネタバレありの感想とか思ったことです。
あぁ、池井戸潤の原作だなぁって印象。
調べてみたら監督もテレビと同じみたい。
おなじみの顔ぶれ、おなじみの演出。
ハズレはないけど、テレビの延長でしかない。
なかなか根深い問題だぞ、それ。
過剰演出とも言われるけど、安定しておもしろいし・・
あと、とにかく居眠り八角がかっこよすぎる!
僕、原作読みながら、勝手に六角精児さんをイメージしてたんですよね笑
なので、メインキャストの発表の時点で「え、え?」となりました。
なんとなく名前しか知らなかった野村萬斎さん。
かっこいいけど、こんなサラリーマンいる???
あれだけ敵を作るような言い方してれば社会人として苦労すると思うんだけど・・
組織の異分子であるんだけど、わざわざ煽るような表現が多いよね。
あの会社でよくあのキャラで生き残ってたな・・・笑
僕がこの原作を読んだのがちょうど神戸製鋼の事件の頃。
改ざん偽装がホットな話題だっただけに内容が全くフィクションとは思えなかった。
自分の会社も知らないところでデータとか書き換えられていたら困るな
とはいえ、今の自分が「書き換えといて」といった旨の話があったら「はいはい、やればいいんでしょ」って従ってしまうかもなぁ
トカゲの尻尾切りじゃあないけど、実行犯が一番リスキーでその上の人間なんて別に守ってくれないもんなのにね。
ついつい従わざるをえないし、色々と思い悩むだろう。
そういった人間の苦悩も触れられていて考えさせる内容だった。
映像化によって胃がキリキリするような会議や叱咤がより重厚となり、観ていて辛くなるくらいだった。
社会人だからこそ楽しめる。社会人だからこそ楽しめない。
無性にドーナツを食べたくなる。そんな映画。
ブログを書くのって難しい
今日で1月もおしまい。
1ヶ月ってあっという間だよね。
もう2019年も残り11ヶ月(カウントダウンには早すぎるか)
このブログを始めておよそ1ヶ月経ったことになる。
元々、特撮モノやドラマ、映画を見ることが好きだったしその感想を誰かにアウトプットしたいなと強く思っていた。
そこで今年はブログを始めてみよう、と一念発起してみた。
いやぁ、しかし始めてみたものの、これがなかなか難しい。
まず文章を書くことは好きでも、読んでもらえる文章を書くのはまた違う難しさがある。
それに、僕が書きたい内容は他の人が読みたい内容かどうか、ってことを考えると書くネタが絞られてくる。
一生懸命映画を見たりドラマを見たりするけど、文章化する時間がとれない。
自分の仕事が忙しいため、それなりの時間まで仕事をしていると家で何もできない。。笑
なるほど。一定のペースかつ、安定した品質で書き続けている人はすごい。
時間があるときに多少ネタをストックしてると、日々ブログやネタのことしかできなくなるね。
ほんと恐れ入った。
前クールは結構ドラマを見てた気がするけど、今回は結局「3年A組」しか見ていない
代わりに映画はハイペースで見たかも
『映画刀剣乱舞』『仮面ライダークローズ』『十二人の死にたい子どもたち』
あ、記事にするタイミング逃したけど『ボヘミアン・ラプソディ』も見たから劇場で4本か。
来月は『七つの会議』『コードギアス復活のルルーシュ』は確実に観るぞ!
特にギアスは再編集映画も観て準備万端
あの勢いに乗っている感じをまた味わいたい
僕はルルーシュもスザクも好きだから、文化祭のイベントみたいな仲良しシーンがあればいいなぁ、なかなかそういうアソビを入れる余裕なさそうだけど笑
あと、これに関して仮面ライダークローズ・万丈龍我役の赤楚衛二くんのコメントを発見
畏れ多いのですが、コメントさせて頂きました。
— 赤楚衛二 (@akasoeiji) 2019年1月30日
こういった形で我が青春のコードギアスに携わらせて頂けて本当に光栄です。
嬉しいですねぇ😎
是非チェックして下さいませ! https://t.co/wuZuS9VH3r
なんかコードギアスっていう共通の話題があって嬉しい気持ちになった笑
『七つの会議』は偶然にも昨年原作本を読んでおもしろかった。
ちょうど神戸製鋼の時期だったなー。懐かしい
これも原作の感想を思い出して記事書けたらなーとか思ってたけどあっという間に1ヶ月経っちゃった
やっぱりなかなか難しい。
感想『十二人の死にたい子どもたち』あえて言おう。僕は酷評すると。
今、話題の映画『十二人の死にたい子どもたち』を観た。
ネタバレのないように公式HPのあらすじを更にかいつまむと、内容はこうだ。
「みんなで死ねば怖くない」安楽死を求めて12人の未成年が廃病院に集まった。
しかし、集まった部屋には謎の13人目の死体がそこに。
殺人鬼は誰なのか。疑心暗鬼 嘘 騙し合い あぶり出される「死にたい理由」
最高潮のパニックの中 彼らは「死ねるのか」「殺されるのか」
未体験の密室サスペンスゲームが幕が上がる。
みんな大好き密室デスゲームに近い感じだね。死にたいけど殺されるのは嫌、なかなかワガママだなおいw
廃病院での出来事なため、絵面はなかなかに地味。その分キャストが豪華
実写映画『ちはやぶる』で好青年を演じた新田真剣佑
『花のち晴れ』のヒロインで一躍注目の杉咲花
最近は映画に引っ張りだこ『君の膵臓をたべたい』で初主演の北村匠海
ヤフーニュースになってた気もするけど、公式では伏せられている13番目の少女も、超有名人
(というか、伏せている意図がよくわからなかった。。。)
そして、『仮面ライダー鎧武』で好演を見せてくれた高杉真宙くん!
かわいい弟分から冷酷非道な策士まで1年間でのフリ幅が大きい役を見事に演じてくれた。
その後の『渇き。』(2014)ではすばらしいクズとなる。
(今作も勝手に渇きのビジュアルと同じ役の人かと思い込んでた)
その細かな心情の変化をうまく表情や目で演じてくれる素晴らしい役者さんだと思う。
鎧武の中盤からの演技が好きで、気づくと普通にファンになっていた。
本当に楽しい1年だった。
今回の『十二人の死にたい子どもたち』を集めた主催者。それが高杉真宙演じるサトシだ。主催者だけあってなかなかいい役を貰えててちょっと嬉しい。
特撮俳優が評価されていくのはまるで我が子のように応援したくなっちゃう笑
さて、ネタバレのない範囲で感想を言うと「長い」
正直、僕はやや退屈だった。
もうすこしおもしろい要素があるかなと、期待しただけに期待が高すぎたようだ。
まぁ、見に行っておきながら言うけど、相当ハードル低めでみたんだけど、ハードルくぐっちゃった的な!?
前述の役者さん達のファンだったら見に行ってもいいけど、あとはどの層におすすめできるかな・・
あまりミステリーは上手じゃないから、ミステリーを求めるならおすすめできないね。
デスゲーム要素もあまりないし、そういうの好きな人も違うよね。
ここからはとりあえず、ネタバレも気にせず感想言います。
「長い」
とにかく単調で退屈。あらすじでいうほどパニックにならないし、むしろ高校生達めっちゃ冷静で大人。大体肝が座っている。
話の流れでそれぞれが「死にたい理由」を告白するが薄っぺらい。みんな「へぇー。大変だったね」みたいに割りとフレンドリーに共感してくれる。
でも自分の悩みはすごく大きく見えるけど、人の悩みは「そんなもんか」ってくらい軽く流す。いや、一見共感してるんだよ?表面的ってわけでもなさそうだけど、所詮「他人事感」がすごい。
だから、会話に深みがなく、掛け合いとかも特にない。
掛け合いもないのでキャラが活きてこない。
その割にストーリーも大きな展開もなく淡々とスムーズに進行する。一生懸命登場人物に死にたい理由を独白させ、謎解きを展開させる。そしてシンジロウの超推理でだいたい解決する。あまりカタルシスも驚きもなく、予定調和的に最後の投票を行う。
視聴者とは裏腹に妙に感情を高ぶらせた子どもたちが次々と心をひとつにする。
僕らポカン。
台詞回しのせいもあるけど、杉咲花演じるアンリの話口調がいちいちうっとおしかった。彼女だけじゃない。メイコもタカヒロもやりすぎなくらい過剰にキャラを作らされている。タカヒロの吃音も後半にはだいぶよくなってたけど、誰も触れてくれなかった気もする。
死生観をメインとしたメッセージ性のある映画にしたかったみたいだけど、なかなか難しいね。
死ぬか殺されるか、みたいなキャッチコピーで集客したのもよくない。
全然そんな話じゃないし、拍子抜け感はんぱない。
よかったところを強いてあげるのならば、主催者が今すぐ死ぬかどうかを話し合いさせたところ。
これから死ぬのに互いのバックボーンを知っちゃったら未練残っちゃうじゃん、と思ったけど、むしろそれが主催者の狙いだと分かってスッと腑に落ちた。
それだけは見ていてなるほどなぁと感心した。
それくらいかな。
日テレ系だし、そのうち金曜ロードショーあたりでやるかもしれないし、迷っている人はそれでもいいと僕は思う。
映画「十二人の死にたい子どもたち」オリジナル・サウンドトラック
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感想『恋の渦』見栄と嘘と建前と。水面下の泥沼
こないだ『人のセックスを笑うな』を観てからプライムビデオでエロ系の映画がおすすめにあがってきてた笑
いつもは「キッズ向け」って言われながら仮面ライダーや戦隊ヒーローがズラッと並ぶのに、ふわっと違うのが混ざってるのが異質すぎる笑
自分の知らない映画、劇場公開されてても多分行かなかっただろうなって映画に出会えるのはプライムビデオのいいところ
こういう映画をみると、有名所の予算もあってキャストに力をかけてる映画ってすごいんだなーって思う
『恋の渦』(2013)正直知らなかったです。はい
動きの少ない「バクマン。」を見事に演出していての原作ファンとしても見ごたえのある映画だった。
この『恋の渦』も人間ドラマをうまく構成している。
もともと演劇が原作?みたいで、会話劇がうまい。
ロケとか一切なく、場面は4つの部屋だけで繰り広げられる。
オープニングタイトルが始まるまでの10分ちょっとだけが全員集合。
(尚、この10分強がみていてキツい)
その後はそれぞれの部屋に遊びに行く、あるいは電話をしているシーンだけで関係性が展開される。
ずーっと電話している相手が誰なのか、同じ出来事・行為をお互いにどう考えているのかがいい塩梅でミステリーみたいになっている
本音と建前や見栄や勘違いがヒドイ笑
ナチュラルな嘘を吐き、無自覚なウザさ、空回りの献身、相手を見て豹変
いるいる、こういう人。って感じ
悪意のない素直で誠実な側面があるとそれがまたうっとおしい。
相手のいなくなった瞬間に他の仲間を呼んだり電話をする。
さっきの出来事や聞いた話の裏取りをする。でもその裏取りも相手を間違えるとぼやかさちゃう。
観ていて「それ言っちゃうんだ」的な流れや「あ、そういうこと言うんだ」を繰り返す。観ていると心のどこかがイタイイタイって悲鳴を上げる。
修羅場になりそうでならない、綱渡りのような状況が続く。
どうなるんだろう、とハラハラする展開ではあるけど、決して大事にならない。
問題を表面化させずに水面下で完結させる、今風のDQNの物語
空気を読むことに長けた現代の子たちは決して表立っては争わない。
映画を観ている視聴者だからこそ、泥沼なこのグループが崩壊していることを知っている。だけど彼らはそんなことを知らず、表面では仲良しこよしをしている。
怖い怖いw
僕はああいう身内での男女関係のトラブルの経験ないため、未知の世界をみるようで新鮮でした。
AVやグラビア女優のポスターを壁のあちこちに貼るって、当時の時代背景でなく今時のひとでもやってるんだろうか。
2013年ってそれほど昔でもないし、オラついた人たちの間では普通なのかな
愛なのか恋なのか。好きってなんだ。大事にしたい気持ちと欲望は同じか別か。
どこまでが浮気なのか。ドライと依存。
DQN世界と縁のない人にとってはファンタジーでも、もしかしたら世界が違えばリアルな話なのかもしれない。
オススメするかと言われると微妙だけど悪くはない。
おもしろいわけではないかみてほしい。
実に不思議な感想の映画だった。
総括『ツルネ ー風舞高校弓道部ー』悩み進む青春の日の美しき思い出
弓道をテーマに描く、高校生の部活モノ「ツルネ」
制作は水泳に熱い高校生達の物語『Free!』を描いた京都アニメーション。
序盤から美しい映像美に目を奪われる。
スポーツものは漫画では表現しきれない音や躍動感が補強されるからアニメ化や実写化が映える。バレーボールの『ハイキュー!』なんかもアニメでは動きがすごかった。
弓道ということで大きな動きはあまりないんだけれども、その分「静」「動」のキレが活きてくる。
弓道特有のかっこよさが全面に演出されている。
物語も、派手なこともなくどちらかといえば緩やかなアップダウンで進んでいく。
ひとつ小さな山・・というより”丘”を超えると、次の丘が待っている。
その丘は決して超えられないような大きさでもなく、人によっては軽々と乗り越えていけるくらいのものだ。
でもこの”人によっては”というのが意外とネックとなる。
自分は苦労もせずに超えていった丘。それを超えられない人をみると「なんでこんなことができないんだ」とイライラしてしまう。
周りができるのに自分だけができない。その焦りがさらに丘を砂山のようにしてしまう。いちど砂山に足を取られると、なかなか進むことができない。
丘が砂山に見えている仲間にいかにして手を差し伸べるか、自分の目の前の砂山を道として認識できるか。そうやって悩みながらも丘を乗り越えて進んでいく、そんな物語だと思った。
ひとそれぞれに悩みはある。
それが精神的なものであれば、解決策を見出すのは難しい。
立派に見える大人でも、実はすごく心にしこりを残しているのかもしれない。
心のしこりは案外時間が解決してくれない。
結局、精神的な悩み・心の引っかかりを解決するには、周りとの関係や世界の見方を変えてみることが大事なんだろうな。
多感な時期だからこそ、小さな丘が大きな山に見えてしまう。
湊も静矢も大きな山を目の前に足が進まない。でも、一緒に歩む仲間に支えられて大きな一歩を踏み出していく。そして自分なりの考え・結論を持ってひとつ大人になる。
大人になっていく高校生の成長物語としては完璧な作品だと思う。
「ツルネ」のいいところは「一見立派な大人たちも実は完璧でない」ということを描き、高校生たちも理解していく。そして立派でない大人たちが高校生に背中を押されて歩き出せる、と世界観全体で前向きな気持ちにしてくれる。
ライバル校にもきちんと確執を作り、乗り越えなきゃいけない存在として描かれる。
まだ世間を知らない子供のような双子がヒール役として物語をかき乱していく。
かき乱す、といっても悪意に満ちた卑劣で狡猾な手段を用いるわけでなく、純粋に口が悪い実力者なだけだ。しかし、精神的に大人あるいは大人になろうとしている人物が多いだけに双子の子供っぽさが対比として悪目立ちしてしまった。
原作は知らないけれども、多分この双子もこれから壁にぶつかり大人になるんだろう。
繰り返すけど決して派手な作品ではない。
古典文学のような繊細さに京アニの映像美はまさに芸術。
話数も多くないため、是非いちど観てほしい。
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感想『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』医療とゲームのベストマッチを凝縮した60分
今更ながら『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』(2017)を視聴。
あの公開当時、僕はまだ仮面ライダーをひとり劇場で観に行くことをしていなかった。
劇場にちゃんと足を運ぶようになったのは、『仮面ライダーOOO』から渡部秀・三浦涼介、『仮面ライダーフォーゼ』から福士蒼汰の出演した『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL』からである。
(尚、当時まだ『仮面ライダーOOO』を絶賛視聴中かつ、『仮面ライダーフォーゼ』未視聴状態だった笑)
『ポケモンGo』(2016)
『劇場版 ソード・アート・オンライン‐オーディナルスケール‐』(2017)
ARが注目されていた頃の、VRをテーマにした本作。
ソード・アート・オンラインはダイブ型のVRのゲームがメインなので、どちらかといえば本編のほうが劇場版エグゼイドに近い。
特に劇中の「マザーズ・ロザリオ」編に通じるものがある。
あのシリーズは短編で密度が濃いからぜひ観てほしい
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さて、トゥルー・エンディングの感想
エグゼイド特有のゲームをうまく利用した演出やギミックがおもしろい。
ゲームを作るゲーム。僕はRPGツクールシリーズを想起したけど、今ってもっと色々な種類があるんだね。いわゆる「ツクールシリーズ」。演出はすごく楽しかったけど、これのガシャットってちょっとチート過ぎやしませんかね。
まぁ、もともとエグゼイドって無敵やポーズ・リセットに本気で向き合ってきたからこそ成り立ってるから、それに比べるとチート感は弱い。
そしてストーリーは医療の話を中心にシフトしていく。
エグゼイドってゲーム要素が強いけれども、他の医療ドラマとしての側面もうやむやにしないで頑張って描いていた。1年のシリーズで色々と玩具的・対象年齢や放送時間の制限もあって、完全な両立は難しかったと思うけれども、設定が設定なだけに医療ドラマパートはとても好きだった。
人の命がバグスターとして蘇るとしたら、それは幸福か否か。ざっくりいえばここの命題が興味深い。ゲーム特有の蘇る命との対比がとてもよかった。
今作ではVR世界で生きることについての是非が問われている。
仮想現実であれば現実の身体が自由でなくても好きなことができる。ある意味の理想郷であるのだが、その仮想の「生きている実感」が現実の「生きていくための体力」を消耗させていく。皮肉なことに仮想世界で生きるための最低条件が現実世界で生き続けることなのだ。
ソード・アート・オンラインでも仮想現実世界に閉じ込められた主人公が目覚めたとき、身体が弱っていておもうような状態でなかった。
VRの医療分野での導入はまだまだ課題が多そうだ。
60分という短い時間ながら、それぞれのキャラの良さを存分に活かした仮面ライダーエグゼイドらしい映画だった。満遍なく出番があり、キャラ同士の掛け合いも生きている。なによりストーリーもしっかりしているのに、よくまとまっている。
本編終了から1年半。おおよそ時系列も一致するこのタイミングで観たのは良かったのかもしれない。本編放送中に最終回後の話を劇場で観ていたらまた違う感想になっていたと思う。
エグゼイドが好きな人は改めて見直してみてはどうだろうか。
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