『機界戦隊ゼンカイジャー』セイバーコラボSP セイバー世界も破壊されてしまった!おのれゼンカイジャー!
スーパー戦隊と仮面ライダーの合体映画の公開を記念したコラボSP
この手のコラボはシンケンジャー&ディケイドでの実験から、トッキュウ&鎧武以来しばらく続いていたが、ぶち抜きコラボ枠から客演ゲストに縮小してキュウレン&エグゼイドで終幕した。
ディケイドの頃はともかくとして、ゴーカイジャー以後一時的に戦隊&ライダーのコラボ映画が乱立していたことも影響しているのだろうか。「コラボ・お祭り・春映画」スーパーヒーロー大戦(&Z)と、戦隊とライダーのコラボ枠だった春映画も「昭和と平成の仮面ライダーが今年同じ人数じゃん!それをメインにしちゃおうよ!」と戦隊が弾かれさらに「仮面ライダー3号」「仮面ライダー1号」と続き、「超スーパーヒーロー大戦」が最後となっている。
ライダー視点でみると鎧武(トッキュウ)とドライブ(ニンニン)は春映画での絡みがないがコラボSPがきちんと行われた。ゴースト(ジュウオウ)とエグゼイド(キュウレン)は本編客演扱いの絡みにとどまり、ビルド(ルパパト)以降は再び世界は分断してしまった。そもそも、ビルド&ルパパト世界を正当コラボさせようと思うとなかなか大変そうだ。
戦隊とライダーのコラボは久しぶりであり、今のターゲットとなる世代の子どもたちにとっては新鮮なことなのかもしれない。
そんなセイバーとのコラボが今回の話だ。
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『機界戦隊ゼンカイジャー』19話 ステイシー君、ゼンカイ堕ち寸前。ゼンカイ脳の恐怖
カブトムシ回。なんだカブトムシ回って。なんだ虫採り回って。
いや、深く考えてはいけない…。頭をゼンカイにして受け入れるんだ。。。
もっとこう、全てを開放してカブトムシのことだけを考えろ。
毎度おなじみアタマゼンカイ、ゼンカイ脳。
前回のレンアイワルドに引き続き洗脳系の能力。「ビートルトルズ」とかいうギリギリのラインを攻めた技により、永遠にカブトムシ捕獲する幻影を見続ける怪人だ。
流石に回りくどい侵略方法だと上司のチェックが入ったが、愛鳥のフォローによりなんとか作戦の継続が承認された。上司のチェックがあったとなれば指揮官自ら現場に赴くことも厭わない。さすが軍隊長だ。
シロップに釣られて登場し、「樹液だ〜」と歓喜したカブトムシワルドをみて、別の追加戦士がアタマに浮かべてしまった。一切拾ってくれなかったけど。
ところでアバレキラーって描いた絵を具現化する能力なんかあったの?まったく記憶にないや。レンアイワルド→ジェットマンは予想通りなのに対し、カブトムシワルド→ゴウライジャーorビート&スタッグバスターじゃない、と期待を満たしたり裏切ったりしてくるゼンカイスタッフ。時々予想通りに心を満たしてくれるのに、大抵は予想を裏切る規則性ないトリッキーな采配はひとの心をバグらせる常套手段だ。ここまで約5ヶ月、じっくりでも確実に、僕らのアタマはゆっくりとゼンカイ脳になっている。
調べたらステイシーは第6カイが初登場。すぐに順応した(元々アタマがゼンカイだった)ゾックスと比較するとかなり踏ん張っている。
そんなステイシー君にも全力ゼンカイの魔の手が忍び寄る。
一人シリアスにカイトの両親について調べるも狙った情報がヒットしない。
ふと思いつきカイトの変身ポーズつきで「秘密のパワー!ゼンカイザー」を披露。
ひとりで機械に向かって名乗りをしている絵面はシュールだ。そのうえ「やらなきゃよかった」と後悔・自己嫌悪しているところまでセットでおもしろい。
ステイシーくん、確実にゼンカイ脳に片足突っ込んでますね。ゼンカイ堕ちするのももうすぐかもしれない。そうなってしまうと番組が無限に続いてしまうのでもう少し踏ん張ってほしいところだけれども。
ところで、来週は仮面ライダーセイバーとコラボ回だ。セイバーが最終回直前でシリアス全開な引きで特別編に突入する。仮面ライダーセイバー本編は「特別編」と銘打っているのに機界戦隊ゼンカイジャーは「20カイ」だし、ゴールドツイカーの強化イベント回だし、さすがゼンカイジャーと感心した。このブレない感じはもはや感動の域。
ゼンカイジャー視点からすればいろいろな世界があることは当たり前だし、脅威の適応力とギャグ補正で平常運転。セイバー側も「物語のひとつ」とかなんとかすれば受け入れなくもな・・い?受け入れていいのか?「普通の」どころか「ホモサピエンス」ですらない奴らをどう受け入れるんだろ。
しかしよくもまぁ、セイバーの作風で「ゼンカイコラボしましょう!」なんて提案したな。
高橋Pはセイバーをどう捉えているのか。あるいはゼンカイをどう見ているのか。
ゼンカイ世界に取り込まれた神代兄妹がさっそくギャグ時空の餌食になっているのが不憫で不憫で…。セイバー&ゼンカイ、どう捌くのか次回は楽しみだ。
公式でゼンカイ脳だとかゼンカイ堕ちとか言ってるのアタマゼンカイ#ゼンカイジャー #仮面ライダーセイバー pic.twitter.com/l1vwui89sb
— ゆうがた (@ugata514) 2021年7月11日
感想『仮面ライダーエグゼイド』ゲームと医療で命に関する倫理観の対立。哲学的にも考えさせられる教育的仮面ライダー
放送当時、毎話衝撃展開がつづいて毎週毎週楽しみだった記憶がある。
いかにして攻略をするのか、システムの裏をかくのか、もったいぶらずに次々と展開しハイテンポで物語に進める。え、これもうクライマックスでしょ、何度思ったことか。
改めて通しで見てみてもその勢いは衰えることがないどころか、一気に見れる分止め時がわからなくなる。数々の仮面ライダーデザインのなかでも思わずぎょっとする異色でポップな見た目とは裏腹に、医療とゲームの命のあり方というめちゃくちゃシリアスで深いテーマをうまく融合している。
ゲームと医療の倫理観の葛藤
エグゼイドを最も面白くしたのは「ゲーム」と「医療」という2つの軸をメインに据えていたことだ。仮面ライダーでは「戦国」と「果物」や「学園」と「宇宙」など一見関係のないテーマを複合して取り入れていることは多い。しかし数あるライダーシリーズの中でもここまで真摯にテーマを融合させて物語を紡ぐのは珍しい。
主人公は基本的に医療現場側の人間だ。職業柄、従来の仮面ライダー以上に「人の命」に対する責任感が強い。いかなる状況であろうとも人の命を奪うことは許さない。
そこにゲーム会社側の倫理観がヴィランとして立ちはだかる。「コンテニューしてでもクリアをする」という名言(?)があるように、いくつも残機があり死してなお生きていける価値観がみてとれる。
「絶対に死なせない」医療倫理と「死んでも蘇る」ゲーム倫理が常に対立しているからおもしろい。人の命をデータ化してガシャットで管理する、バックアップがあるうちは何度でも再生可能な世界。現代・現実の科学では程遠いが、いつかもし実現可能な時代になるとすればどのような倫理的対立が起こり得るのか、非常に興味深い問いだ。
例えばAmazon Prime Video Originalに『アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜』というドラマがある。人間の死後に自身をデジタルなあの世にアップロードできる世界だ。自分の意識を仮想空間に飛ばすことにより、肉体が死んでも現実で生きている人間と画面越しに会話ができる。デジタルな世界での生活は、現実世界での家族や後継人の月額課金によって成り立っており、現実に高いお金を積めば意識上は天国のような快適な暮らしを実現できる。
この世界を理想的な世界とみるか、恐ろしい世界とみるか、人それぞれの倫理観や経験から議論は尽きないことだろう。ただ、アマゾンがオリジナルドラマとしてこのようなテーマで制作したからにはいつか「アップロード」世界を実現しようと夢見ている可能性も否定は出来ない。事実、莫大な資金力とデジタル処理技術を持つアマゾンだ。「アップロード」社会に最も近い企業であることは間違いない。
社会はかつてないほどのスピードで変化している。再生医療や代理出産、遺伝子操作など様々な技術が進歩しつつある現代、そのイノベーションに対して社会の倫理観の構築が追いついていない。エグゼイド世界の医療従事者は皆、バグスターによる命の取り扱いを認めていない。それでも飛彩だけは小姫を取り戻すためにその悪魔の技術に揺れた。天才外科医が失った恋人を蘇らせるため、悪魔の技術にすがって悪落ちし、目の前の戦友の命を救うために恋人のデータを諦める。医師としての自分の倫理観と恋人を想うひとりの個人としての倫理観。この葛藤の采配がすばらしい。最終回どころかVシネマを経ても尚ビターなエンディングを迎える飛彩はめちゃくちゃかっこいい。
アマゾンしかり、幻夢コーポレーションしかり、人の命のデータ化が技術的に可能になればそれは大変素晴らしいことだ。ただ、それが社会に許されないのは小姫のようにいくらでもデータを人質に出来てしまうからだろう。ただ技術のあった大企業が資格も選定もなく擬似的な命を預かることはあまりにもリスクが大きすぎる。
特定企業に任せておくことは出来ないが、かといって国にゆだねて一括管理なんてものも安心ならない。PSYCHO-PASSのようなディストピア世界になりかねないし、どこかの大国が国民管理に悪用するのも想像に易い。
あくまでも仮面ライダー世界の範疇でゲームと医療での命の扱い方の違いを描き、倫理的命題にここまで踏み込んだのは感服せざるを得ない。その点に置いてもエグゼイドはあまりにも完成度が高い。
永夢とパラドと檀黎斗
エグゼイドの良さは永夢役の飯島寛騎くんの演技力の高さや黎斗役の岩永徹也くんの怪演が際立っている。特に普段は穏やかな永夢が静かにブチギレる演技は、日々迫力を増していった演技技術の向上の賜物だ。その真骨頂は39話「Goodbye 俺!」。パラドを真顔で問い詰め、パラドの求めていたとおりに戦いながら、極限状態まで死の恐怖を植え付ける。飯島くんの表情とエグゼイドの戦い方、恐怖への演出すべてが相まって最高の1話である。
エグゼイドの物語は永夢とパラド、黎斗の3人の動きがターニングポイントになる。
時系列的に言えば
1.黎斗→永夢:バグスターウイルスに感染(以降俺人格)
2.永夢:交通事故手術でパラドが分離(以降僕人格)
永夢はパラド分離後は穏やかな性格がベースになるが、ゲーマーのときだけパラドの俺人格になる。あとはパラドをリプログラミングしたり永夢にウイルスを注入したりしてふたりのDNAは混ざり合う。
この細かい設定が複雑で追うのが大変なんだけど、謎解きも醍醐味のひとつである。
永夢とパラド、すべての元凶である黎斗、3人の関係や立ち位置がエグゼイドの物語の縦糸として機能する。敵によって意図せず改造人間となってしまった永夢。敵の能力を駆使して戦う。このあたりの設定は実に「仮面ライダー」らしい。
この複雑な設定をギミックとしてパラドを分離したり戻したり、試行錯誤をしながら物語を勧めていくのがおもしろい。
一見、デザインや設定は仮面ライダーっぽさから遠いところに位置していそうな「仮面ライダーエグゼイド」 。数ある作品のなかでもぜひ多くの人に見てもらいたいおすすめの1作である。
『機界戦隊ゼンカイジャー』18話感想。恋愛戦隊ジェットマン最終回をネタに昇華できる公式の強み
流石に今日のエピソードはやりすぎですよ。ツッコミが必要な状況が無限に続く恐怖。
開始三分、OPも流れる前からレンアイワルドによって恋に落ちる面々。
人間と人間、キカイノイドとキカイノイド、そんな種を超えた人間とキカイノイドの組み合わせはもちろん、男性同士・女性同士という同じ性別同士の組み合わせ、ついにはパフェという無機物への愛まで網羅するゼンカイジャー。
さすがにパフェへの愛は予想できなかった 笑
ブルーン回みたいな感じではあったけど、特別大活躍するわけではなかったな。
全体的に濃いしネタも詰め込みすぎた煽りを受けた感ある。とはいえ、恋愛を知らないブルーンが恋の幸福感と不安感、苦く切ない気持ちを学べたのは彼の心の成長につながるのではないかな。知識欲が高まると空気が読めないキャラクターであるけれども、相手の気持ちを推し量る能力は恋愛によって鍛えられる(よね)。もともと心優しい穏やかな性格だからこの経験が活きるエピソードはないかもしれないけれども、後々につながってくれるといいな。
レンアイワルドの恐ろしいところは強力な洗脳能力をもっていることだ。変化に柔軟なゼンカイジャー世界の住人との相性が良すぎる。外部環境の変化をすんなり受け入れて適応する住人はあっという間にレンアイ脳の持ち主となってしまう。Love&Peaceは争いを無くすといわれるが、愛と嫉妬を裏返して地球を侵略するというのは、かなりの高偏差値の戦略である。
しかし45作品もバリエーションがあると、レンアイ脳への対処に優れたセンタイギアさえあるのが強い。「ジェットマンはトレンディ♪」とひとことで紹介されるように、ジェットマンは、戦隊は戦隊内部や敵幹部とドロドロの恋愛劇を繰り広げていた。衝撃的な最終回は、バラエティ番組で「戦隊モノ」を取り上げるときに選ばれやすいため、本編を見ていなくてもなんとなく知っているひともいるのではないか。僕も本編はまだ見ていないけれども最終回だけは十分に理解しているつもりだ。
ゼンカイジャーからしたら戦隊の大先輩であるジェットマン。これの最終回を公式でパロディにしてしまうのがゼンカイジャーだ。
「なんとなくジェットマンが良さそう」とふわっとジェットマンギアを勧め、全キャラがパロディだと理解せずに寸劇をさせられ、ブラックの立ち位置をレンアイワルドに置き換えて撃破する。あまりにもゴリ押しすぎる超展開に、釣られないわけにはいかない我ら大きなお友達であった。。。
さらにそのままYoutubeでの比較検討を公式に誘導してくる。。。公式が抜かりなさすぎる。
⠀ \45/
— 機界戦隊ゼンカイジャー (@toei_ZENKAIGER) 2021年7月4日
⠀ \⠀/
(○ V○) ジェット全カーイ!
一体何が起こったカーイ!?🦅🦅#ジェット全開!
ということで、ジェットマン最終回を期間限定で大公カーイ!!⚙
ゼンカイジャー18カイ!
原典と比較検討全開してくれカーイ!https://t.co/ZIX1GU1yPl#ゼンカイジャー #nitiasa #ジェットマン
東映特撮ファンクラブ(TTFC)をFire TV Stickで見る3つのポイント
なんと!ついに!あの!東映特撮ファンクラブ、通称TTFCが!
Amazon Fire TV Stick対応になりました!拍手!(パチパチパチ)
むかし、Amazon Primeに入っていたときは仮面ライダーも戦隊も結構あれこれと見放題だった。入れ替わりで見放題のラインナップが変わることはあっても、なにかしらは見ることができた。なのに気づくとラインナップから外されたきり全然戻って来なくなったヒーロー達。そうか、地球を守るといいつつやはり米国に肩入れするわけには行かなかったか・・・。
長らくFire TV Stickに対応していないから敬遠していたけれども、諦めて比較的最近加入したTTFC(何を見るためだったかなぁ…)
基本動画はTV画面でみているから非常に見づらく、UIも使いづらくて、ついイライラしていた。
でも!ようやく!Fire TV Stickに対応してくれたのは本当にありがたい!
Fire TV Stickで見る前に抑えるポイントが3つある。
1.バンダイナムコIDを取得する
TTFCとAmazon Prime会員をなぜ直接繋げないのか疑問だけど、バンダイナムコIDが必要らしい。TTFC-バンダイナムコ-Amazon Prime という形でバンダイナムコを仲介してIDをつなげるイメージだ。
メールアドレスでの簡単無料登録をしよう。
バンダイナムコID https://www.bandainamcoid.com/
2.東映特撮ファンクラブに紐付けする
正直コレの必要性に気づかず苦戦しました。TTFC側にバンナムIDを結びつけてやらないといけない。
TTFC公式アプリのその他>BNID連携 から先程登録したバンナムIDを連携しよう。
(わかりやすいように操作画面を画像で示そうとしたらスクショロックされていた。たしかに映像スクショできたらまずいもんね。No more 動画泥棒)
3.Fire TV Stickに登録する
ここまでくればあと少し!
Fire TV Stick内にアプリを落とそう。多分トップページから探せる。
そして、アプリを起動してその他会員登録から、バンナムIDを入れてやれば完了!
無事にTTFCをテレビ画面で見ることができるようになりました。
東映さんは山ほどコンテンツを持っているから使わない手はないよね。あのままアマプラで見れる状況であれば、ヒーロー見たさにAmazon Prime会員は増えていく可能性がある。でも制作側の東映さんがアマプラとの契約を打ち切って自社サイトのTTFCへ誘導したいのもわかる。しかし、TV画面で見る方法がGoogle Home一択なのはキツイっす。巨大プラットフォームの便利さに生活が侵略されてるのは分かるんだけどね・・・・・。
とはいえ広告なくシームレスにライダーも戦隊も映画もVシネも全部みれるのはやっぱり大きい。TTFC加入者が増えて上質なオリジナルコンテンツが少しずつ増えてくるといいな。
『機界戦隊ゼンカイジャー』インビジブルは夏のホラー。スケスケビームは男のロマン
なんといっていいやらインビジブル回。
戦隊&ライダーの透明化エピソードってあんまり記憶がないんだよね。
敵怪人が透明化や光学迷彩で同化する、みたいな話は思いつくけれども仲間が透明化して困るってなにがあっただろうか。
完全に透明化してしまったらせっかくのキャストが映らなくなっちゃうからあまりないのかね。
公式の制作ブログによると、夏映画撮影でジュランをセイバー組の撮影に参加させるためのスケジュールを考えている際、「いっそ透明にしちゃいますか」的なノリが原案だとか。本当にスケジュール確保のためにするのなら4週間透明でありつづけなければならなかったらしいが、結果として実現させてしまうところがゼンカイジャーだ。
スーパー戦隊らしさを保ちつつ、なにかしらの「崩し」を見せてくれる。45作品も続いている伝統がありノウハウがあり、フォーマットがあるスーパー戦隊。子どもは数年で入れ替わる、という点を考慮すれば同じ展開を繰り返しても問題はないハズであるが、毎年毎話なにか新しい仕掛けを見せてくれる制作陣は本当にすごい。
キラメイジャーのときも感じたが、「ゼンカイジャー」という作品をきちんと理解して、冗談の範囲でも「こういうエピソードはどうだろうか」と奇譚なく言い合えて実現させる。こういう新しいものを取り入れていくマインドは積極的に取り入れていきたいものだ。
透明化へのアプローチ
そんなこんなで、シルエット合成もなくマジでジュランが居ない状態での名乗りにひと笑いさせたあと、続けざまに「呪いのパワー」を発揮するマジーヌに面食らう。さすがにそっちの名乗りも変えてくるのは想定外だった。たしかに魔法も呪いも、単なる趣向の違いであって本質は同じものなのかもしれない。この見解は個人的におおきな気付きだったなぁ、と感心した。そしてマジーヌの呪い釘攻撃で透明化したクダックを一網打尽にしたのはうまい流れだ。
透明化の対処といえば、服を着せたりモノを持ってもらう、ペンキで物理的に色をつける、粉塵で浮かび上がらせる、というのが思い浮かぶ。
ジュランもマラカスを持って自身が持つものは透明化しないことを見せておきながら完全透明状態のままカイトに付いていき、車に轢かれるおっちょこちょいっぷりを発揮。
水からあがったり服を着たりゴミの粉塵を浴びたりしながらも最後にはなぜか完透明化。
わかりやすい対処療法を見せながらもチカラワザでゴリ押ししていくのは、やっぱりゼンカイジャーだった。(最後はペンキの雨を降らせるお約束の作戦でしめたけども)
しかし、日曜の朝からスケスケビームをみることになるとは。
ロボの片側だけ丸見えになるのが、性癖刺激になるひともいるのでは?笑
機界戦隊ゼンカイジャー。香村さんが描く悪の組織トジテンド。ゲゲは今日も溺愛される。
油断するとすぐステイシー君に注目してしまう。あぶないあぶない。
なんだよ、さとしって。素直になれないステイシーくん、応援してあげたくなる。
先週の次回予告&今週のOP時点でカラフルにステイシーにばったり対面なのはわかっていた(むしろココ見どころですよ〜ばりにアピールされてた)から、カイト視点じゃなくてステイシー視点でのご対面を見たかった気がする。
カイト視点でのご対面だと、なにも知らないカイトが「ただいま〜」って帰ってくるとステイシーがいる状況になる。極力彼を映さないような演出をしていたけど、さんざん宣伝されたご対面はすでに周知の事実なわけですよ。
その反面ステイシー視点でのご対面を想像してみてほしい。物憂げに地球を散歩しているとばったりヤツデに遭遇するわけだ。簡単な問答をして半ば強制的にカラフルに連れてこられる。いま用意するからね、とスイーツを準備してもらっている間、ソワソワしながら周囲を見渡すステイシー。色とりどりの装飾とおかし、子供のころに憧れたキラキラしたなにかをぼんやりと思い出す。一生懸命話しかけてくれるヤツデ。ほらお待たせ、と差し出されたカラフルサンデーにステイシーは目を輝かせる。いざ、食べようとした、その瞬間「ただいま〜」の声に反応して入り口をみるとそこにはカイトが・・・。
カイト視点での「家に帰ったらステイシー」は予告されていたので、ステイシー視点での「ヤツデについていったらカイト登場」のほうがステイシーの愛くるしい魅力を高めてくれるんじゃないかなぁ、と素人ながらに思ってしまった。そういう4コマ漫画かいてくれる人もいそうだけど、僕にはそんなスキルがない笑
香村さんの描く敵組織
香村さんがメインで手掛けた戦隊ヒーロー。敵組織にはデスガリアンとギャングラーとトジテンドががある。彼女が描く悪の組織には一定の構造がありそうだ。
まずはトップ。ジニス&ドグラニオ&ボッコワス。
彼らは組織の絶対的な君臨者だ。威厳と余裕があり、その姿のままですでに完全体である。(ジニスはさらなる強化を求めたが。)敵組織あるあるパターンのラスボス復活のために幹部が奔走する、という系譜ではない。
ジニスとドグラニオの余興的な侵略だったのに対して、ボッコワスは明確に地球支配を目論んでいる点がすこしだけ毛色が違いそうだ。
ただ、弱者であるコンプレックスや老化による負い目を感じていたりするため、ボッコワスも絶対君主であればあるほど、1点だけ弱さを隠し持っている可能性もある。ちなみに脚本は違うがヨドン皇帝もコンプレックスタイプのラスボスだった。
そして、特徴的なのは愛人枠(?)心酔枠とでもいうのかな。ナリア&ゴーシュ&ゲゲ。この3人は君主の寵愛を受けておりなんでも自由を許されている。彼女らもそれを自覚しつつも、心の底からボスへの愛情や忠誠心をもっている。そして、最終決戦で見限られて失意の中で敗北するパターンが多い。脚本は違うがヨドンナも忠誠心があったのに見限られて消滅した。ヨドンナ自身が皇帝なので寵愛を受けることすらなかったわけだが。
アザルド&クバル、デストラ、バラシタラ&イジルデの脳筋&インテリ幹部
ギャングラーにはインテリ幹部はいないし、そもそも敵組織に限らずありがちな組み合わせのため、香村さんに特徴的かといわれるとたぶん違う。そこは特別なことをせずに組織の「型」に忠実なのかもしれない。どちらかといえば脳筋幹部は体育会系というより軍事的な作戦立案が得意で力技の正攻法で戦隊を苦しめる。インテリ幹部は裏でなにかをやろうとして失敗してしまうイメージがある。敵幹部内で対立する二組をみるのも楽しみの一つだ。
バングレイ&ザミーゴ&ステイシー
組織の指揮系統外で活動する第三勢力。なにかしら因縁があったりするが、ストーリー上やや持て余しがち。ちょっとまだ頭の整理が追いついていないからまた比較してみよう。こういう立ち位置で他に頭に浮かぶのはバスコなんだよなぁ。
今回のゲゲの腹黒さをみて、改めてボスの愛人(愛鳥)だなぁ、と思った。香村さんの悪のイメージなんだろうな、ボスの寵愛を一心に受けるキャラクターの存在。
ラスボスになりそう、という意見もあったけどいつものパターンなら「もう用済みだ」とされるイメージのほうが強い。愛人は愛人だからこそ輝くものだと思う。その分をわきまえずにでしゃばってトップに躍り出ると大抵ろくなことにならない。
キカイトピアを支配した張本人絶対帝王のボッコワスはジュランらキカイノイドと因縁がある。最後に倒すべきラスボスは成り上がりゲゲではなく、ボッコワスであってほしい。
感想『きみと、波にのれたら』わさび君がかわいい!伊藤健太郎の声、けっこうイケるんじゃないか
なかなかの秀作。恋愛映画なのに、嫌な奴が出てこない。男二人出てくるのに、王子様&王子様ってのが珍しい。片方(主人公)は嫌な俺様系なのがありがちなパターンなのにね。なんでもできるイケメン努力家港くんがメインだけども、ゆるふわ系の川村山葵(わさび)くんがひたすらにかわいい。ファッションとか雰囲気とか全体的にかわいい。いつもワサビ色がメインカラーなのも芸が細かい。
構成は90分の尺のうち出会いラブラブパートと喪失再会パートと再出発の3パートで大別できる。完全なファンタジーを謳っているから多少の無茶な展開も許される。全体的にテンポもいいしギスギスするすれ違いもないからストレスなく見ることができる。
港が爽やか好青年すぎる。あんなイケメン努力家消防士で彼女思いのロマンチスト彼氏、世の女性の理想すぎる。意地悪するような場面すらないのは画期的じゃないすか。
港との出会いからトントン拍子での交際していくうえにラブラブパートも濃厚だから、事故までのショックの大きさもわかる。直後からひなこにだけ見える水みなととのイチャラブは周りから見たら相当やばい精神状態にしか映らないのがまたいい。ここで心配してつけちゃうわさび君かわいい。
後半にはそれぞれ自分の進みたい道をみつけ前を向いて歩いていく。
ここでのわさび君は黒タンクトップの肩出しのオーバーサイズのトップスファッションがかわいい。こんなかわいいのに告白して撃沈しちゃうのもこの服だ。
ひなこはライフセイバーの道を見つけ、わさびも消防士としてがんばっていく。港の妹のようこもカフェをつくる夢を目指す。みんなが目標に向かっていくのは前向きになれていい。
最後はどんな展開で締めるのかと思ったら序盤の花火事件の再来ときた。無駄のない展開かつラストにふさわしい派手な展開だ。これで水みなとはきれいに成仏していく。
これでたったの90分、なかなか濃いしおもしろい。
コーヒーや花火、クリスマス。これらの要素を効果的に配置して90分でリフレインさせながら進むから唐突さがない。脚本展開が素晴らしい。
波乗りや消防士という水がテーマの映画。
水は死の世界とむすびつけるという話もある。消防士からすれば水は人の命をまもる大切な生命線だ。掴みどころのない、実態を持たないような演出ができる。どんなに抱きしめたくても触れることさえできない二人。たぶんここで触れることができるようになるのがバッドエンドへのキーだ。あくまでも水の中の存在として認めていたから水みなとと長く過ごすことができた。触れたいと強く願ったらきっと水中で同化できるようにどこかのタイミングであの世に連れて行かれたかもしれない。完全な憶測ですけど。
もしかしたら、制作はそれなりに深い考えがあるのかもしれないけども、そんな考察を抜きにして普通にエンタメとしておもしろい。いい映画だった。
よかったからここはひとつわさび君メインでスピンオフなんてどうでしょう 笑
機界戦隊ゼンカイジャーを見て過去を懐かしむ。だが、タイムレンジャーに時間操作能力はない!
我々は何を見せられているのだろうか。昭和レトロ回。
しかしいまは過去=昭和くらいの認識で番組構成されることがおおい(昭和生まれをメインターゲットとしている)が、やがて90年代の平成初期や00年代の平成中期を懐かしさの象徴とする時代が訪れるだろう。この年代生まれの人が「うわ、懐かしい〜」とノスタルジーを感じるものってなんだろうね。
でも少なくとも消費してきたコンテンツは僕らをターゲットにすでにリバイバルは始まっている。ポケモン登場の絶頂期、人気ゲームだった「ポケモンスナップ」がスイッチ新作で蘇っている。デジモンアドベンチャーシリーズもTriを経てラストエボリューションで僕らのハートをガッチリ掴んでいる。(今のデジモンは現代の子どもたちをターゲットにしたいハズなんだけど、どうも中途半端な印象が拭えない)おジャ魔女も「魔女見習いをさがして」という形で復活した。
30年前の時点で「番組終了10周年アニバーサリー記念復活」(現代でいう40周年)なんてものはなかったと思う。あの頃はコンテンツを無限に作っていけるという自信があっただろうし、どんどん新しいものを作っては消費していく時代だった。コンテンツをつくる人も予算もアイディアも先細りしていく中で、昔の作品に再登板してもらう必要が出てきたのは実は由々しき状況だと思う。
バブル崩壊後も世界は進歩し続けて我々の生活は格段に進化を遂げた。その進化の過程にアマゾンの台頭やネット環境の整備が行われた。たまには「昔はよかった」と懐かしがりたい。過去に浸ることは気持ちがいい。だからといって過去に戻ろう、醜い平成をやり直そう、と言われたら僕は首を横に降るだろう。
過去に浸ることは悪いことではないけれども、過去に戻ることは僕としては「ない」かなぁ。
ゼンカイジャー自体が過去のヒーローを再登板させる節があるから、なんとも言い難いんだけれども、あくまでも主役は現代のゼンカイジャーだ。ゴーカイジャーでもジオウでも、主役を食わないような絶妙な配慮はさすがだなぁと毎度感心する。
ただ、タイムレンジャーは時間操作できないぞ?時間保護法とかいう結構ガチガチに厳しい規定があるよ?時間操作はダイレンジャーだっけ。ゴーカイでみたな。
最近は過去の技・武器を使う路線をやめて、すっかりとゼンカイジャーなりの拡大解釈路線で効果が発揮されるようになったな。まぁそっちのほうがゼンカイジャーの世界観との相性がいいのも事実だ。そういう再解釈の方針はジオウと似ている気もする。さすがさすが白倉氏。
来週は磁石回。それ自体はよくあるテーマであるけれども、これまた不思議展開になるんだろうな。ゼンカイジャーだし。。。。